靖国参拝についての、この時期のいつもながらの主張

この時期の、いつもながらの主張です。いつもご訪問の皆様、読み捨ててください

(1)靖国神社への国会議員の集団参拝や閣僚の参拝を批判する。

A.靖国神社は、戦後は、一宗教法人である。国会議員の集団参拝は、公的活動である。閣僚は公人である。公人や公的活動が一宗教法人を支援するのはまずい政教分離の原則に抵触する。日本国民の中には、無宗教キリスト教の人・仏教の人・イスラム教の人・・・さなざまだからである。勿論マスコミが注視していない中で、個々人が私人として参拝することには、問題ない。好きにされたらいい。宣伝するようにやることがまずいのである。もっとも彼らも宣伝したいのであろうから、目立つようにやりたいのだろうけどね。憲法に抵触するなどという批判がなければ、外国からの批判がなければおおっぴらにやるのだろうけどね。

B.靖国神社は、戦没者を差別しつつ、且つある戦没者を一緒くたにして祀っている。ここに極めて危険な政治的意図を持つ宗教施設という特徴が見える。
戦没者の差別とは、原爆や空襲で亡くなった一般国民を祀らないこと、西郷隆盛のような国家への反逆者を祀らないことに端的に表れている。小泉首相は、A級戦犯合祀批判に対して、「死んだものはみな平等」と言ったがそれはなのである。靖国神社は上述のように差別しているのである。靖国神社は、国民に「国家に逆らわず、兵士になって戦って死んだら神になれるよ。それって正しいことだよ」ということを教えているのである。国民の命を兵士として国家に吸い上げる装置の一つである。(他の装置は、たとえば徴兵令等の法令)
一緒くたというのは、A級戦犯も、馬鹿な作戦(たとえばインパール作戦)で死んだ者も、補給を断たれ餓死した兵士も、戦局の判断ミスから、降伏の時期が遅れて死んだ兵士も一緒くたということである。A級戦犯には責任があろう。国民全体とアジアの国民に対して責任があろう。馬鹿な作戦を立てた戦争指導者には、死んだ兵士に対する責任があろう。降伏を遅らせてしまった政治指導者・戦争指導者には、無駄に死んでしまった兵士への責任があろう。一緒くたというのは、この責任を糊塗することである。責任のごまかし装置が靖国神社の機能の一つである。そのような装置である神社に公人が参拝するのは、戦争責任を誤魔化すと言う目的と言える。

B´稲田防衛大臣は、毎年終戦の日靖国神社へ参拝していたが、大臣就任後は、出張を理由にそれを避けた。本人は不満だろうけど、それは賢明である。しかし、彼女の「今の平和な日本は、故郷や国を守るため出撃していった多くの人の命の積み重ねの上にある」という言葉は、多くの事実を無視し出撃した兵士のみを重視した言葉であり、靖国神社と同じ危険な思想がある。彼女のいう兵士が出撃していったころ、国内では、衣食住に事欠きながら生活を支えた人々がいるのであり、無謀な作戦で、無駄に死んだ兵士がいたのである。上に述べたように、一緒くたにしていて誤魔化しをしているのである。また、戦後の平和は、極端な窮乏から現在の繁栄を築いた多くの人々の努力の貢献もある。「戦争いやだ」という多くの国民の声が平和を維持したとも間違いなく言えるのである。つまりは、戦後の平和の要因は、出撃した兵士に限定はできない。稲田大臣の発言は、戦前の靖国神社と同じ考えである。騙されてはいけないよ。国民よ、若者たちよ。

C.丸川大臣は、「戦没者の祀り方にはその国独自の方法があってよい。(中国や韓国が)外交問題にするのはおかしい」と発言した。この意見に賛成の人もいるだろう。A級戦犯が合祀されていなければ、外交問題にはならないかもしれない。しかし、WW2の処理として、世界と日本は、A級戦犯に戦争責任を背負ってもらうことで合意したのである。それを、戦後の出発の基礎とした。本当は、責任は天皇以下多くの国民に、軽重や質の差はあれ、あるのである。そこを無理してA級戦犯に多くの部分を背負ってもらったのである。だから、丸川大臣の発言は、戦後処理への異議申し立てであり、「なんだ日本は、あの戦争を反省してないんだな、悪いと思ってないんだな、弱いから負けたのであって、勝てばよいと思っているんだな、よし、やるか、も一度」と思われかねない発言なのである。きわめて危険な発言である。だからこれは外交問題そのものなのである。

(2)終戦記念日についての首相の言葉
首相は、昨日の戦没者追悼式でアジア諸国への「反省」と「哀悼」の言葉を述べなかった。天皇が「深い反省」と述べたのと対照的である。村山首相以来踏襲してきた「反省」がない。彼は、天皇が言ったからそれで良いと思ったわけではあるまい。言いたくないのだろう。「侵略の定義は定まっていない」という通り、戦前の日本の侵略を認めたくないのだ。他国から、日本は、あの戦争を悪いと思ってないんだ、反省したくないんだと思われる。日本の国益を損ねる人だ。お爺さんの(岸信介)のことを考えてのことなら、私的感情で行動するのであるから、公人の資格がない。国民は早く辞めさせるべきである。