領土問題におもう

 今日本をめぐる領土問題が噴出している。その原因とその対策について考える。
(1)原因
 評論家や野党は、首相が毎年変わる政権の不安定さや民主党政権の外交の拙劣さを言うが、それが根本原因ではない。自民党長期政権時代に、韓国による竹島
の、ソ連・ロシアによる北方領土の実効支配が進んだのであり、その末期の小泉政権時代に尖閣諸島への中国人の上陸が起きたのである。だから、国内の政治の
如何にかかわらず起きていることである。
 領土問題の根本原因は、韓国・中国・ロシアの国力の増加とその国民のナショナリズムの覚醒にある。ナショナリズムに歩調を合わせて、その三国の民意を重
視せざるを得ない政治状況=民意の目覚めにある。
(ア)国力の増加
 韓国・中国・ロシアの国力の増加について簡単に確認しておく。そのいずれの国も市場経済を取り入れ発展した。他国の資本・技術を取り入れ(3国とも)、労働力の安さを武器に(韓・中)あるいは通貨安(韓・中)を武器に輸出で稼いだ。あるいは資源・エネルギーの豊富さを利用し経済力を発展させた。(中・露)
(イ)ナショナリズムの覚醒・盛りあがりの背景・原因
   ○主因は、もちろん、国力の増加・自信というものである。
   ○それぞれの国内での格差等の不満。
    情報化による欲望の肥大化があり、それを満たしえるものと満たしえない者との格差による不満→これを政治家が自分の政治目的のため利用、あるいは対
外的ナショナリズムに目をそらすためナショナリズムをあおる
   ○近代の歴史の記憶・重み
    現在は過去の積み重ねでできている。それが現在の行動を規定するのは当然である。韓国・中国は、19世紀から第二次大戦まで苦汁の屈辱の歴史を重ね
た。韓国は、日本の思いのままにされ、果ては国の独立を奪われた。中国は、欧米列強・日本の利権争いの草刈り場となり、果ては日本の侵略を受けた。
そこからの自立に、それぞれが悲惨な内戦を経験せねばならなかった。(国共内戦朝鮮戦争
    日本のだけではないが、日本のためにひどい目に遭い、日本よりもひどい目に遭ったのである。政治家も含めて日本国民の中には、それを否定
したいという人もあり、それが韓国や中国のナショナリズムをあおることになる。ロシアには、日 露戦争の敗北というものがあるが、それは帝政ロシア
の政府の敗北であり、直接ロシア国民のナショナリズムをあおることはない。むしろ近代のロシアにとっては、日ソ不可侵条約違反、シベリア抑留という
日本に対する負い目がある。
(ウ)民意の目覚め
    韓国は、軍人政治から激しい闘争をして民主化を進めたのは周知の事実である。
    中国でも、・市場経済化・情報化・国際化が進み共産党独裁政治といえども民意 を無視できない。ロシアでもロシア革命共産党独裁否定の革命を経験
している。かつては民衆を無視できたこのいずれの国も、もはや政治は民衆の意向に左右される情勢にある。
  
    書くところがなくなったので、対策は別の日に別なスペースに書くことにする。