とうとう出た!原発付近国有化ー中間貯蔵施設用地に

地元誌「福島民報」のトップニュースは、
事故を起こした福島第一原発大熊町双葉町の多くを国有地に買い上げ、中間貯蔵施設を設置するという政府の意向であった。

とうとう出たか、というのが俺の感想だ。そして、心がざわついた。不条理という言葉が頭にちらつく。


皆、分かっていたことだった。事故直後からから分かっていたことだった。
「大熊のしたじ(人たち)には、わりーげんちょも(悪いけれども)、あそごさ(あそこに)放射能持っていぐほがねがんべ(他ないだろう)。」二人・三人顔をあわせてそう言ってた。

誰もがそう思い、誰もがそう言えなかったことだった。
「双葉のしたじ(人たち)だって、はやぐ(早く)金もらって、別なとこさ家たでだほう(建てたほう)、良いんでねえの。どうせ、帰らんねんだがら(帰れないのだから)」

俺もそう思ってた。今も思っている。・・・この不条理よ。


政府は、全員帰還のため、除染すると言ってた。つい近頃まで。そうして、今日政府が発表した。「もう住むな。君たちのところ除染無理だから。放射能は出したところに持っていくから。その方が除染が進むだろう。みんなのためだ。」と言った。


政府はそう言っていいのか。



他地域の工業団地と同様、原発で地域開発しようとした双葉・大熊に罪ありや。原発がこんな風になるなんて、日本国民のどれだけが思っていたのか。皆、安全と思ってたろう。
いや何も考えてなかったろう。

確かに除染は進む。しかし、それで良いのか。・・・良いわけないだろう。金の問題じゃないだろう。大熊や双葉の人が全てを失って別なところに新しく生活を作りなおす。そんなことをしでかした責任はどこへ行った。
無意味に殺された牛への責任、絶望して自死した牛飼いへの責任はどこへ行った。





中間施設は、最終施設になる。2年前宮城や岩手の、殆ど汚染されていないようながれきを日本国民の多くが拒否したことを考えよ。
一体どこが、福島県の濃い放射性物質に汚染された自然物・人工物を引き受けるのか。・・・政府は言ってみよ。どこを最終処分場にしますと。



最終処分場にしますと何故言えないのか。それは、原発政策の失敗が明確になるからだ。何故今頃になって大熊・双葉を国有地になんて言い出したのか。大熊・双葉の人たちが帰還をあきらめ始めたからだ。批判が弱まる時を待っていたのだ。



それは、原子力村の責任をうすぼんやりとフェイドアウトしようとする狡知・奸智なのだ。


ほんとは、喜んでるんだろう。原子力村は。「最終処分場ができたぞ。よし、小泉様、最終処分場ができました。だれも住んでません。原発再稼働しましょう。」




兎追いしかの山や、小鮒釣りしかの川をけがし、我らの世代の失敗を、子子孫孫に背負わせてしまったその責任はどこへ行ったのか。


この事故がなかったとしても、放射性廃棄物は、子子孫孫にその負担を背負わせる。原発は手を出しちゃいけないことだったのだ。


自民党は政府を作り、歴代原発事業を推進してきた。安部自民党政府は、歴代自民党原発を推進し利益を得てきた人たちとそれをぼんやり見過ごした国民を代表して、後世代に謝罪するべきだ。



その謝罪とは、原発ゼロ宣言・再稼働放棄・輸出自制・東電清算である。