久ぶりにまとまった雨、朝井まかて「残り者」

今日は、寒い日です。炬燵がほしくなりました。季節が1か月も戻った気がします。

雨が降っています。いつ以来でしょうか。まったく思い出せないぐらい前です。・・・助かります。
というのは、畑が乾ききっているからです。この間、毎日小川の水を汲んで畑に水撒きをしました。夜中からの雨ですので、しばらくは、水汲みが必要ありません。うれしい、作物連中も喜んでいるでしょう。おっと草も喜んでるので、これから草むしりが大変ですね。

私のブログは近頃、安全保障と憲法のことばかりでした。同じ主張ばかりですけど、同じ人間なのでしょうがありませんね。年寄りの繰り言として、お笑いください。

昨晩から、今日にかけて、朝井まかて「残り者」という小説を読みました。朝井まかては、「恋歌」「阿蘭陀西鶴」「先生のお庭番」に続いて4作目です。いずれも面白く読めました。この本も、まあ面白かったと感じましたので、感想を書き留めておきます。

(1)江戸城明け渡しの時、大奥勤めの5人の女性が残って、大奥の最後を見たという設定が面白かった。ありそうもない設定ですが、大奥の最後は、きっとこんなだったのだろうなと思わせる作者の力量です。

(2)大奥の構成や機能なども詳細に描かれていまして、少し興味を持ちました。大奥は、駆け込み寺のような働きもあったのだと知りました。

(3)当たり前のことですが、人物の評価とは難しいものだな、と思いました。13代家定、14代家茂、15代慶喜の評価は、いろいろですね。

(4)感銘を受けたのは、やはり天璋院篤姫)と静寛院(和宮)です。前者は島津家から嫁にきて、後者は天皇家から嫁にきて、それぞれ嫁ぎ先の徳川家のために尽力します。普通の時でしたら、それは普通のことなんでしょうけど、徳川家の存亡の時ですからね。どちらにもお子がおりませんでした。なのにどうして、実家に戻らなかったのでしょうね。帰れない事情もあったのでしょう。女性は嫁ぎ先のに尽くすという習慣もあったのでしょう。それにしてもです。忠義を尽くさなかった多くの武士と比べて、まことに見事と思います。


(5)時代の転換期に生きた人々は大変ですね。今回の朝鮮騒動も収まっていきそうです。私もどうやら江戸時代二百数十年の太平の世の、一庶民のような生を全うできそうです。ありがたいことです。