自民党の『「平和安全法制」に関するQ&A』への疑問・批判、そして総選挙を要求する。

(1)集団的自衛権をあたらしく認める根拠は、「安保状況の一層の厳しさ」と言っている。(前文、問1、問2、問5、問17、問28)
悪化は、いつと比べてか、米ソ冷戦時代、日中国交のない時代よりも悪化したと言えるのか?私は改善したと考える。冷戦時代や、1972年以前(日中国交回復)は、個別的自衛権と厳密な意味での安保条約(日本領域を攻撃された場合のみ日米共同で対処)で対応していた。今でも個別的自衛権と厳密な意味の安保条約だけで十分じゃないか。もし米国が日本も集団的自衛権行使をしなけりゃ、日本を守らぬと言うなら、安保条約は嘘であり、即刻廃止すべきである。

中国の膨張主義はある。それは、集団的自衛権行使で対応するのが賢いのか?私は、国際法のルールに引き込む政策の方を中心にすべきと考える。
得か損か?私には、損の方が大きいと思われる。集団的自衛権行使とは、仲間がやられたら一緒に自分も戦うぞと言うことである。それは抑止力強化と言うプラス面と仲間の戦争に自分も参加すると言うマイナス両面がある。抑止力強化のプラス面についてだが、米国の軍事力だけで十分中国に対抗できる。だから、日本も米国と一緒に戦うぞと言う宣言の抑止力強化のプラス面は極めて小さい。一方米国の戦争に参加するというマイナス面が大きいと判断する。問12の答えで、断るのは当然というなら、何故普天間を断ることが出来ないのか。沖縄県民を見捨てても、米国のいうなりと言うのが自民党政府じゃないか。
なお、一緒に戦うぞと言う宣言は、軍拡競争になる可能性が高い。問25で、「無制限な軍拡につながるようなことはない」といっているが、この答えは、無制限でなければ、軍拡になると言う答えでもある。
米国は、法の支配より力が正義と言う国家である。(それは、国連安保理の承認なしにイラク攻撃をしたことで良くわかる)米国との深い関係は危ない。その点中国も同じ傾向がある。米中は似たもの同士の、身勝手な無法な国家である。米国とは、厳密な安保条約の範囲内で付き合えばいい。基地を置いてやっている。何も引け目を感じる必要はない。それを、ホイホイと一緒に戦いますよ、なんて馬鹿なことを言いだして、・・・また同じことを言っちゃった。
北朝鮮については前ブログで言及したので省略。

(2)国際平和支援法が必要だという理由を、問7で、湾岸戦争をきっかけに「国際貢献・人的貢献」の必要が高まり、と言っている。
どうして必要が高まったのか、それを説明していないので、説明になっていない。それも当然である。思い出そう。人的貢献を要求したのは、米国であった。ショーザフラグ。ブーツオンザグラウンド、それで小泉氏首相は、サマワ自衛隊を派遣した。この安保法制改正は、米国のいいなりと言うことが明白となる。人的貢献は、自衛隊以外にいろんな貢献がある。自衛隊で貢献するばかりが能じゃない。
戦争をしない国と言うことが貢献をやりやすくしたとアフガニスタンで井戸掘りの貢献をしている中村哲さんは言っている。(岩波ブックレット憲法を変えて戦争をしようと言う世の中にしないための18人の言葉)日本が米国の軍事的応援に出ることは、中村さんたちの国際貢献をしにくくする。

(3)問8で「戦争をする国にしない」問9で「戦争立法ではない」、問11で「他国の戦争に巻き込まれない」問14で「平和から遠ざからない」問15で平和憲法は破壊されないと言っている。しかし、1999年(周辺事態法制定)より以前の通り、「後方支援はしない」、「米国への攻撃があった場合でも、日本は軍事力で応援しない」「日本国領域内の日本及び米軍基地への攻撃の時のみ戦う」(安保条約)の状態の方が戦争に遠いんじゃないか。


(4)問10で「徴兵制はない」その理由は憲法にこう書いてあるからと言っている。しかしこんなの、解釈でなんとでもなる。なんせ「集団的自衛権は行使できない」と言っていたのに、「行使できる」と解釈変更したんだから。「状況が変わったので徴兵制が出来ることになった」と言うよ。そういう政権なんです。

(5)問16で解釈改憲ではないという。「憲法で他国のためには戦えない」と言っってきたのを「戦えると変えた」のは、憲法を変えたことだろう。解釈で憲法を変えたのである。嘘である。

(6)問17で急いでいるため、憲法改正では時間がかかるので解釈でやったと言っている。急いでいれば、ルールを無視してもいいのか。俺は状況から急いでいて、速度オーバーで、罰金取られたぞ。

(7)問21で自衛隊も場合によっては(新三要件を満たせば)、海外でも武力行使もあると認めている。それは憲法9条違反である。違反の法律を作っても無効である。憲法に「国際紛争を解決する手段としての武力行使は放棄」とある。海外で武力を行使するのは、国際紛争じゃないのか。ましてや、米国の日本国外での武力行使は、国際紛争じゃないのか?誤魔化しそのものである。

(8)問22で「海外派兵は一般に許されない」と言う原則は変わらないと言うが、新三要件を満たせば海外派兵すると言っている。
原則は変わったのだ。嘘を言っている。

(9)問26で、グレーゾーンの場合、警察・海上保安庁に加えて切れ目のない対応のため、自衛隊も動かすと言っている。私は、自衛隊を動かすべきでないと思う。グレーゾーンは、不法行為なので、警察・海上保安庁と言う警察行動と外交政策で対抗すべきである。
他国の国家権力発動としての行為に対して自衛隊は行動すべきなのである。この場合切れ目のない対応は、国家権力行使の国家間戦争になる。切れ目があるべきなのだと思う。

同じことどもをまた言った。飽きた。また、くたびれた。続きはこの次とする。国会議員よ、マスコミよ、学者よ。しっかり議論してくれ。そして国民にわかりやすく説明してくれ。

そして話が煮詰まって、わかるようになったら、安倍氏よ、総選挙で信を問うてくれ。ただ、この安保法制に賛成か反対かで。提案が一括なので、一括で良い。自公案に賛成か反対かで信を問うべきである。