軍事力に頼らない平和の方式について

(1)現在のやり方
a)外交努力、国連加入、国際条約締結、憲法の平和宣言、民間の国際協力など

b)自衛隊と米軍の抑止力で守る(軍事抑止力と言っておこう)
自衛隊憲法解釈) 
  憲法解釈を、①自国が侵略された場合のみ自衛権は認められる。②自衛隊は、自衛のための最低限の武力故憲法違反でない」として自衛隊を使って、侵略に     備える。自衛隊を強くして、侵略を抑止する(軍事抑止力)

米軍(1960年 日米安保条約
  自衛隊だけでは弱いので、日本が侵略された場合、米軍にも守ってもらう。その代わり米軍に基地を提供する。米軍は、極東で活動する

(2)現在のやり方の危険性ーb)軍事抑止力の危険性ー

「米軍に守ってもらう」という考えは、かえって危険性を増すと思う。
米国は、たとえば「尖閣」について「領有権がどちらにあるかは、判断しない。しかし日米安保条約の適用の範囲内」としている。一応尖閣が攻撃された場合日本と一緒に戦うという姿勢を見せている。
しかし、日中全面戦争になった場合、日本側に立って中国と戦うか、俺は怪しいと思っている。なぜなら米国は最終的に米国の利益で動くからである。中国との全面戦争は、米国にとって大きな不利益である。日本を守らないのは当り前のことである。他国のために、自国に不利益でも戦うはずがない。米国は、自国の利益のため米軍基地を日本に置いている。 尖閣が中国に占領された場合、米国は、「領有権は中国にありとはっきりした。よって安保条約適用外地域」なんていう可能性がある。
   
危険性を増すという理由は、以下の通り。
米軍は、極東の範囲で行動する。米国がどこかと戦争に突入した場合、日本国内の米軍基地を使用する→敵国は、日本国内の米軍基地を攻撃→日本は、米軍とともに敵国と戦う→米国の戦争に巻き込まれる。
1999年の周辺事態法は、日本が攻撃された場合ではなく、米国が戦争状態に入ったとき、公海上ではあるが、米軍に物資輸送等の応援を自衛隊のみならず、民間会社を使っても行うという法律である。そうなれば、米軍の敵国は、日本を敵と考え(当たり前)攻撃する。
戦争に巻き込まれる危険性が増す。日米安保条約及び周辺事態法は、破棄すべきである。

(3)自衛隊・米軍は抑止力となる=戦争防止=軍事抑止力という考えの危うさ
相手よりも強い力を持てば、相手は攻撃しないという考えが、抑止力である。弱いものは、攻撃しないだろうか。そんなことはない。いじめられているものが、追いつめられて攻撃に転じたなんてこともある。自分の方が正しいと思えば、自分より強いものへもかかっていく。 
戦前の日本は、米英が自分より強いと思っていても、「正しいのは自分だ」あるいは、追いつめられて自分より強い米英に戦争を仕掛けた。軍事力による抑止力は危うい。第一次大戦は、軍事力のバランスをとるため、同盟をして、どこも欲しいていない世界戦争になった。軍事力による抑止力は危うい。

(4)自衛隊で日本を守れるか、俺は守れないと思う。
日本を守るとは、日本国民の生命・財産・人権を守ることである。そのために国家が存在するのである。日本国が初めにあるわけではない。日本国民が自らの生命・財産・人権を守るため日本国を作ったのである。おっと、平安時代にも江戸時代も国民が作ったか。いやそうは言えない。戦後、日本国憲法が成立した時からである。その証拠は日本国憲法前文明治憲法下では、天皇が(実際は支配勢力が)国家や国民の在り方をきめた。戦後初めて日本国民が、国家の在り方、国民の在り方を決めたのである。そのあり方の基本が日本国憲法に明示されている。いや国民が示している。
追言すると、平安時代に貴族や庶民はいたが、日本国民はいなかった。江戸時代にも、将軍や奉行や江戸町民や○○藩の殿様や武士や農民はいたが、日本国民はいなかった。日本国民が誕生したのは明治以降である。

余計なことを言った。
さて、日本国民の生命・財産・人権を自衛隊はあるいは米軍は守れるか。現代では、核と言う小国でも持てる強力な兵器がある。生物兵器化学兵器と言う、小国でも持てる兵器がある。そしてテロ、ゲリラという戦いかたもある。ベトナム戦争では、ゲリラ戦に米国は敗れた。

