消費税減税を実現しよう

10月からの消費税増税は、台風被害、即位関連、ラグビーの話題等で国民の頭から飛んでしまいました。しかし消費税を含む税制は、全国民の生活に長く深い影響を与えますので、しっかり考えるべきことです。

私が考えたことは以下のことです。長くなりますので、前もってまとめておきます。

興味がありましたら、お付き合いください。(言うまでもないことですが、私はど素人ですので間違いがあると思います。ご容赦ください。)

(1)消費税減税を民主主義を取り戻すきっかけにしよう。

(2)消費税は不公平な税制である。

(3)この30年の租税政策(所得税最高税率軽減、法人税軽減、消費税増税)は、経済成長をもたらさず、国家財政を悪化させ、国家の借金を増やし、格差を拡大した、間違った政策であった。まずは、元に戻すべきである。

(4)・(5)「消費税を5%に軽減」は、「所得税の累進性を元に戻す」、「所得税の総合課税制」、「法人税を半分元に戻す」、「相続税を全段階50%に増税」で、悪影響なしに達成できる。

(6)(7)(8)少子高齢化進展に伴う社会保障の維持、国家の借金返済、経済発展のため、消費税7%、相続税全段階70%にすべき(これを、「ラッキー7」政策と称す)

この税制は、富裕層への重税政策です。しかし、この30年国の政策で日本の富が富裕層へ集中したのも事実で、またそれが良い結果をもたらさなかったのも事実ですので、野党は覚悟を決めてこれまでの政策の逆を提唱すべきです。勿論支出の面も含めてです。もしそれを担うのが自民党であっても(無理でしょうけど)私は支持します。

 

(1)消費税減税を、「政治を国民に取り戻す」きっかけにしよう。

この10月から消費税が10%に上がりました。

こう書くことに、どなたも違和感を持たないでしょう。私もそうです。しかし、落ち着いて考えますと、この言い方はおかしいのです。

 

消費税が10%になったのではなくて、「10%にした」または「10%にされた」が正確な言い方でしょう。「10%になった」という言い方は、何か自然現象のような言い方です。考えてみれば、こんな言い方は日常良くあります。

 

言うまでもなく消費税増税は、自然現象ではなく、10%にしたのは、日本政府であり、究極的には、その政府を選んでいる日本国民なわけです。消費税増税に賛成な人は、10%にしたというのが正確な言い方でしょうし、反対の人は、されたというべきです。 

 

「・・・になった」という言い方には、人為的に決めたこと、起こしたことを自然現象のように考える日本人の心性があります。「戦争になった」「原発事故が起こった」「地球温暖化が進んだ」「安倍政治の下、ファッショ化が進んだ」「日米同盟だから、○○だ」なんて言い方も、人為的なことを、人為を超えた自然現象のように考えている例証です。これは日本人の、「お上のすることはやむなし」や「長い物には巻かれろ」という心性にも通底することでしょう。

 

私は、社会の在り方は、一人一人の判断・行動の積み重なりで決まると考えています。

 

確かに、戦争、原発地球温暖化、社会のファッショ化、日米安保体制というような大きなことは、複雑な巨大なもので、理解が難しいことです。個々人の想いや努力を超えるものとも思います。何か個人の抗えないものと見えるのも確かです。また原発や社会のファッショ化や日米安保体制などと自分との関係を見つけるのも難しいのも確かです。ですから、これらについて「・・・・になった」という言い方は、やむを得ぬと思います。

 

しかし一方で、これら複雑で巨大なものも、個々人の考えや行動の総体が作ったものであることも間違いありません。ですから、複雑で巨大なことも、個々人が真剣に考え行動すれば、そしてそういう人が多くなれば、より良い方向に行くと思っています。

 

さて本題です。 

戦争や原発地球温暖化などに比べ、消費税増税は身近なものであり、自分の生活に直接関係します。ですから、この消費税増税問題は、個々人が政治や社会を考え、参加し、社会を変える良いチャンスと思います。

 

この意味で、先日朝日論壇に載った、山本太郎の「消費税をあげることができるなら、下げることもできる」という発言は、真実をついた発言と思います。彼は消費税全廃を目標に、まずは%に戻すということを提唱しているようですが、5%はともかくとして、ほかの野党もこれに乗ってほしいと思います。そしてこの機会に、多くの国民が野党を応援して、消費税減税を実現出来たらいいなと思ってます。

 

もし減税ができれば、政治を国民に戻せるきっけになります。我々のことは、我々が決めるという民主主義を実感できるでしょう。

 

ただ消費税減税には代替財源の確保は、絶対必要です。山本は、代替財源に国債増発も考えているようですが、それは後代へのつけを増やすことで、われらがやってはいけないことだと思います。

 

国債以外の代替財源を探す中で、消費税を5%にはできず、6%や8%になっても良いと、私は思っています。その辺を消費税減税を目指す野党間でプロジェクトチームを作り、国民に提示してほしいのです。

 

(2)消費税率は、低い方が良い

私は、消費税の性格を他の税制に比べて不公平な税制と考えています。例えば国民年金だけで生活している人でも(年収は多くて一人70万円前後)、何らかの消費をします。小学生の消費にさえ、税金がかかります。

 

一方、消費税以外の主要な国税であるA所得税やB法人税やC相続税は、次のように、貧乏な人や会社に配慮してます。

A 年収の低い人、すなわち、給料のみ収入の人だと103万円以下課税無し、65歳以下で年金のみの収入ですと、108万円以下課税なし

B 赤字の会社は、非課税

C 大きな資産のない人(例えば相続人3人だと4800万以下非課税)

所得税法人税相続税は、収入の少ない人・会社には課税ありません。消費税は、貧乏人からも取ります。この点で不公平で、悪税と思います。故に私は、原則できるだけ消費税率は低くすべきと考えています。

 

(3)この30年の税制の政策は間違いであった。

下の税収の年次推移は、良く紹介されるグラフです。これはやはり、租税制度を考えるのには大事なグラフでしょう。財務省の作成したグラフです。

010.gif

 

 棒グラフを見ますと、消費税が導入された平成元年とその30年後の令和元年(予算)

は、ほぼ同じくらいの税収です(60兆円前後)しかし税収の内訳は違います。所得税法人税が減少し、消費税が増加しています。所得税法人税の減少を消費税が補充している と一応いえそうです。

・・・・・・ 

今年の各税の税率を、1988年(昭和63年)と比較している資料がありましたので、お借りして紹介しますと、

2019年【各種税率】

1988年比

法人税実効税率29.74%  -21.81p
消費税率10.00%  +10.00p
所得税最高税率45.00%  -15.00p
住民税最高税率10.00%  -6.00p
所得税+住民税55.00%  -21.00p
相続税最高税率55.00%  -15.00p

(「税率」推移を図解 ニッポンの数字より )

法人税所得税相続税の税率を軒並み減少しています。所得税の最低税率も約10%から5%に減らしています。消費税だけを 0→10%と増やしています。

 

 

結局、この30年日本政府の財政政策(のうちの、租税政策)は、

超貧乏人まで含めた国民全員の税負担(消費税)で、お金持ち・強者を優遇してきた(所得税・住民税最高税率減、相続税最高税率減、法人税減)といえると思います。

 

この政策の理由付けもいろいろあるでしょう。それらは結局、経済成長のため(経済成長→結局全国民の利益をもたらす)というものでしょう。

例えば、「所得税の高税率で高額所得者の勤労意欲をそぐのは、経済成長にマイナス」というような理由です。「法人税が高いと企業が日本から逃げ出す」とか「企業の競争力をそぐ」とかの理由です。これってホントでしょうか?

