領土問題に思う2、対策編

他国との領土紛争の解決策は、
①戦争で決着
②話し合いで決着
③棚上げー後世に先送り
国際司法裁判所で決着
この4つしかないと思う。
 ①は、国際法違反である。国連憲章では、国際紛争は、平和的解決を原則とし、戦争は、自衛戦争のみを国連が介入する以前に限って認めているからである。
 また韓国・中国・ロシアいずれの政府と大多数の国民も戦争を望んではいない。
 日本は、戦後戦争を放棄し、戦力も放棄した(憲法)のであり、当然①ということはあり得ない。
 北方領土竹島は、それぞれロシア・韓国が実効支配しているので、日本が武力攻撃を仕掛けない限り、武力衝突にはならない。尖閣諸島はどうか。中国が自国領土と唱え、日本の実効支配に挑戦している。では、武力によって中国は、尖閣の実効支配を目指す可能性があるか。自国住民がおらず、自国民の権益があるわけでもない土地で、しかも他国(日本)の警察権が及んでいる土地への軍事力行使は、侵略と判定されるだろうから、まずないと思っていい。
 もし軍事力を行使してきたらどうか。海上保安庁の巡視船が応戦するのは当然である。
海上自衛隊は応戦するか。現憲法下でも政府解釈は、個別的自衛権はあり、自衛隊が反撃するのは、国際紛争を解決するものでないので、憲法違反でないとして、反撃すると思う。
 尖閣をどちらが支配するかその勝敗はわからないが、もし日本が勝つとしよう。中国政府と中国国民は、反日感情を高ぶらせる。日系企業への攻撃、輸出入への妨害、交流断絶。日本人逮捕などあらゆる嫌がらせをするだろう。(尖閣国有化の時を思い出せ)そしてやがて反撃する。下手をすると全面戦争になる。それは双方にとって双方の国益を大きく損なう。
 つまり戦争で決着はできないのである。
 したがって②〜④の方法しかないのであるが、③の棚上げは、問題の先送りである。戦争や対立が様々な不利益をもたらすよりはずっと良い。しかしいつ爆発するかわからない。解決には程遠い。②ができれば、それは今は現実的ではない。
 わたしは、④が日本のとるべき方法だと思う。それも、②の話し合い外交と並んだ外交の大原則としてである。今日本政府は、実効支配している韓国に対して、竹島国際司法裁判所の決着にゆだねようと言っている。いっぽうで、尖閣については、実効支配を守ろうとしている。これでは主張は弱い。
 日本は、世界に先駆けて、国際紛争は、話し合いと国際司法裁判所(IPJ)の裁定、WTOあるいは紛争を解決する諸機関の裁定に従うと宣言すると宣言する。そして世界の国々もこのようにしようと呼びかけることである。中国・韓国へもこのような提案をすべきである。世界の国々諸国民も戦争や力の支配が嫌なら、法の支配に従うしか正しい道はないのであるから。
 もし尖閣竹島北方領土も全て日本のものでないとIPJに裁定されたら、それはそれでやむを得ないのと考えてあきらめるべきである。しかし日本は、法の支配という人類の英知に従った国家という名誉を得る。世界の指導者となりうる。諸国民も「法の支配」という人類の知恵に反対はできないだろう。
 憲法前文「諸国民の公正と信義に信頼してわれらの安全と生存を保持しようと決意した」というのは、このことを言うと俺は思う。
 少なくとも戦争は回避できる。憎悪の連鎖は防げる。良心的な世界の人々の尊敬を得る。世界の平和の真のリーダーとなれる。これこそ「平和を求めるせかいで名誉ある地位」((憲法前文)そのものである。
 われらは、原爆後の世界の真のリーダーたるべきである。