安倍首相の靖国参拝に反対する、政府は、全国自治体に基地受け入れの募集をすべきであった

夜勤から帰ってきた12月26日、大きな出来事を二つ聞きました。
一つは、安部首相の靖国神社参拝です。首相等の靖国神社参拝がなぜ悪いかについては、拙ブログ10月18日に私の考えを述べていますので述べません。批判的な各政党のコメントですが、社民党共産党を除いて中途半端あるいは誤魔化しと思いました。

近ごろ井上ひさしの「夢のかさぶた」という戯曲を読みました。井上氏にしては出来のいいものと思いませんでした。この戯曲は、東京裁判=戦争責任(もちろんアジア太平洋戦争)について書いたものです。戦後の天皇行幸の予行演習の場面で、主人公の一人絹子が天皇役の徳治にこのように迫ります。

> 絹子 「かしこくも天子様におかせられましては、その戦いの災いを引き起こしたご責任をいかが御考えあそばされておいででしょ      うか。」
  徳次 「・・・はい?」・・・中略・・・
  絹子 「このたびの戦でなくなられた方々の御無念は無論のこと、残された者たちの悲しみも深く、未だ涙の谷間をさまよいながら      苦しんでおります」
  徳次 「早くそれを克服して、皆が幸せになるよう望んでいます」
  絹子 「その思し召しをお叶えなさるためにも、その者たちにお一言「すまぬ」と仰せい出下さりませ。・・中略・・
  絹子 「天子さまが御責任を御取りあそばされれば、その下のものも、そのまた下のものも・・そして私たちも、それぞれの責任に      ついて考えるようになります。「すまぬ」と仰せいだされた御一言が、これからの国民の心を貫く太い心棒になるのでござ      います。御決意を!」   <

戯曲では、こう迫られた徳次(天皇役)は、「すまぬ。」「退位します。」と発言します。ここには、当時の庶民の、天皇の戦争責任に対する素朴な考えが反映していると思います。これは色川大吉が「ある昭和史」で述べていることであり、井上ひさしの思いでもあります。

さて現実には、政治上の様々な事情から東京裁判で、A級戦犯に全ての責任を背負わせました。東京裁判には、井上ひさし氏の言うごとく様々な瑕疵があるでしょう。しかし、戦争は明らかな人災です。人のやった行為の結果です。東アジア2000万日本国民350万の死者が出ました。悲しみはその幾層倍でしょう。誰かがその責任を負わねばなりません。A級戦犯に責任があるということで、世界は日本の侵略行為を許してくれました。

靖国神社は、A級戦犯を殉難者=被害者と見ています。その神社にお参りするのは、日本国はやはり過去の行為を侵略を認めたくないんだ、反省してないんだと思われます。それは日本国民にとって不利益です。

私は、当時の日本国民も責任をとっていると思っています。日本国憲法の平和主義の決意がそうです。安倍さんの憲法の平和主義をないがしろにする行為は、日本人を無責任な人間と思わせます。

も一つの点。
安倍自公政権の沖縄に対する接し方に怒りと悲しみを感じます。

参院選自民党は、沖縄選出の国会議員や沖縄自民党に圧力をかけ、普天間基地県外移設の公約を変更させました。そして、多くのお金をちらつかせて、県知事に辺野古への移転を承認するよう誘導していました。そして昨晩知事は、承認するという姿勢に変わったようです。

沖縄県民の多数の願いが現在でも、県外移設にあることを承知の上です。

私は日米安保条約(米軍)や自衛隊という軍事力による戦争抑止力を否定的に考えています。(拙ブログ7月5日、8月13日)

しかし今は、安保条約に抑止力があり、米軍基地が必要と考えましょう。

ごく少ない面積の沖縄にきわめて多くの米軍基地があるのは極めて不公平です。米軍基地が必要なら平等に日本全国で負担すべきです。ましてや沖縄に基地が多くなった理由が、アジア太平洋戦争時とその後の日本国による沖縄切り捨てにあると考えますので、道徳的責任から言っても沖縄の負担を軽減すべきなのは当然だと思います。

何故県外に移設できないか。理由は二つで、一つは日米合意だ。も一つは受け入れ先がないことだ。
まず日米合意。米国の理由は、軍事的に沖縄でないと不便だぐらいだろう。しかし「そのぐらいの不便は我慢しろ」と何故日本政府は言えないんだ。
すぐ戦争になるわけではない。緊張がかなり高まって戦争は始まるんだろう。東北にいる米軍だって簡単に沖縄や九州に来れるんじゃないか。グアムやサイパンや米本土からだって簡単に来れるんじゃないか。鳩山首相は、何故米軍に押し切られたんだ。安保条約なんてやめたっていいと米国を脅せばいいんだ。もっと日本国民は、宇宙人鳩山首相を応援すべきだったのだ。

次に受け入れ先だ。安倍政権は、3000億を7年間沖縄県に出すという。そんならまず日本全国に市町村自治体に募集をかければいいと思う。復興支援なんて言ってないで、ここから7年間毎年好きに使えるお金3000億円ずつあげます。国有地で普天間基地ぐらいの土地のある自治体のみなさん、立候補して下さいって。人口3000人の村なら一人一億を7年間もらえる勘定だ。立候補する自治体があるんじゃないか。少なくとも原発よりはいいかも。なんせ、その自治体が攻撃されるときは日本全国攻撃されるんだから。

少なくとも呼びかけるべきだ。日本国民が沖縄県民に多くの犠牲を強いてきたのが事実なんだから、政府は日本国民を代表して全国自治体に呼びかけるべきだ。
鳩山氏は、最後になって地方自治体に協力を要請した。遅すぎるのだ。秘密のうちに(こういう秘密は俺は認める。なぜならすぐ明らかになるから)彼はどこかの自治体と交渉すればよかったのだ。あるいは公然と募集すればよかったのだ。

安倍政権も沖縄自民党や沖縄知事を追いつめるのでなく、何故米国と交渉しないんだ。安保なんてやめると言えば、普天間すぐ返すとなるだろう。「日本に基地を置かせてやって金も出してやってるんだから、グアムに持ってけ」なんて言えるだろう。
沖縄県民の気持ちを理解しない日本国民が悪いんだと思う。日本国民の中に安保条約反対の意見が強ければ、米国は恐れるだろうから。3年前、沖縄のことだけで鳩山を応援すべきだったのだ。多くの国民は傍観してただろう。

何故沖縄の人たちを金であるいは負担緩和で誘導して、既に沖縄でいっぱい引き受けている、必要だが(俺はそう思ってない)迷惑なものをこれ以上押し付けるんだ。皆に必要な迷惑施設なら皆で引き受けるのが当然のはずだ。

暗い気持ちでこれから今年最後の夜勤に行ってきます。