 

確かに、この政策で、経済成長が順調であれば、たとえ税率を下げても、法人税所得税も税収が上がるはずです。しかし、この30年経済成長は、大して出来ませんでした。いわゆる失われた30年です。税収も伸びませんでした。それゆえ借金を増やすことで、何とか国民の生活を維持するしかありませんでした。それは、後世代への負担押し付けでの解決策でした。

 

つまりは、この30年来の財政政策(のうちの租税政策)は失敗であったといえます。

 

ですから、これと逆の租税政策をしてみたらどうでしょう。消費税減税、法人税所得税相続税増税というやり方です。経済成長できるかもしれません。

 

(私は、日本のかつての経済成長の大きな要因は、人口ボーナス(若い安い勤勉な多量の労働力=団塊世代とその前後の存在)だと思っています。故に、この逆の租税政策でも、めぼしい経済成長は無理じゃないのかなと思っています。まあ、めぼしくなくとも成長が望めるかもしれません)

 

高い成長が望めなくとも、この逆の租税政策は、格差を縮小させるのは間違いありません。

豊な所からいただき、貧乏な方へ回すという本来あるべき社会の姿に一歩近づくと思います。(家族・部族・地域社会・国家・国際社会等、人の作る社会は、人類が生き延びるための不可欠の組織で、その本質は何らかの相互協力・扶助と考えています)

 

(4)消費税5%にするための補填財源を考える(新規国債発行は考えない)

平成29年度政府決算の消費税収入は、17.5兆円。国税消費税の7%で割ると、1%で2.5兆円。地方消費税1%分を足すと、1%で2.75≒3兆円が消費税収入。2.75×5=13.5兆円。つまり、消費税を5%にするためには、13.5兆円が必要ということになります。これを、所得税増税法人税増税相続税増税で代替することを考えます。

 

 A.所得税増税を考えてみる。

これは、実に様々なシミュレーションができるでしょう。それは私にはできません。私は超大雑把に、かつての「国税所得税最高税率60%時代」に戻してみることで考えます。

甲。上の税収年次推移を見てみましょう。景気の動向で所得税は大きく変わりますので、税収総額がほぼ同じ年で比較していきます。

 

税収総額が60兆円と現在とほぼ同じ平成2年・3年の所得税は、26兆円、今年令和元年の所得税見込みは、19.9兆円。約6兆円減少しました。ここだけ見ると、元に戻せば6兆円の増税(消費税%分)という風に考えていきます。

同じく平成元年と平成28年(税収総額55兆円)では、所得税は約4兆円の減少、

同じく昭和62年と平成25年(税収総額47兆)では、所得税は、約2兆円の減少。

同じく昭和63年と平成19年(税収総額51兆)では、所得税は、約2兆円の減少。

 

つまり、単純に最高所得税60%時代の所得税制に戻すと2~6兆円の増収になります。(これは、最高税率60%時代に戻しても2~6兆円の増収にしかならない、ともいえます。)この増収を、安全策をとって単純に3兆円と考えます。つまり、「最高税率60%時代に戻す」と3兆円増収(消費税補填財源3兆円で)で、消費税9%にはできそうです。

乙。総合課税制すればどのくらいの増収になるか

所得税には、様々あります。財務省資料をコピーしますと、以下のようになります。

 

種類 概要 課税方法
事業所得
(営業等・農業)
商・工業や漁業、農業、自由職業などの自営業から生ずる所得 総合
事業規模で行う、株式等を譲渡したことによる所得や先物取引に係る所得 申告分離
不動産所得 土地や建物、船舶や航空機などの貸付けから生ずる所得 総合
利子所得 社債や預貯金の利子などの所得 源泉分離
国外で支払われる預金等の利子などの所得 総合
配当所得

※配当所得には確定申告不要制度があります

法人から受ける剰余金の配当、公募株式等証券投資信託の収益の分配などの所得
申告分離課税を選択したものを除く。
総合
上場株式等に係る配当等、公募株式等証券投資信託の収益の分配などで申告分離課税を選択したものの所得 申告分離
特定目的信託の社債的受益権の収益の分配などの所得 源泉分離
給与所得 俸給や給料、賃金、賞与、歳費などの所得 総合
雑所得 公的
年金等
国民年金、厚生年金、確定給付企業年金、確定拠出企業年金、恩給、一定の外国年金などの所得
その他 原稿料や講演料、生命保険の年金など他の所得に当てはまらない所得
業(事業規模を除く。)として行う、株式等を譲渡したことによる所得や先物取引に係る所得 申告分離
社債の償還差益のうち、一定の割引債の償還差益などの所得 源泉分離
譲渡所得 ゴルフ会員権や金地金、機械などを譲渡したことによる所得 総合

土地や建物、借地権、株式等を譲渡したことによる所得

※ 株式等の譲渡については事業所得、雑所得となるものを除く

申告分離
一時所得 生命保険の一時金、賞金や懸賞当せん金などの所得 総合
保険・共済期間が5年以下の一定の一時払養老保険や一時払損害保険の所得など 源泉分離
山林所得 所有期間が5年を超える山林(立木)を伐採して譲渡したことなどによる所得 申告分離
退職所得 退職金、一時恩給、確定給付企業年金法及び確定拠出年金法による一時払の老齢給付金などの所得

申告分離・源泉分離が結構多いでしょう。

これらを総合課税にすれば税収は原則増えます。表の課税方法にある総合課税とは、いろんな所得をまとめたものに課税します。故に所得は増えます。総合課税にすれば、所得税は累進性ですので、税収は原則増加します。では、どのくらい税収が増えるか、多くの計算が必要であり、私の力ではこれにこたえることができません。

(総合課税にして税収が減る場合もあります。私は退職したころ退職金のうち500万円を株式売買に投資して1年で100万円儲けた時があります。次の年には100万円損しましたが。(笑)この時には、年金150万円への課税は5%で、「株式売買の儲け」へは、20%の課税です。これを総合課税にしますと、250万への課税ですから、5%か10%の課税です。払う税金が減ります=国家の税収は減ります。このように簡単ではありません。けれど基本的には税収増になるのは自明でしょう)

 

そこで専門家の意見を参考に見てみます。

「富裕層への課税強化で税収8兆円増収に。浦野教授が試算 」(題目のみで中味の引用できませんでした。彼の試算は、総合累進課税制にしたら8兆円増収という内容です

 

浦野教授の説が正しいかどうかは分かりません。まあ、話半分以下として3兆円増収になるとすると、消費税はここまでで8%にできます。

 

(3)株式譲渡益増税 (参考)

分離課税のままでも、株式譲渡益について現在の20%課税(1兆円税収あり)を40%にすると単純に、1兆円の増収となります。(平成27年度で計算しました)

 

B.法人税増税を考えてみよう

 法人税 実効税率は、1988年比ですと、マイナス21.81%とあります。法人実効税率とは、法人にかかる様々な税の合算の、所得に対する割合です。

つまり、1988年には、法人は、所得の(現在の29.7%+差の21.8%)≒50%の税を払っていたわけです。法人税は法人所得にかかるものですので、その年所得のない会社等は、払いません。儲けのある会社等からいただきます。

 

法人実効税率を現在の30%から40%に上げるとどのくらいの税収になるでしょうか。令和元年が13兆円ですので、13兆÷29.7×40≒17.5兆円となります。

ただ法人実効税率には法人地方税もありますので、国税収入は減少します。そこで、国税収入を16兆円と考えますと3兆円の増収です。消費税を1%下げることができます。消費税はここまでで7%となります。(もし、現在の税率約30%を1988年の実効税率50%としますと、22兆円の税収となり、地方税の分をひいて国税分を19兆としますと、19マイナス13=6兆円の増収となります。これで消費税を%下げることができます。1988年段階の実効税率50%に戻すと、消費税を%に下げることができます。)

 

C.相続税増税を考えてみよう

相続税の合計課税価格階級別の課税状況等(平成29年分)

