全員帰還目標について

11月11日、与党の提言を入れて、政府は、全員帰還という目標を取り下げた。

もともと、誰がいつ言うかだけの問題であったと思う。


年間1ミリシーベルトを目標とするなら、放射性物質を50分に1や20分の1にするのは難しいというのは明白だ。お金がかかるのも明白だ。しかもいったん除染したところが、しばらくすると、再び上昇する事例が多くみられるという。こんなことを考えると、帰還困難区域について、移住に対する支援という方向はやむをえぬと思う。全員帰還最優先をやめるというのもやむをえぬと思う。


これは言いにくいことであるが、大熊・双葉の人たちは事故以前原発による恩恵がかなりあった。福島県民全てにあったと思うが、地元は特に多かった。そして原発の地元でも反対運動があった。原発賛成派には、反対派の意見を十分聞かなかったという責任はある。よく考えなかったという責任もあると思う。


年間1ミリシーベルトにせよという要求をするなら、全国民の負担でそれを行うしかないのだから(税金にしろ電気料金にしろ)、欲張りすぎだと思う。


しかし、騙されて全てを失ったというのもまた事実と思う。その責任が東電に多くあるのも当然だと思う。故に東電を清算したうえでこそ、全員帰還放棄が言えると思う。



移住希望者への十分の支援と帰還希望者のため出来るだけの除染とインフラ・生活環境回復支援が必要である。


さらに言いにくいことであるが、大熊町双葉町は多くを国有化し、最終処分場建設用地にするしかないんだと思う。事故にかかわらず放射性廃棄物がすでに大量にあるのだから。どこかに作らなきゃいけないんだから。


もちろんその前提には、東電清算原発廃止、再稼働、輸出禁止があるのは当然だ。