もし本当に現代の戦争が本格的に戦われたらと想像しよう。
敵対国の正規軍、ゲリラやテロの一部隊が核兵器生物兵器化学兵器を使ったらどうなるか。通常兵器でも、その攻撃が、原発発電所、飲料水用ダム、レジャー施設・新幹線等交通施設、地下街の狙ったらどうなるか。国家社会の存立は不可能だろう。そのような攻撃を自衛隊や米軍をいかに強力にしても守ることはできない。(原発発電所・ダム・交通網・地下街・レジャー施設等どのぐらいあるんだろう)
では、軍事抑止力に重きを置いている人々は、なぜ敵国はそんな攻撃をしないと考えているのだろうか。
 
ここに問題の本質が隠れていると思う。
自衛隊・米軍で守ると考えている人々も、いくらなんでも、そんな一般市民へのテロ・無差別攻撃はしないだろうと考えているのだ。それを前提としているのだ。つまり武器を持たないものへの武器による攻撃はだめという100年以上前の国際ルールを信奉している。(1899年ハーグ陸戦条約以来諸国際法及び人類の常識)
9条憲法改正論者が一番敵視し馬鹿にする憲法前文の「諸国民の公正と信義に信頼し、われらの安全と生存を保持しようと決意した」を9条改憲論者も実は信用しているのである。武器を持たないものを諸国民も攻撃しないだろう、と。
これも抑止力である。(仮に人類良識抑止力とでも言っておこうか)

(5)軍事力に頼らない平和の方式について
現在のやり方の(a)については、正しい方法と思う。これを憲法の平和宣言に沿ってさらに徹底すべきである。
その方法は、
①「日本は、戦争・武力による威嚇によってではなく、国連憲章及び国際法及び憲法に従って国際紛争を解決する」と政府及び国会が宣言するのである。
政府及び国会が宣言するとは、国民が宣言することを意味する。そしてそれが日本国憲法で決めた日本国の在り方であると再宣言するのである。

再宣言とは、1947年日本国憲法施行で宣言したのであるからである。ただしその頃は占領下。しかも世界に発すると感じじゃない。このころ日本国民は、この憲法の人類史的意義なんて考えず、日々の生活に奔走していたころだから。もちろん平和の良さをかみしめながら。
今は違う。曲がりなりにもGDP世界3位、国連負担金2位の国家が宣言するのである。大きな影響を持つと思う。それに賛成する諸国民は多いと想像する。
領土問題は、国際司法裁判所に任せる。貿易関係ではWTOに任せるというように国際裁定機関に任せるという態度を鮮明にすることである。これを外交の基本とする。

②具体的には、竹島尖閣北方領土国際司法裁判所の裁定に従うという態度を明確に打ち出すことである。そしてそれを政府も国会も民間も相手の政府と国民に働き掛けることである。
裁定結果、たとえ上述の全領土を失っても、国益には合致する。相手国との交易・交流は進むだろうし、何より、全人類への紛争解決の手本を示すこととなる。これは日本国の評判を高めるだろう。
何よりも日本国民の生きる力を高める。「これから先日本には、陸軍も海軍も空軍もないのです。これを戦力の放棄と言います。・・・しかし皆さんは決し心細く思うことはありません。日本は正しいことを、他の国より先に行ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません」(「あたらしい憲法の話」昭和22年文部省著作教科書)
現在のように韓国に国際司法裁判所での裁定を主張し、中国にはそれを主張しないのは、整合性がない。正当性もない。
ロシア・韓国はこれに否定的であろう。故にこれに固執しなくともよい。しかしこの主張は人類的に正当性を持つので、世界にも、相手国国民にも絶えず呼びかけるべきである。中国はどうか。今現在の日本政府の主張より中国側にとって有利と言えるので、今より交流は進むであろう。日本国民も北朝鮮国民も中国国民も韓国国民も、国際ルールに従うということは理解できるであろう。
いや、(4)で言った通り、理解するしか人類に道はないのである。
      