相続税の合計課税価格階級別の課税状況等(平成22年分)
合計課税価格
階級区分
件数 納付税額 平均
課税価格
(a)
平均
納付税額
(b)
負担割合

(b)/(a)
件数 累積割合 税額 累積割合
  億円 万円 万円
~5千万円 10,189 9.1 64 0.3 4,438 63 1.4
~1億円 56,180 59.4 1,392 7.2 7,114 248 3.5
~2億円 29,538 85.8 3,290 23.5 13,703 1,114 8.1
~3億円 7,782 92.8 2,428 35.5 24,077 3,119 13.0
~5億円 4,766 97.1 3,146 51.1 37,739 6,600 17.5
~7億円 1,575 98.5 2,024 61.2 58,687 12,851 21.9
~10億円 872 99.3 1,790 70.0 82,755 20,525 24.8
~20億円 632 99.8 2,419 82.0 133,415 38,272 28.7
~100億円 178 99.9 2,000 91.9 308,390 112,339 36.4
100億円超 16 100.0 1,633 100.0 2,384,419 1,020,581 42.8
 
合計 111,728   20,185   13,952 1,807  

(ばんざーい、やっとやっとこの資料をコピーできた。何時間かかったことか)

 

さて、相続税100%で考えてみましょう。どのくらい税収が増えるのか計算してみます。ただし、 合計課税金額とは、すでに各段階の控除額をひいた金額で、控除額は相続人の手元に残ります。その意味での100%です。

 

計算方法は簡単です。例えば100億円超の合計課税価格の場合、納付税額が1633億円で、これが負担割合42.8%ですので、負担割合を100%としますと、

1633億円÷42.8×100=3815億円となります。5千万円以下ですと、64億円が1.4%ですので、これを100%にしますと、64億÷1.4×100=4571億円となります。

 

これらをそれぞれ計算して合計しますと、13兆5182億円!!となります。現在の控除額をひいて、(遺族に残し)、残りを徴収しますと13.5兆円となります。つまり11.5兆円の増収です。

  

相続税100%というと、遺族に全く残らないように思いますが、それは違います。すべての相続に対して、基礎控除があります。3000万円+相続人1名につき600万円は、遺族の手元に残ります。

さらに高額納税者には、控除があります。例えば6億円超の人すべてに、7000万円の控除、つまり手元にのこるお金があります。勿論控除もなしの100%もあると思いますが、それでは相続行為自体がないという風に考えます。

 

相続税を一律50%にしますと、単純計算で5.7兆円すなわち消費税2%弱分になります。

 

<消費税5%にするための代替税についてのまとめ>

所得税最高税率60%時代に戻すと消費税1%軽減可能、所得税を総合課税制にすると1%軽減可能、法人税実効税率を40%にすると1%軽減可能、相続税を全所得段階で50%課税にすると消費税2%軽減可能となります。これで消費税5%は実現します。増税で得る税収は、所得も法人収益も経済の動向に大きく左右されますので、いずれも少なめに考えています。相続税50%課税は、消費税2%に7千億円ほど足りませんが、相殺できるでしょう。高齢の死亡数は増加が見込まれますので(笑)その意味でも7千億円なんてクリアーできるでしょう。

 

(5)消費税を5%減税にした場合の代替増税の経済的影響について考える

所得税法人税相続税増税が、経済的に悪影響が大きければ、消費税の減税の意味は半減します。そこで、これら3税の増税の影響を考えてみます。

 

A.所得税増税最高税率60%時代へ戻す)の影響・・・最高税率を下げる理由の一つ、「高所得者の労働意欲をそぐ」というのは、ホントじゃないと思います。事業をやっている人やサラリーマン(社長も含めて)や不動産投資や株式投資者が最高税率が高すぎるので稼ぐ意欲をなくすとは思えません。

 

また、所得が多い人が、多く消費する故(→そのため経済成長に貢献)所得の多い人の税を増やすべきでないという説も同意できません。金持ちもそんなにそんなに消費は出来ません。所得の多い人は、余剰を貯蓄や投資にまわしていると思います。貧困層・中間層の方が、割合としては、消費が多いのは自明と思います。

 

また高所得者の海外脱出の心配もありますが、この日本で高所得を得ているわけですので、脱出は少ないでしょう。高所得の事業者・サラリーマンの脱出は考えにくいです。影響は小さいと思います。

 

一方で格差拡大は明らかな事実です。格差縮小のため最高税率を高くするのは良いと思います。故に貧困層・中間層の手元にお金がより多く残る税制の方が良いと思います。

(具体的には最高税率60%時代の階層別人数と課税率表から考える必要があります。所得税最高税率を下げるころ、所得税も大衆課税の性格を強くしたと記憶しています。

 

以上から、所得税最高税率60%時代に戻す方向で良いと思います。故に消費税9%はOKです。

 

所得税の総合課税制導入について

特に経済に影響があるようには思えません。高額所得者の勤労意欲低下、消費低下、海外脱出は、Aで考えたよりも影響がないと思います。

 

反対者の理屈は、政府により自分のプライバシーが知られるというのですが、知られるのもしょうがないでしょう。もともと消費税導入は、所得税の捕捉率の不公平さをカバーするという意味もありました。

(なんて言いましたか、給与所得者は殆どの所得が捕捉され、自営業・農家は捕捉されるのは3~5割、政治家は1割なんて言う不公平のことです。これをプライバシーを守るため是と考えるのは、無理かと思います。脱税とは言いませんが、それに近いのではと思います。サラリーマンが不憫です。)

総合課税制を目指す(所得捕捉が進む)のが、不公平性の解消につながると思います。技術的にも、今はいくらか簡単になったと思います。

 

以上から総合課税制導入は良いことと思います。故に総合課税制で消費税8%にすべきでしょう。

 

B.法人税増税について

簡潔に言うと、法人税は、かつて所得に対して実効税率50%でした。それが現在は30%になっています。

私の知る限りでは、その理由は、海外の企業との競争力強化、海外への流出防止、企業の活動強化は、経済全体に恵みをもたらす(トリクルダウン理論)などでした。

 

 

 

民間平均給与の推移 

 実際には、平均給与が上がってないので、トリクルダウンは嘘でした。一方この30年で格差が拡大しました。

ここに所得格差の国際経年比較グラフが入るのですが、入れることができませんでした。

(30年以上前から、主要国の中でも日本は所得格差が大きい方です。一億総中流なんて、ほんとにあったことなんでしょうか。そんなときがあったのか?それにしても世界の先進国いずれも格差が拡大してますね。新自由主義経済だからでしょうね。)

 

次に、法人税の減税は、海外流出防止に役立つかどうか、考えます。

国内と国外の市場の大きさを考えると、企業にとっては、海外に行った方が良いのではないかと考えます。(海外進出で儲けてもらう)故に、この点で流出防止は考えなくともよいのでは、と思います。

また法人税の高低よりも、もっと大きな要素(例えば円高・円安、労働力・市場・技術・情報獲得)が企業の海外進出には、あるのではないかと想像します。故にこの点でも海外流出に関しての法人税の高低は考える必要なしと判断します。

 

「海外企業との競争力」と「法人税の高低」についてはわかりません。ただ、競争力は法人税の高低に関係ないと想像します。創意力、技術力、積極性が大きいのかなと思います。

かつては50%の実効税率で世界2位のGDPを稼いだわけですので、各企業は40%の実効税率で頑張ってほしいと思います。内部留保を積み上げるばかりでは無能と思います

以上から、法人実効税率40%へ戻すことが良いと思います。故に消費税は%にできます。

 

C.相続税増税について(贈与税増税する)

相続税強化により、被相続者(親)も相続者(配偶者・子)も、生きているうちにお金を使うことが多くなります。それで需要が喚起されます。この点で経済発展に貢献します。お金持ちの子供も、自分の力で生きようという気もちが出て、これも経済発展に貢献しそうです。「児孫に美田を残さず」です。

心配なのは富裕層の海外移住ですが、それはやむを得ないでしょう。お金のため日本を捨てる人は、「去る者は追わず」です。

贈与も相続税逃れに使われますので、これも増税すべきです。

 

