高江/相馬/かっこいい女

昨日に続き原町へ。今日は、「いのちの光3.15」実行委員会主催の映画上映と座談会に参加した。
映画は、「高江ー森が泣いている」と言うドギュメンタリー映画(藤本幸久・景山あさ子共同監督)である。
沖縄県東村高江にオスプレイの離着場(ヘリパット)を造る事に対する反対運動を活写した映画である。7月11日から8月初旬までの様子である。描写は、殆ど説明を加えず、機動隊と反対派の対立を描写していく。

機動隊は、警視庁・大阪府警・神奈川県警・福岡県警などから派遣された数百名である。住民は160名とのこと。反対派の人たちは、機動隊員や警察官(沖縄県警?)自衛隊沖縄整備局員に果敢に問いかけるが、彼らは答えない。いや答えられない。困惑の表情がありありと見える。上の言いなりなのだ。自分の行動の意味も何も分かっていない。いや知ろうとしない。あのナチのユダヤ人虐殺に携わった官僚たちと同じだ。

そしてやがて、強硬な反対派の排除と基地建設開始。7月21日の夜と、7月22日朝からの機動隊による、座り込む反対派のごぼう抜きや反対派の車排除は、権力の恐ろしさを感じた。

座談会では、高江に行き短時間反対運動に参加した女性の話があった。彼女が歩いていると機動隊員が近寄ってくる。隊員の無線が女一人に(警官)一人はつけとか、女一人に5人は付けと言う命令が聞こえたそうだ。数名の屈強な警察官たちに囲まれるととても怖かったそうだ。抗議の声が震えたそうだ。・・・権力め。(権力とは、結局沖縄を差別している日本国民だ)

座談会での、ある人の発言「機動隊員は、合法的に行動している。その行動の基礎は、安保条約と地位協定である。それが合法的故、対抗できない。安保廃棄を考えるべきである。中学校の先生に言われた。権利の上に眠るなと。安保廃棄を目指すべきだ」

ある人の発言「私たちが原発事故で苦しんでいる時、各地から励ましの声が届き、力づけられた。同様に、沖縄の人たちにも、こんな集会を福島の南相馬で開いているということを知らせたい」

どちらも、なる程と思った。

映画では懐かしい歌が流れた。「沖縄を返せ」である。この歌は、沖縄返還の時に歌われたものだ。私が学生の頃、1960年代70年代初めに歌われたものだ。沖縄返還のシンボルの歌である。それが2016年の今歌われる。哀しいことだ。返還された後も、沖縄差別の実態は変わっていない。日本国民は、1%以下の面積の沖縄に70%以上の米軍基地を押し付けている。有用だが迷惑な施設は皆で引き受けるべきだ。(俺は有用と思っていないけど)米軍基地による軍事抑止力が減ったっていいじゃないか。普天間基地をなくすには辺野古基地を造れだと、使用してない北部米軍基地の返還のためにはオスプレイ基地を作れだと。どこが沖縄の負担軽減なんだ。日本国民は、いつまで沖縄の人たちに「沖縄を返せ」を歌わせるのか。未開の、理屈の分からない人を土人(原住民に失礼な言葉だ)と言うなら、内地人こそ土人だ。

再々掲

頭にきて血圧が高くなったので、わが地元相馬にとって良いニュースを。
今朝新聞に懐かしい相馬駅時刻表が入っていた。そうなんです。6年ぶりに、相馬と宮城県が鉄道線路で結ばれたのです。あの津波で、相馬の北の新地駅や鉄路が流された。今日からようやく、仙台にJRでいける。いいなあ。もしもう少し前に復活していれば私たちの旅行は、相馬駅から出発だった。残念。まあ、やむなし。京都の紅葉に合わせた旅程なので。

しかし南の方は、原発事故のため、南相馬からいわきがつながっていない。平成31年度中再開が目標とか聞いた。原発め。俺たちにいくら迷惑をかけるのだ。

旅行の話が出たついでに、いい女の話を。
旅行二日目。定期観光バスで、京都は嵐山に行った。降りたところの食堂で「まだすいてますのでどうぞ」と言う。そこで嵐山と渡月橋の見える食堂に入った。これが後で考えれば間違いのもと。確かにすいてはいた。しかし時間は、かかった。竹林の道→野宮神社天竜寺というコースを考えていたのだが、時間が足りなくなり、天竜寺だけとなった。まあ、竹林の道・野宮神社を諦めたので、天竜寺の特別拝観=雲竜図が見られた。雲竜図は何とか言う画伯の絵で、どこに行っても龍に見られていると言う面白い絵である。それを見られたのをよしとする。しかし、妻は、竹林の道と野宮神社に行きたかったので残念そうであった。今思えば、食堂に入らず、コースを回った後、パンか何かを、バスの中で食う、これが正解である。

しかし、この食堂で、かっこいい女を見た。決して美人ではない。年の頃は、30代後半から40代だろう。私たちの隣の、6人が座れる畳の席にただ一人。2合とっくりで、蕎麦をさかなに日本酒を飲んでいる。喧噪の嵐山や渡月橋なぞ完全に無視だ。嵐山・渡月橋を背に店の中を見ている。すっくと背を伸ばし、きちんと正座している。・・・かっこいい。昼日中、ただ一人、そばをさかなにきちんと正座して酒を飲む。嵐山・渡月橋と言う名所は全く眼中になく。かっこいい。こんな女、今の都会では、普通なのだろうか。