尖閣も国際司法裁判所にまかせようー国際協調に基づく積極的平和主義ー

次の2つの短文は、約2年前に朝日新聞に投書して「没」だった拙文です。

尖閣国際司法裁判所にまかせよう
領土問題の解決には、1.力による解決、2.外交交渉、3.棚上げ、4.国際司法裁判所(ICJ)裁定があると思う。尖閣の場合現状では、2・3は、不可能である。1は、中国の武力侵略にたいして、自衛隊が撃退しても、中国国民の憎悪は消えない。尖閣国有化の時以上の反応だろう。逆に尖閣を取られても日本国民の憎悪は消えぬ。奪回に躍起となろう。故に1は、解決にならぬ。米国との同盟強化(集団的自衛権行使容認など)により中国を抑止するという方法は、米国も自国の利益優先で行動する故危うい。逆に同盟強化は、米国の戦争に巻き込まれる危険性を増す。こう考えると、竹島同様、尖閣も4しか方法はない。そこで、日本政府は、領土紛争はすべてICJの裁定に従うと宣言し、尖閣にも領土問題が存在することを認めて、ICJで決めようと中国に訴えるべきである。もしICJの裁定で日本が尖閣の実効支配を失っても、紛争のない方が国益にかなう。政府の宣言だけでなく、相手国国民にも訴える内容で国会決議をすべきと思う。
国家間紛争をICJなどに任せるというのは、世界戦争を経験した人類の知恵であり、戦争を放棄し、国の交戦権を否認した日本国民のとるべき方法である。


中国・韓国の皆さまへ
皆さまとは領土問題で対立し、その結果様々な点でお互い損していると思います。私は、領土問題は、国際司法裁判所(ICJ)に決めてもらうのが良い方法と思います。我々と同様皆さまも、隣家との土地争いを最終的には裁判所で決めてもらうように。その利点は次の通りです。
(1)どちらのものかはICJに任せて、我々は日々の生活を大切にしましょう。そうすれば、お互いの嫌悪の感情は抑えられます。
(2)ICJの裁定中は、領土問題は一種の棚上げになります。その間大いに交流を進めましょう。裁定結果が出た時は、話し合いましょう。もし裁定で有利になった国民が不利になった国民にある程度ゆずることができたなら(例えば共同管理)すばらしい。
(3)人類は世界戦争の反省のもとに、戦後、紛争のき平和的解決を原則としてきました。もし3国で、ICJ裁定に従うという方法で平和的解決をするなら、紛争解決の模範となり、人類の希望となります。日中韓3国でノーベル平和賞をもらいましょう。
戦前我が国は、自国の主張を力で通すという国策で、アジアの皆さまに多大の被害を与えました。その反省のもと、戦後日本国民は、戦争放棄憲法を中心に、紛争の平和的解決に努力してきました。どうぞ皆様、解決をICJにまかせるよう、それぞれの政府に働きかけましょう。
 
上の短文は、中国・韓国と対立激化した民主党政権の時のものです。私の考えは今も変わっていません。
その後成立した安倍政権は、自国 軍事力強化と(安保戦略・防衛大綱決定・秘密法制定・靖国参拝・教育統制・NHK統制をめざす)日米安保強化(秘密法制定・集団的自衛権行使容認・辺野古への新基地)という軍事力に重きをおいた国策を進めています。それは戦前の失敗の道(「力による自己主張」ほどでなくとも、力による解決)と思います。あきらかに中国は同じ失敗の道を歩んでいます。
わが国は失敗の先輩として、平和的解決の道をしめしましょう。

それは、世界に誇ることのできる道と思います。我が国には、そうせよと政府に命じた日本国憲法がまだある。憲法制定当時の、戦争体験を持つ多くの日本国民の意思(遺志)の結晶である憲法前文と9条がまだある。憲法の理想にそうことが伝統なんだと思う。憲法の理想を求める先に美しい国があると、私は思う。

上の「ICJで解決を」という宣言・呼び掛けこそが中国の尖閣侵略の抑止力になります。裁判できめようといっている人のものを衆人注目のなか、力で奪うのは難かしいでしょう。
はやく宣言しよう。「日本はすべての領土問題はICJ裁定にまかせる故、貴国でもそうせよと」。ロシア・韓国にICJできめようといい、中国に領土問題は存在せぬでは、話がとおらぬ。「竹島問題はない」と言っていっている韓国と同じじゃないか。我々は失敗の先輩なんだ。こんどこそ、正しい道を示そうじゃないか。

これがホントの、国際協調に基づく(安倍さんは、中韓と対立)、積極的(世界中に勧めることができる)平和主義だ。

安保・外交政策では、こんな政権が出来て欲しい。