ドイツは論理的/寺尾紗穂のピアノ弾き語りを聞いた

8月23日、南相馬市原町区で開催されたコスモス・カフェと言う小集会に参加してきました。主催は、カトリック原町教会で、2カ月に1回ぐらいの開催のようです。今回は、ドイツの教会の招待で「生業(なりわい)訴訟」の団長と世話人がドイツに行ったそうですが、その世話人(60才前後の女性)の方の報告です。生業訴訟とは、原発事故の加害責任と被害の回復を目指す集団訴訟です。4000人の原告がいます。私もその一人です。

報告は、「私が感じたドイツと日本の違い」というテーマでした。その話で印象に残ったことをまとめておきます。
(1)ドイツ人は、論理的思考をする。「トップ技術の日本でも原発事故を防げなかったので、原発はダメ」と考える。これは論理的。日本は、経済で考えているのじゃないか。
(2)私たちが反原発のデモをやっていたら、妨害のための大きな音楽が流れてきた。警察に通報すると、すぐに警察がやってきて、音を出さないよう指導してくれた。日本では、警察はデモを取り締まる方向に力を入れている。
(3)高校生との交流で、彼らは日本の高校生と違って、小さい時から普通に政治的な話題を家庭でしていると感じた。その話題には、タブーがないように感じた。日本人は、権力に委縮していると思った。
ドイツの高校生の質問「福島に原発が出来たのは、福島が貧しくて人が少なくて、事故が起きても被害の規模が小さいからなのですか」
ドイツの高校生の質問「福島は差別されていると思うんだけど、実力的抗議(多分デモのことか)はしないのですか」
(4)高校生と一緒に給食を食べたが、東京の高級レストランレベルと感じた。一食500円程度だけれど全て有機野菜使用。人を大切にしていると思った。
(5)郊外の畑は、どこまでも広く整然としていて美しかった。日本の荒廃した農村風景と違うと感じた。

話を聞いて、私は、「日本、『やばい』(本来の使い方で)かも」と思いました。

8月25日、「生業訴訟第20回裁判」に行ってきました。今回も原告証人尋問でしたが、私は傍聴が出来ませんでした。別会場での、催しものに参加しました。

前半は、寺尾紗穂という若い女性の、話とピアノ弾き語りでした。初めて名前を聞いた人でした。彼女は単なるシンガーソングライターではないように思いました。都立大時代、石原都知事の改革に反対した恩師の事を歌った歌(題名不明)や学生時代山谷での労働者と話した体験から作られた歌「アジアの汗」などを聞きました。「アジアの汗」は、いいなあと思ったので、CDを買ってきました。家で聞くと、どうも実際に顔を見ながら、なまで聞くのとは、大分違う感じを受けました。勿論生の方が良い。彼女は、原発労働者の話を聞いて本も出しているのだそうです。それは、原発事故前の話だそうです。サインももらえるとか言うので本を買いに行ったら売り切れでした。こんな若いうたうたいの女性もいるとびっくりしました。偉い。

後半は、大和田新と言う元ラジオ福島の名物アナウンサーの話でした。おもに震災被災者のインタビュー体験の話でした。さすがにしゃべりがうまい。感動的話を一杯聞きました。うますぎて、脚色が心配になりました。どうも俺は疑い深い人間ですねえ。

裁判の報告では、今回は、随分いやらしい露骨な国・東電弁護側の反対尋問があったようです。彼らも本気で攻撃してきている感じを受けました。勝利まで頑張ろうと誓いあって解散となりました。