母は食べなくなって22日だ

 母は、まともに食べなくなってもはや22日になる。まったく食べなくなってからは、12日になる。一日500㏄の点滴でのみ命を維持している。薬ももちろん飲んでいないので、心不全を抑えることができない。そのためだろうか、このところ100近い脈拍数を示すことが近頃ある。今朝は血圧が120、ところが10時には70とのこと。不安定になってきた。
やむを得ないと思うが、やはり焦る。先週先生は言った。「食べられないのだから、心臓マッサージはしない、人口呼吸はしないということをご理解ください。食べられないということなんだから、同じなのだ」と。確かに理屈はそうなののだろう。しかし、苦しい息の時そんなことでいいのかなあ。
 何日前だろうか。「俺知ってっぺ」にコックリしたのは。「パット交換するよ」にコックリしたのは。十何日前だろうか、俺の「お早う」に対して声にはならないながら「お早う」と口が動いたのは。左手や右手で顔をかけたのは、それはいつのことだったか。
 前にも言ったが、もう苦しく泣く逝ってもらうことだけが俺の願いだ。