それにしても、偉い人がいます。遺産100億超の16人です。現在、この16人で税金1633億円を支払っているのですからね。お疲れ様でした。何か表彰しなきゃね。この場合その人は死んでいるので、相続人に国から感謝状はどうでしょう。叙勲もいいかもね。相続人に一代限りで国や自治体の博物館や美術館の無料入場カード(ゴールド色)進呈もいいかもね。海外脱出防止に少しは役立つかな。(割と本気)

 

以上から、相続税50%への課税強化はいいと思います。これは消費税%に当たります。

 

 

結論:所得税累進課税強化(もとに戻す)、総合課税制、法人税強化(半分元に戻す)、相続税強化(全段階50%)で、消費税5%は、経済への大した悪影響なしに実現できると判断します。消費税全廃は、この倍の増税が必要なので、非現実的と思います。

 

ついでに財政全体を考えてみます。

 

(6)財政の推移

 

 ほんとは、グラフで言いたかったのですが、そのグラフの引用がうまく出来ません。

そこでごく基本的な数字のみで考えます。(世界経済のネタ帳から)

           1988年          2019年(予想)       政府・自治体 歳入  121兆円          189兆円

政府・自治体  歳出    119兆円                            206兆円(政府のみ101兆円)

政府純債務残高    114兆円             857兆円

(政府純債務:政府総債権(借金)-政府保有金融資産(持ってるお金))

個人金融資産      1000兆円         1800兆円

この三十年で、政府・自治体合計歳入は約70兆円増えましたが、歳出は約90兆円増えました。約20兆円たりません。毎年の足りない分は、ご覧の通り債務(借金)の増加で補填してきました。その残高合計が、純債務857兆円なわけです。この30年で増えた政府純債務は、857兆円-114兆円=743兆円です。743兆円÷30年≒25兆円。毎年平均25兆円借金して国民生活・国家を維持してきたわけです。

 

一方、個人金融資産残高(預貯金、保険、投資信託など)は、800兆円増えています。743兆円≒800兆円と考えて、大きくとらえますと、政府の借金増加分が個人金融資産に回ったといえます

 

うまく資料がコピーできないのですが、個人金融資産は、年齢では、60歳代以上が60%以上持っています。 

図1:純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数

図1

  • 出所)  

    国税庁国税庁統計年報書」、総務省「全国消費実態調査」、厚生労働省「人口動態調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」、東証TOPIX」および「NRI生活者1万人アンケート調査(金融編)」、「NRI富裕層アンケート調査」などからNRI推計


    また、図1.でご覧の通り、アッパーマス層以上の世帯(合計1162万世帯、3000万円以上の金融資産保有世帯)がマス層世帯(4200万世帯、3000万円以下保有)の673兆円より多い866兆円を持ってます。大雑把に言って、全体の5分のⅠの金持ちの世帯全体で、普通~貧乏の5分の4の世帯全体よりも多く金融資産を持っています。

     

    (7)まとめー財政と税制と個人金融資産の関係

    この30年、日本政府とそれを支持した日本国民は、毎年20~25兆円の借金をして

    国民生活と国家を維持してきました。その結果積みあがった政府純債務は740兆円です。一方、この30年日本の個人金融資産は800兆円増えました。それを多く持つのは、高齢者と金持ちです。

     

    日本国は、750兆の借金をして、そのお金をほぼ高齢者と金持ちに回したといえます。

     

    借金をなぜ増やしたのでしょうか。国家の収入である税収が足りなかったせいです。なぜ税収が足りないか。所得税累進課税弱化、法人税減税をしたこと、相続税等その他の増税をしなかったこと、経済成長ができなかったことです。

     

    経済成長ができない理由は様々でしょうが、税制面では、この30年間の「所得税累進課税性弱化」、「法人税軽減」、「消費税強化」という作戦が失敗だったのです。そしてこの30年の税制は、高齢の金持ちの金融資産と黒字会社の内部留保を増やしたのです。

     

    (8)今後どうすべきか

    税制は、この30年の作戦が、経済成長できなかった上、不公平と格差を促進したので、その逆の作戦をすべきです。

     

    所得税累進課税を元に戻す、所得税の総合課税制、法人税を元に戻す、相続税の強化、です。これらを実施すれば消費税5%は、悪影響もなく実施可能です。

     

    次に消費税を5%にした状況下での社会保障・経済を考えます。

     

    現在よりも不公平さは解消しますが、しかし、これまで積み上げてきた借金とこれからの少子高齢化を考えると、税収の確保は、ぜひ必要です。

    (「国家の借金は、個人金融資産をうわまらない限り大丈夫」とか、「固有の通貨を発行できる国家は、インフレにならない限り、借金大丈夫」とかいう理屈は信用できません。「原発は絶対安全」に似た嘘でしょう。ひどい破局を迎える可能性を否定できないのです。これらの理屈は、この30年やってきた税制や財政や経済政策を存続させるためのもの=即ち富裕層向けの政策の存続と思います。この意味で山本太郎の「消費減税を国債増発に頼る」というのも、富裕層を利するものです

     

    そこで、消費税を%に軽減するのはどうでしょう。そして相続税は、50%で考えましたが、それを70%くらいで考えればさらに税収は確保できます。借金をいくらかずつ返し、経済成長に役立つことに今よりもっと多く使えるでしょう。「どこにどう使うか」も「どこからとるか」同様大事な視点ですが、随分長くなりましたので、ここで止めます。

     

    (消費税を%でなく%にすれば、%の時より、約6兆円税収が増えます。相続税70%にすれば、約8兆円増となります。合計14兆円です。)

     

     

    この辺を総合的に考えて、野党は政策を立案し、わかりやすく提示してほしいと思います。 

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

漫然原発を運転した罪、安倍・菅・荻生田の放った毒矢

7年前私は、軽トラックで人身事故を起こし、他人に骨折のけがを負わせた。信号なしの交差点で右折する時、直進しつつあった50CCバイクにぶつけたのである。確認が不十分であった。警察で事情を聴かれ、福島の検察庁で事情を聴かれ、検察官から公訴された。

 

その起訴状の公訴事実にこうある

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「被告人(私)は、・・・・(日時、場所、経緯の詳細)・・・・自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り、右方道路からの車両の有無及びその安全確認不十分のまま発進して、漫然時速5キロメートルで同交差点に進入した過失により・・(以下被害の様子)

。」

        罪名及び罰条

自動車運転過失傷害   刑法211条2項

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

後日、裁判所からの判決(略式命令)が来た。

        主文

被告人を罰金15万円に処する。(以下略)

        罪となるべき事実(略)

        適用した法令

        起訴状の罰条の他、刑法18条、刑事訴訟法348条

・・・・・・・・・・・

私は15万円の罰金を支払った。他に、民事上の賠償を支払い(保険で)、行政上の処分(一日免許停止、講習即日交付)を受けた。自分の不注意が原因なので、私はこの処分に不満はない。

・・・・・・・・・・・・・・・・

翻って、どうにも腹に据えかねるのは、原発事故当時の経営責任者への、刑事裁判上での無罪判決である。

 

私は法学部出身でもなく、法律を専門に勉強したこともない、一般国民である。しかし法律や裁判は、一般国民の常識に沿ったものでなければならない。そうでなけりゃ、秩序を保てないからである。

・・・・・・・・・・

私の常識では、東電幹部は刑法上の罰を受けるべきと思う。それは、上の私への判決文で言えば、

東電経営者は、「原発運転上の注意義務があるのにこれを怠り、・・・・漫然原発を運転していた過失」があると思うからである。

 

 

原発事故数年前に、防潮堤を超える津波の可能性が指摘されていたのである。万一に備えるのが注意義務というものだろう原発を止めてでも、津波対策をやるべきだった

 

実際は、原発を止めなくとも、予備の非常用ディーゼル発電装置を高台に作っておくことは出来たはずだ。水密化だって原発を止めずにできたはずだ。

 

