ジュリー、憲法9条を歌う

ひょんなことから、ジュリー=沢田研二のコンサートに出かけた。隣町のコンサートである。

遠くから見たジュリーであった。随分見苦しい体型になっていた。頭から足までズドン、腹ポコンだ。俺と同じ。年もほとんど同じの66歳である。
しかし、すごいなあ。アイドルが、多くの人の前であんな体型を披露するなんてすごいことだ。「かっこいい」で売った人間が、その対極の自分をさらけ出す。すごいと思う。

素の自分をだす、それはいいことだ。そんな中で、政治的主張も歌に込めた。「わが窮状」と言う歌で、憲法9条を守ろうと歌っていた。原発の歌も歌っていた。東電批判もあった。これこそ素顔のジュリーなんだと思う。

沢田研二が、9条の要請する安保政策をどのように考えるかはわからない。しかしこの歌は、2008年の歌だそうだ。2006年〜2007年の第一次安倍政権に危機感を持ったのは間違いないと思う。

沢田は、強化された安倍第二次政権に危機感を持って、今晩、この歌を歌ったのだと思う。

私も、沢田と危機感を同じくする。どうして、日本国民は安倍政権を支持するんだろう。俺には分からない。最低の内閣じゃないか。
陳腐な、目先だけの経済政策で、弱り始めた日本経済にさらなる負荷をかける内閣だと思う。人類の英知である法の支配を人の支配=ファッシズムに変える内閣だと思う。必死に守ってきた専守防衛をあっさり踏み越えてしまう内閣だと思う。戦争と平和の数直線では、明らかに戦争へのメモリを進める内閣と思う。格差を拡大する内閣だと思う。中国・韓国だけでなく、世界の良き知性から胡散臭く見られる内閣だと思う。何より良き戦後が失われる。

俺にはわからない。こんな内閣が何故支持されるのか。

9条の命ずる安保政策は、色々考えられるだろうが、決して自国防衛以外の戦争を認めないと思う。

ジュリーよ、歌ってくれ。わが9条を。9条の日本国は、自国民も他国民も決して戦争で殺さなかった。それは決して、安保条約や自衛隊のおかげじゃない。9条がなかったら安保条約・日米ガイドラインで、朝鮮でベトナムイラクで人間の血を流していたはずだ。ジュリーよ、歌ってくれ。俺の希望を。わが日本の希望を、世界人類の理想を。