これは、映画「二十四の瞳」の大石先生の言葉です。
昭和20年8月15日の夜の、大石先生(この当時は先生を辞めていました)とその長男大吉の会話です。天皇の終戦の玉音放送を聴いて元気のない大吉との会話です。
母(大石先生):「どうしたん。これからは子どもは子供らしく勉強できるじゃないか」
大吉:「戦争終わった。お母さんラジオ聞いたん」
母:「ああ。とにかく戦争がすんで良かったじゃないの、これからは戦死する人はいないもの。生きている人は戻って帰ってくる」
大吉:「一億玉砕じゃなかった」
母:「ああ、なくて良かった」
大吉:「母さん戦争に負けてうれしいの?」
母:「馬鹿言わんと、大吉はどうなんじゃ、お父さんもう戻ってこんのよ」
大吉:「お母さん泣かんの」
母:「お母さん泣いた、いっぱい泣いた。死んだ人がかわいそうでいっぱい泣いた」
映画「24の瞳」は、1954年制作されました。この年に自衛隊法により自衛隊が創設されました。日本国憲法下ギリギリの解釈で、自国が侵略された時の必要最小限の実力と言うことで発足しました。
今政権与党で、グレーゾーン、国連PKO、集団的自衛権の15事例で安全保障政策が協議されています。この事例はいずれも、自衛隊を使います。これらはいずれも自衛隊員の戦死が想定内です。これらはいずれも、日本国外でのことです。
この協議の結果、政府の言うとおり認めるとなれば、日本国民は、自国が侵略されていなくとも、日本国外での自衛隊員の戦死を認めると言うことになります。それでいいんでしょうか。もちろん下手をすれば、一般国民の戦死を招来するかもしれません。
私は反対です。
自衛隊員の家族に、大石先生の嘆きを再現させてはなりません。
「これからは戦死する人はいないもの。」この戦後の出発を大事にしていきましょう。