東京地裁の裁判官は、被告が対策を取らなかった事情について、いろいろ言っているが(巨大な会社、政府の指導がなかった等)、それは、情状酌量部分でしかないと思う。彼等は漫然と原発を運転していたのである。注意義務を怠ったのである。無罪はおかしい。

 

私は以上のように考えるが、これは、一般国民の考え方と思う。すべての国民もこの事故で、電気料への上乗せと税金で余計な金を支払っている。

 

勿論私個人の自動車運転と東電の原発運転の経営者個々人では、刑法上の扱いが違うだろうとは想像できる。

 

しかしながら、漫然原発を運転していた会社の責任者を処罰できない法令なら、その法令が悪いのである。もし法令上、漫然原発を運転していた会社の経営者を処罰できないなら、原発の運転は、初めからそして今後も、すべきでないのは、当然のことではないか。

 

・・・・・・・・・

安倍・菅・荻生田が牙をむいた。その牙でかみ砕こうとしているのは、思想良心の自由・表現の自由である。

 

荻生田文科相の発表によれば、「あいちトリエンナーレ」芸術祭への、出すと決めていた補助金を、全額交付しないとのことである。その芸術祭の中の、「表現の不自由展・その後」が、中止になったことに関しての、手続き上の不備補助金停止の理由とのことである。

・・・・・ 

もし、「表現の不自由展・その後」が静かに開催されていれば、当然補助金は出ていたはずだ。

 

なぜ「表現の不自由展・その後」が中止になったか。周知のとおり、この展示内容への攻撃や脅迫が、中止となった原因である。

 

思想良心の自由・表現の自由を大事に考えるならば、展示内容にかかわらず、この展示を脅迫等から守ることこそが、行政の仕事のはずである

 

なのに行政は、補助金を出さず、お金の面でこの展示を締め上げようとしている。結局この展示をやめさせようとしているのである。

 

「表現の不自由展・その後」の展示内容は、「守るべき価値あるものではない」と、行政が言っているのである。行政が補助金を出さないとはそういうことである。

 

これは、行政の判断が、表現の自由を制限できるということである。恐ろしいことだ。

 

行政が思想良心の自由や表現の自由に、それはいいとかそれは悪いとか判断を下すのは極めておかしい。

 

たかが行政の判断なんぞに、思想良心の自由・表現の自由が侵されてはならない。これは、憲法違反の無効な 行政行為である。

 

 

さすがに彼等も、内容を問題としてはいないと言っている。手続きがまずいと言っている。しかーし、である。もし手続きがおかしいなら、その手続きをきちんとせよと言えばよいだけである。補助金カットをする必要はない。

 

手続き上の不備は、口先だけの理由である。行政は、本当は展示内容を問題にしているのである。

 

行政とは?直接には文化庁らしい。文化庁の役人は前例がないと認めている。前例がないことをしたのは誰か。文化庁を管轄する文科大臣荻生田その人である。また彼を文科省に送り込んだ安倍官邸である。

 

 

 

つまり、 

この補助金カットは、安倍・菅・荻生田が、己に気に食わない表現を抹殺しようとして放った毒矢である。表現の自由を毒殺する毒矢である。これを認めたら表現の自由はしびれる。萎縮する。

 

大村知事は補助金カットはおかしいとして、裁判に訴えるとしている。頑張れ、大村。頑張れ裁判官。ことは、表現の自由ひいては思想良心の自由の問題だぞ。日本を北朝鮮や中国にするな。

 

前例がないと文化庁の役人が言っている。つまりは、ここにも、加計問題で見られた、あの、「官邸による役人への圧力」がある。

 

 

私たち国民は、日本を中国や北朝鮮にしないため、今度の総選挙でダメな野党に仕方なく投票しましょう。与党に投票して中国や北朝鮮になるよりいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        

 

 

 

 

 

万一に備えない危険物取扱者?/荻生田文科大臣に注目!

気持ちのいい風を受けて、スタンデイングをしてきました。

9月9日は、台風のため中止で、20日ぶりです。前回5名に対して今日は11名で心強い。

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いやいやひどい写真です。車の陰で見えませんね。代わりにお空をご覧ください。秋の空がかすかに見えます(笑)気温は22度。気持ちのいいスタンデイングでした。行き帰りは、南相馬の田んぼの中です。稲穂がもう垂れていて、甘い稲の香りがしました。震災直後は荒れ果てた田んぼの風景でした。今は稲作が再開してます。しかし復興したなんて、とても言えません。

 

9月16日再開されたJビレッジを見に行きました。中心の建物周辺は、まあまあ人が多くて(サイクリングの大会がありました)往時を思い出させます。しかし、国道六号線の双葉・大熊の帰還困難区域では相変わらず、警官が警備するバリケードが続いていました。沿線には荒れ果てたお店・住居・田畑が連続していました。自動車は通れますが、二輪車・歩行者等、体をさらす通行は、まだ出来ません。8年過ぎてもこの調子です。人は戻りません。ですから、原発事故以前に戻ることはありません。

 

この激烈な災害=故郷破壊、多数の原発関連死・心身障害・生業破壊、全国民の賠償負担(電気料)を引き起こした東電幹部が無罪判決(本日の東京地裁)とは、理解不能です。東電に責任があるなら、その経営者にも責任はあるでしょう。会社の行動は、自然に決まるものではありません。その会社の経営者が決めます。

 

事故数年前に、防潮堤を超える津波が来る可能性が指摘されていました万一に備えて対策を打つのが、危険物で利益を得ていた会社の経営者のはずです

 

灯油・ガソリン・火薬等危険物取扱者は、資格が必要です。法令の試験があります。それは万一の事故に備えてです原子力取扱いに資格があるかどうか知りませんが、万一に備えるのは当たり前です。原子力は、灯油・ガソリン・火薬などに比べてはるかにはるかに危険なんですから。

 

東京地裁の裁判官の皆さま、あなたたちは、万一に備えない危険物取扱者の存在を合法としているのですよ。

 

対策なんて簡単です。非常用のジーゼル発電機をもっと高い所に設置すればいい。今日もTVで、地元民の一人がいってました。「繰り返し、ジーゼル発電機を上へと要求していた」と。裁判官は、どうして「対策を講じても事故は防げなかった」と判断するのでしょうね。私には、理解不能です。

 

 

話がそれてしまいました。スタンデイングに話を戻します。

今日の私のプラカードは、次の三つでした。

 

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前に通行者から、このプラカードの意味を聞かれたので、さげろ、あげろ、という意味を書き加えたものです。消費税は大衆課税です。増え続ける、資産を持つ個人・企業への課税を増やすべきでしょう。

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「初心わするべからず」で、このプラカードを掲げました。今回の内閣改造に際しても、安倍首相は、憲法改正をやるといってます。その中心は、「自衛隊憲法に書き込む」ということでしょう。

 

どの様な自衛隊を書き込むのでしょう。・・・勿論、2015年成立した安保法制下の自衛隊を書き込むということでしょう。安保法制の諸法律は、集団的自衛権の行使を認めたもので、当時国民の多数、憲法学者の殆どが違憲と考えた法律です。つまりは、憲法違反の安保法制を合憲にしようと言う作戦です。逆立ちした行為です。

 

もし、安全保障政策上、集団的自衛権が必要なら、まず憲法改正してから安保法制の法律を成立させるべきでした

 

安倍政権のやり方は、泥棒をしておいて、泥棒はいいことにしようという行為です。人を殴っておいて、人を殴るのも良いことにしようというやり方です。ルールを破っておいて、己の行為を正当化するルールをつくろうという作戦です。

 