③ 歴史問題をしっかり把握した政権を作るべきである。明治初年以来韓国に強圧的に望んだのも事実だし、日清戦争が侵略なのも事実だし、韓国がいやいやながら併合されたのも事実だし日中戦争以来アジアを侵略したのも事実である。
 自民党政権や維新の連中はなんで言い訳するんだ。悪いことは悪いのだ。ならぬことはならぬのだ。世界もやっていたなんては言い訳にならぬ。

戦後はそれを反省して、出発した。その決意が日本国憲法である。閣僚の靖国参拝は、日本の失敗の歴史を日本政府が否定することにつながる。なんて言ったって、政治上戦争を起こしたと考えられた人々(A級戦犯)を神として祭っているから。そして彼らを被害者として祀っているのが靖国神社だから。(この点については別に言う必要があろう)
 
とにかく、戦前の歴史を侵略の歴史と考える政権を作る必要がある。国際常識だからねえ。政府要人の靖国参拝賛成の人たちは、日米同盟強化の人たちである。しかし、米国は、閣僚の靖国参拝には批判的である。それもそのはず、ポツダム宣言サンフランシスコ講和条約の中心が米国で、靖国参拝賛成派は、そのポツダム宣言サンフランシスコ講和条約を否定的に見ているからである。ここに彼らの矛盾がある。
      
現在のやり方(b)について
         
④ 安保条約は廃棄宣言をする。廃棄方向を見せれば米国も沖縄の普天間基地なぞは無条件に即刻返すだろう。
基地は、日本の安全が高まる段階に応じて、米国を国際法に従って紛争を解決する方向にリードしながら減らしていく。(イラク戦争は、国連憲章が認めていない国際法違反。それを小泉政権は容認していた。人類を悪い方向へ一歩進めた)
廃棄の理由は、(2)〜(4)で言った通り、米軍・自衛隊で、日本国民の生命・財産・権利・幸福は守れないのだから。そして日米同盟は、米国の戦争に巻き込まれる可能性を持つだけだから。
      
⑤ 自衛隊は、専守防衛ということで存続させる。ただし、(4)で言った通り本格的には日本を守りえないので、最後の安心感として存続させる。また、労働力市場の供給を増やさないため存続させる。安全が確認されていけば、徐々に縮小させる方向で対処する。
領土問題が解決されれば、災害対応(=世界中に派遣)を基本とする組織に改編する。
そして非武装国家を目指すことを宣言する。
武装国家・都市・地域は、いかなる攻撃も受けないというのが100年以上前からの常識だから。そのことを世界中に宣伝する。
      
自衛隊専守防衛に限定するため、PKO(国連平和維持活動)や海賊退治については、自衛隊と別組織を作る。
      
⑦やがては、東アジア相互不可侵条約さらに東アジア集団安全保障方式を作っていく。

⑧本当の国連軍が創設される場合、自衛隊を国連軍に参加させる。

 
その他
      
⑨科学技術(特に省エネ技術・環境保全技術・食糧の安全且つ大量の供給技術等)・医学技術を世界に先駆け発展させ、それで世界人類に貢献する。
 
⑩日本国民の人権・平和・民主主義・安心安全・人のつながり・豊かさ・優しさ・礼儀正しさ等をさらに進める、それを世界に広める活動をする。そのことで、世界から尊敬を得るようにする。

(まとめ)
①良く言う「抑止力」とは、軍事抑止力のことである。
②軍事抑止力は、弱いものは強いものを攻めないという前提に立っている。
③対立・衝突が、それぞれの国家民族の「正義」から起こることを考えると、弱いものが強いものに攻撃を仕掛けないという考えは間違っている。
④現代では、弱い国や民族が、強い国と対抗できる武器や戦術がある。核兵器・生物化学兵器、ゲリラ戦・テロ戦術である。「正義」に裏打ちされたテロ集団の攻撃を防ぐ軍隊はない。
⑤「優しい人、皆に役立つ人、無理を言わない人、話し合いで決めようとする人、人の意見も聞こうとする人、対立は、裁判で決めようとする人、武器を持たない人を、人は攻撃しない」というのは人類の本性であり、これが本当の戦争抑止力である。これは100年以上も前から国際法として存在する。
⑥戦後日本国民は、⑤の方向で行こうと決意した。(憲法
⑦軍事抑止力に頼る自衛隊・安保条約は、安心安全の段階に応じて廃止すべきである。