「安定こそ希望」

町を散歩しますと、「安定こそ希望」というポスターをときどき見ます。

昨年夏の参院選公明党のポスターです。その参院選でも勝利した安部政権は、安定した政治運営をしてきました。衆院で3分の2を持ち、参院でも過半数をとっているので当たり前です。

安倍政権以前を思い出してみますと、小泉後の自公政権民主党政権は、毎年のように首相が変わって、不安定な政治運営でした。だから多くの国民が安定を求めて自公を支持したのは当然だと思います。

では、安定した政治運営のできる現在の状態で、何故総選挙をするのでしょうか?自公は、不安定を望むのでしょうか?そんなはずありません。結局、こう言えます。彼らは、今現在政権が不安定、あるいはこのままでは、不安定になると思ったからこそ、総選挙を打つわけです。つまり、自公は、この二年の自らの政治運営を失敗と告白しているのだと思います。

今日の朝日新聞のアンケートを見ますと、自公の政策に不満の人の方が多いが、それでも自民党支持が多いとのことです。これはどうしてでしょう。

私は、国民の安定を望む意思が、政策に反対が多くても支持する一つの要因と思います。

それでは、安定は、国民生活にとっていいことでしょうか。自民党政治が何故安定しているように見えるかと言うと、一つは、官僚主導だからだと思います。民主党は、「政治主導・脱官僚」を標榜して、官僚に様々抵抗され行き詰まり、不安定になりました。自民党政治では政官の対立が少ないと感じます。つまり官僚の言いなり、それほどでなくても、官僚と同調しているのだと思います。また民主党政治では、党内対立が激しかった。現在の自民党は、党内対立は見えません。国政の基本である安保政策の大転換に反対論が殆どないと言うのは、党内ファッショの状態なんだと思います。

党内での真剣な意見対立がない党は、安定するでしょうけれど、それはいいことでしょうか。官僚と意見が同調するばかりの政策は良い政策でしょうか。

異論は多いと思いますが、私は、党内で激論がある政党や官僚ともぶつかる政党の方が、国民生活にとってよい政党と思っています。正しいことなんて簡単に決まらないと思いますので。その意味では、党内対立や衆参のねじれや政官の対立があった方がいいんじゃないかと思います。