さて、本日立憲民主党、国民民主党等が統一会派をつくるということが本決まりとなりました。良くも悪くも、民主党の再集結という感じがします。安保法制成立時、民主党は同法制に反対という態度でした。共産・社民も同様でした。今、新参の「れいわ」も反対です。「安保法制廃止」でまとまってほしいです。しかし当時の民主党内部にはいろいろ意見がありました。大丈夫でしょうか。ぜひ野党は、「安保法制廃止」でまとまってほしいと思います。また野党は、消費税減税・資産課税強化でまとまってほしいです。野党結集のため、これらのカードを掲げました。

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久しぶりに、新しいプラカードを作りました。街を行く人たちの多くにはわからないだろうなと思いながら掲げました。

 

新文科大臣荻生田は、安倍首相の意をくんで、安倍首相のお友達=加計孝太郎の経営する加計学園獣医学部設置のため、文科省に圧力をかけた張本人です。その証拠の文書を、文科省は提出しました。

 

安倍首相は、荻生田を文科省へ送り込み、己のお友達びいき=行政の私物化、を隠すつもりでしょう。いや、もっと悪辣なことを考えているでしょう。証拠を発表した文科省役人に復讐し(例えば人事異動)、恐れさせ、ひれ伏せさせるつもりでしょう

 

それで一罰百戒全官僚組織を官邸の思うままに動かすつもりでしょう

 

マスコミや野党・国民の荻生田監視が必要です。文科省役人の毅然とした態度、無理なら面従腹背、それも無理ならタレコミ、あるいはタレコミ示唆をお願いします。それで荻生田大臣も好き勝手はしにくいでしょう。

 

一番大事なのは、国民の関心です。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

飲み会・映画・内閣怪造

昨日、「暑気払い」で仙台に行ってきた。昨年の寮行事を行った幹事たちが、「暑気払い」の名目で集まったわけだが、単に、飲んでしゃべりたいというだけのことである。

 

いずれも70歳前後で、病気・がん死の話が多かった。また出身大学の農学部の不祥事(大学院入試情報漏れ)の話が出た。大学研究室の経営の苦しさが背景にあるということであった。さもありなん。毎年、国からの研究費は1%ずつ減らされているのだから。

「そうは言っても、許されることではない。その人がほしいなら、推薦制にすればいいのに」と、現役弁護士。「歯学部は、学費が欲しいため院生を欲しがっている。歯学部生自身は、博士号を取ったってメリットはないのに」とは、現役歯科医の言。なるほど大学は苦しいようだ

 

原発放射性廃棄物の話も盛り上がった。「20µ㏜受忍論はおかしい」「日本には放射性廃棄物処理の最終処分地なんてない」「海洋投棄するなら、汚染水はパイプラインで東京湾に流すべき」「閾値という考えがおかしい」等意見が出た。いちいち同感。

・・・・ 

近頃は、農事・家事・育児でどこにも出かけてないので、たまの息抜きということで、午前から電車で出かけた。お目当ては映画。

 

11時15分から、SPYBOYさん紹介の「あなたの名前をよべたなら」というインド映画を見た。

ETV特集『ひろしま』と京都の旅(洋館&嵐山編)、映画『あなたの名前を呼べたなら』 - 特別な1日

 

インドの(特に農村の)女性の地位の低さにはびっくりした。主人公(未亡人)が、「口減らし」のため、婚家先から召使奉公に出されたなんて、まるで封建時代の日本のようだ。恋仲になったご主人様との結婚成就へのとんでもない障壁も、まるで現代と思えない。窓から見えるムンバイの現代的風景と対照的であった。

 

近時インドの経済発展が言われるが、女性をもっと自由に活躍させた方がもっと発展できるのではないかと思った。一方で、インドの経済発展は、かつての日本の高度成長時代の「家を守る女性・企業戦士の男性」というパターンなのかなとも思った。男女の役割分担は、経済発展とは関係ないか?あるか?平等という点ではどうか?

少なくとも、仕事も家事も育児も、向き不向きは、性差より個人差というのは間違いない。また、家僕・女召使とご主人様たちの関係を見ると、インドの場合、もっと深い差別の根があると思った。

 

映画の筋立てとしては単純で、私は途中で「二人でアメリカに行けばいいのに」と思っていたら、ご主人様はアメリカへ行くことになった。愛する二人はどうなるか?ラストを見る限り、二人で行きそうだ。

 

この映画は、インド女性の自立を目指す姿を描いたものともいえそうだ。頑張れインドの女性たち。

 

インドの風俗・社会の一端が面白かった。今回の映画で、インド人女性をまともに長時間見たが、美しいと思った。また心の動きは、人皆同じと思った。(当たり前のことではあるが)

 

ムンバイの経済発展と美しい夜景。それと対照的な非人間的慣習・生活、貧困の存在。それは、先進国でも、ロシアでも中国でも同じだろう。格差が小さいと言われてきた日本でも同じだろう。東京の美しい夜景とその下にある格差・貧困・差別。

(以下引用)

 

第1-3-39図 相対的貧困率の国際比較(2010年)

 (引用終わり)

相対的貧困率=その国(集団)の全所得の中央値の半分以下の人の割合)

かつては一億総中流なんて言われた日本の、面影なし。格差が大きい国となった。

一人当たりのGDPではどうか。 

(以下引用)

1人当たりGDPランキング(1990年・2000年・2010年・直近)

国別1人当たりGDPのランキングです。

1990年、2000年、2010年、直近のデータを掲載しています。

それぞれ50位までのランキングに加えて主要新興国のデータも掲載しています。

1人当たりGDPは各国の成長レベルを表すことから、投資を行う上で非常に参考になります。

1人当たりGDPランキング

1人当たりGDPランキング

※出所:IMF World Economic Outlook

1人当たりGDPの基準(先進国・新興国)

1人当たりGDPがいくら以上だと先進国といった明確な基準はありません。

(引用終わり)

 一人当たりのGDPで世界順位がどんどん下がって、しかも格差が大きくなっている、やばいぞ日本

公債の対GDP比率(237%、2017年)では、日本はダントツ世界一。しかもうなぎ上り。

 

つまりこういうこと。 

世界でダントツに多くの借金をしても、一人当たりの所得順位は転落し続け、世界20位以下。しかも世界有数の顕著な格差、その格差の拡大傾向。・・・・日本の破たんが近いと、私は思う。

 

これは中国や韓国のせいではない。米国のせいでもない。これまでの日本全体のやり方が間違ってたのだ。一番影響の大きい事=政治で言えば、長く日本を指導してきた自民党政治が間違っていたのだ。

 

嫌韓・反中どころでないだろう。韓国や中国をけなしても、何にもならない。日本最高!なんていったってしょうがない。(最高なんて、どこに目を付けているのだ・・・)何とかしなければ。

 

国民誰もができることは、政治への参加である。(有益な発明工夫・起業・社会貢献などは誰もができることではない。それに比べ)政治参加は極めて簡単だ。それは国政選挙での投票だ。投票は、一番簡単でかつ一番強力なことである。

 

その国民が選んだ安倍政権。近頃やった内閣改造。政権は、自画自賛で「安定と挑戦」の内閣改造だってさ。

 

何にどう挑戦するんだい。お友達と在庫処理の閣僚登用って、誰の目にも明らかでしょ。お友達や在庫品って能力高いのかい。

 

目玉の小泉進次郎なんて、何か政治的実績上げてんのかい。もっとも安倍首相自身があげてないんだから、仕方ないか。

 

あ、分かったぞ。挑戦の意味が。これだ。

 

お友達登用、在庫処理。文書改竄・セクハラの財務省大親分麻生の温存、マスコミ抑え込みの高市再登用、首相の加計関与の一端を公表した文科省への圧力=萩生田そのもの登用、靖国崇拝の衛藤。これだけやっても大丈夫、国民は(馬鹿だから)、という国民を馬鹿にすることへの挑戦(苦笑)。どこまで我慢するかな?という実験が挑戦だ。

 

心配なのは文科省だ。萩生田は文科省役人が、彼の圧力を公表したことに恨みを持ち、きっと復讐するぞ。文科省役人頑張れ。現次官はダメダメ。彼を無視せよ。前川元次官のように面従腹背したらよい。あるいは法・規則を盾に、戦ってほしい。どうせ大臣も次官も長くはいないのだから。(政権交代が欲しいな)

 

 

野党やマスコミの厳しい監視を切に願う。あ、そうだ。マスコミは、またやるだろう高市の恫喝に一致して戦え。ビビるな。日本は中国や北朝鮮じゃないぞ。韓国マスコミにも負けるぞ(笑)。

 

さてまた農作業・家事・育児の日々が始まる。今日は完全に秋の空と秋の風だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

60歳代最後の夏の終わり

本日29日、南相馬の駅前交差点(原町)のスタンデイングに行ってきました。なんとわずか4名(私を含めると5名)の参加でした。原町スタンイング始まって以来、最も少ない参加だそうです。

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相馬・原町のスタンデイングが始まった、あの安保法制が問題となったころは、原町では、参加者20名を超えたこともありました。現状は寂しいです。

 

寂しく感じるのは、夏の終わりという気分も影響しているのでしょうか。

 

この夏は、10年ぶりで相馬の海に浸りました。(昨年から海水浴場再開ー原発事故のため)静岡の孫(3歳10か月)が来て、その海水浴のお相伴にあずかったわけです。彼女は、波が来ると大はしゃぎでした。楽しいひと時でした。

 

ぼんやり海を見てますと、半世紀前、自分の若かったころを思い出しました。安保条約

(自動延長)反対、佐藤内閣打倒、「沖縄を返せ」なんて叫んでデモをしたころを思い出します(大学時代)。太平洋に突き出した長い堤防の先端から一人で海に飛び込み、陸に向かって泳いだことも思い出しました。今考えればかなり危険ですね(母親にはずいぶん叱られた)

 

この半世紀、殆どいつも、政権に反対の考えを持ち、行動した(大したことはしてませんが)と思います。しかし、振り返りますと、ことごとく私の想いは実現しませんでした。敗れ続けたわけです。まあ、それでも、定年まで37年(その後3年半パート)働くことができ、現在年金生活ができているんですから、良しとしましょう。それは、戦後日本の全体の良さから滴るしずくの一滴と思います。 

 

この夏の初め、婿の実父がなくなりました。もう一度一緒に酒を飲みたかったのですが、肝臓がんが命を奪いました。・・・一緒の酒飲みは、かないませんでした。昨年の夏、我が家の孫の誕生祝いで飲んだのが最後でした。

 

定年まじかのころ、職場の大先輩に「60代は人生で一番いいときだ。仕事から解放され自由な時間があり、まだ健康で動けるから」といわれました。なるほどそうかもしれません。私だって、働かないのにヨーロッパ旅行に2回もいけたのですから。

 

その黄金の60代ももうすぐ終わりです。60代最後の夏はもう終わりました。夏野菜も、もうすぐ終わりです。少し寂しいです。ジャガイモ豊作、ナス大不作・キウリ不作。玉ねぎやや不作、ささぎ普通、とうもろこし不作、スイカ普通、トマト豊作というところかな。

 

70代はどうなります事やら。

 

さて、あすからは、たまった農作業が待ってます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

記録は大事ーNスペを見て

この夏は、なかなかに忙しく(脳の劣化もあり)、本もテレビもまともに見ることができなかった。そこで今頃になって、見てなかったNスペ録画を見ている。

「激闘ガダルカナル・悲劇の指揮官」「全貌 二・二六事件~最高機密文書で迫る」

昭和天皇は何を語ったか~初公開・秘録「拝謁記」である。

その感想を、備忘のため記しておく。

 

ガダルカナル

〇戦争には補給線(兵站)が大事で、日本軍はそれを軽視していた。

〇海軍は、極言すればミッドウエー海戦の復讐のため、陸軍を利用しようとしていて、ガ島攻略は二の次であった。そのため陸軍一木支隊を見殺しにした。海軍は自分の組織を優先し、極めて近視眼的であった。

〇米軍の機械力・戦略・戦術が格段に上だった。合理的であった。

〇一木大佐への風当たりの強さ・・・日本軍中枢(特に海軍)の戦略の誤りが、餓島(餓死者が多くこう呼ばれた)の根本原因なのにね。責任を現場に転嫁している→真実は権力側にごまかされる一例である。

 である。

二・二六事件

海軍が事前にこのクーデター計画を知っていたことにはびっくり。これは憲兵隊からの情報ゆえ、陸軍でも知ってた可能性大と思った。勿論軍の警察組織は知っていた。それでも阻止されていないので、クーデターを容認する空気が広範にあったと思われる。

一部東京市民が決起部隊に明らかに同調してたこと。それは、ぼんやりとしてはいるが、国民の空気であったと想像する。

天皇が初めから断固とした態度(鎮圧)ではなかったこと。この事件で、弱かった天皇の権威が高まったこと。それを軍部が利用したこと

〇初期段階で決起部隊に同調した陸軍大臣や真崎甚三郎退役陸軍中枢が処罰をまぬかれていて、民間右翼が重罰に処せられたのはいかにも変だ。組織防衛(軍部)のため、事実を伏せている事実は明瞭。海軍もこの事件の海軍機密資料を秘匿したことで同罪。

〇最後のシーンが印象的。現在の永田町と事件当時の永田町の同じ場所を対比させながら、「不都合な事実を隠し、戦争へも道を走った」とのナレーションは、意味深であった。私には、現政権の不都合な真実隠しが日本の将来に災厄をもたらすというメッセージと聞こえた。

 

「拝謁記」

〇やはりと思った昭和天皇は、戦争責任を感じ退位したいと思っていたことを再確認した。もしそれが実現していればよかったのに、すごく残念である。

天皇の反省の表明と退位が実現していれば、戦後日本も違っていたと思う。国民も責任一般についての態度も違っていたろう。国民も。も少し真剣に戦争責任に向き合ったに違いない。岸などの戦犯容疑者や戦争遂行勢力の復活もなかったかもしれない。

〇退位を押しとどめたのが、GHQとは知っていたが、吉田茂もそうだったとは知らなかった。残念なことである。サンフランシスコ講和条約の時、天皇が本当に入れたかった「反省」という言葉を入れさせなかったのは、彼の浅はかさである。もっと大きく日本国を見てほしかった。残念なことである。

南京虐殺のことを当時の天皇がうすうす知っていたことは、南京虐殺の存在を示す。

〇1950年段階で、「再軍備のためには9条改正が必要」という天皇の考えは正しい。「それは政治的発言故不可」という田島の意見も正しい。再軍備のため、9条改正を国民投票に懸けたら面白かった。改正の成否にかかわらず、立憲主義はもっと確立していたはずだ。

 

その他

〇「ガダルカナル」と「二・二六事件」両方に登場する富岡定俊という海軍軍人に興味をひかれた。「ガダルカナル」当時は、軍令部作戦課長として、(悪く言えば)陸軍を利用した人物である。彼は、降伏時には、軍令部長として登場する。その彼が、詳細な「二・二六事件」の海軍側資料を残してくれていたことは、興味深い。

 

〇Nスペ番組「ガダルカナル」も「二・二六事件」も「拝謁記」も、真実に迫るためには当時の資料がきちんと残されていることが大事であることを明確に示す

文書隠ぺい・改竄や答申書受け取り拒否の現安倍政権のなんと無責任なことか、犯罪的存在であることか。記録にできるだけ残さない姿勢の見える安倍政権には、早く退場してもらいたい。

 

 

 

日本人従軍慰安婦の叫び・徴用工の解決には、西松訴訟事件を参考に、またはICJに任せよう

前回の私のブログ「少女像は・・・」に対して、miyotya様から丁寧なコメントをいただき、「みよちゃ通信」の中のユネスコ研修視察「戦争遺跡巡り」(2006年)を紹介していただきました。

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夜光虫を子供たちに集めさせ、その粉末を作って米軍との戦争に使おうとしたことや花卉の栽培を禁止して花卉栽培を犯罪視したことなど、びっくりしました。戦争の馬鹿馬鹿しさを再認識しました。まったく戦争は人を狂わせます。

 

夜光虫では笑い話を思い出しました。義父が「振洋」特攻隊(神奈川県油壷)の時、夜光虫を敵艦隊と思って出撃したという話です。

 

かつて房総半島を、こちらでは「名のみ」の早春に訪ねた時、房総では花々が咲いていて、美しいと思いました。その花卉栽培が戦時下では白眼視されたこと、それでも隠れて栽培した人によって花が維持されてきたことに感銘を受けました。

 

miyotya様の戦跡巡りの文章で一番心を揺さぶられたのは、日本人従軍慰安婦の「石の叫び」という告白でした。

 

 

(引用はじめ)

石の叫び
戦後40年、ひとりの女性の告白より

「深津先生へ ・・・軍隊がいるところには慰安所がありました。看護婦とみまがう特殊看護婦になると将校相手の慰安婦になるのです。兵卒用の慰安婦は1回の関係で50銭、また1円の切符を持って列をつくっています。私たち慰安婦は死の影とともに横たわっていました。私たちは洗うひまもなく、相手をさせられ、死ぬ苦しみ。なんど兵隊の首を切ってしまいたいと思ったかしれません。半狂乱でした。

・・・戦争が終わって40年にもなるというのに、戦死した兵隊さんや民間の人のことは各地で弔われるけれど、戦争で引っ張られていった慰安婦に対する声はひとつも聞こえてきません。中国、東南アジア、南洋群島アリューシャン列島で、性的欲望のため体を提供をさせられた娘たちは、死ねばジャングルの穴にすてられ、親元に知らせるすべもない有様です。途中で足手まといになった女はほっぽり出され、荒野をさまよい凍てつく山野で食もなく、野犬か狼のエサになり骨はさらされ土になり、粉々に砕けた手足は陣地の表示板になりました。それを私は見たのです。この目で、女の地獄を・・・。

戦後40年が過ぎても健康を回復できない私ですが、今は幸せです。・・・1年ほど前から、祈っていると、かつての同僚の姿がまざまざと浮かぶのです。どうか鎮魂の塔を建ててください。それが言えるのは私だけです。生きていても、そんな恥ずかしい過去を話す人は誰もいないでしょうから・

(引用終わり)

wikiによれば、従軍慰安婦の総数もその性格(性奴隷or公娼)もその背景も様々な論があります。研究の結果の違いの大きな背景の一つは、この告白の、「生きていても、そんな恥ずかしい過去を話す人は誰もいないでしょうから」にあると思います。こんな事情ですから、実態をつかめないわけです。勿論官僚・軍関係者の証拠隠滅もあります。

 

 尚miyotya様の戦跡巡りの全文は、手記~ユネスコ研修視察「戦争遺跡巡り」とググれば見ることができます。

 

 

韓国とのこじれた関係の背景には、日本の戦後が、日本の戦前戦中の悪行を直視せずそれに対応してこなかったことにあると思います。(自民党の石破氏が近頃同趣旨の発言をしていることを知って、私は彼を見直しました)

 

韓国が従軍慰安婦少女像を建てる前に、日本人が日本・朝鮮・東南アジア全域・その他の地域出身の従軍慰安婦についての、謝罪を表すモニュメントを、もっと公式に建てるべきでした。例えば沖縄の平和の礎のように。従軍慰安婦は、前回のブログでも申し述べましたが、強者の弱者支配の典型です。人権侵害の典型です。戦後の日本がそういう観点で対処してきたならば、日韓関係はこれほどこじれなかったのでは、と思います。

(それでもいろいろ衝突はあったでしょう)

 

徴用工問題も、日本側の公式の対応(日韓基本条約・日韓請求権協定で解決済み)だけでは、やはりこじれるでしょう。韓国人の感情を大切にする何らかの対応が必要でした。

 

私は、徴用工問題は日韓基本条約・日韓請求権協定で解決済みという日本政府の理屈正しいと思います。現政府の言う通り国家間の約束ごとですから最も重視されるべきことです。それで理屈が成り立ちます。ただ植民地支配の加害者(日本)と被害者(韓国)という関係がある以上、理屈だけでは済まないのだろうと思います

 

理屈のみではだめな場合どうするか。参考になるのは、2007年中国国民が日本の裁判所に強制労働させられた賠償を求めた裁判(西松建設訴訟事件)での、日本の最高裁の判断です。同判決では、中国国民の個人請求権を否定する一方、西松建設の自主的賠償を

希望するという内容でした。

 

(引用はじめ、最高裁判決文のまとめの部分)

 5 まとめ
本訴請求は,日中戦争の遂行中に生じた中国人労働者の強制連行及び強制労働に
係る安全配慮義務違反等を理由とする損害賠償請求であり,前記事実関係にかんが
みて本件被害者らの被った精神的・肉体的な苦痛は極めて大きなものであったと認
められるが,日中共同声明5項に基づく請求権放棄の対象となるといわざるを得
ず,自発的な対応の余地があるとしても,裁判上訴求することは認められないとい
うべきである。したがって,請求権放棄をいう上告人の抗弁は理由があり,以上と
異なる原審の判断には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨
は理由があり,原判決は破棄を免れない。そして,以上説示したところによれば,
その余の点について判断するまでもなく,被上告人らの請求は理由がないというべ
きであり,これを棄却した第1審判決は結論において正当であるから,被上告人ら
の控訴をいずれも棄却すべきである。
なお,前記2(3)のように,サンフランシスコ平和条約の枠組みにおいても,個
別具体的な請求権について債務者側において任意の自発的な対応をすることは妨げ
られないところ,本件被害者らの被った精神的・肉体的苦痛が極めて大きかった一
方,上告人は前述したような勤務条件で中国人労働者らを強制労働に従事させて相
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応の利益を受け,更に前記の補償金を取得しているなどの諸般の事情にかんがみる
と,上告人を含む関係者において,本件被害者らの被害の救済に向けた努力をする
ことが期待されるところである。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 中川了滋 裁判官 今井 功 裁判官 古田佑紀)

(引用終わり)

 

勿論、戦前の中国と韓国の差はあるでしょう。強制労働と徴用工の差異もあるでしょう。しかし、戦前、日本に侵略された中国、植民地にされた韓国という、被害者という点では同じです。民間人が国策に基づいた民間会社の行為によって被害を受けたという点でも同じです。西松訴訟では、同会社が賠償して決着しました。これを参考に何とかできないものでしょうか。

 

 

また、日韓両国政府ともに、それぞれの事情から、個人請求権の存在を認めていた時期認めていない時期がありwiki 徴用工訴訟問題の項目参照)、両国の司法権の独立という観点もあり、外交上の解決はなかなか難しいと思います。国民の感情もあります。(それを利用する政権の存在もあります)

 

故に、国際司法裁判所にゆだねるのが正しいと思います。両国政府も両国国民も無心でICJにゆだねるべきです。特に両国国民が政府に働きかけるべきです。

 

徴用工問題でこじれている時に、韓国を輸出優遇国から除外するという現政権のやり方は、相手からは報復措置とみられて当然であり、利用されます。また相手をますます意固地します。世耕経産相の発言も軽率でしたが、政権全体としても失政だったと思っています。勿論両政府とも政権維持のため、国民に受けを狙っているという面があります。それに両国民が乗せられるのは全くばかげてます。

 

この問題で、安倍NO(日本NOでなく)を言う韓国民と安倍政権の支持率を高める日本国民では、韓国民の方が賢さでは上に思います。

 

ということで(?)、昨日地元のスタンデイングに行ってきました。

 

f:id:A0153:20190826151137j:plain気温も27℃くらいで風も吹いて楽でした。

小学校は2学期が始まっています。