この娘(こ)へのいじめがあってはいけない

今朝の朝日新聞投書欄に、17才の女子高校生の投書が載った。

趣旨は、題名が示すように「原発の苦しみは福島だけでいい」(題名)ということである。そこから、彼女は「原発から出るごみの最終処分場は福島でいい」、と主張している。他県に最終処分場ができたら、その県の人々が苦しむから、という理由である。

彼女の主張は、政府や福島県行政、さらに言えば、福島県民あるいは日本国民、そして私のごまかし・思考の怠慢を、白日の下にさらすものである。

先日政府は、最終処分場適地を発表した。同時に政府は、適地の一つである福島県浜通り福島第一原発・第二原発の立地する)を、候補から外すという。福島県行政も福島県民も、それを歓迎した。政府は、福島県には原発事故で迷惑かけたから、福島県は外すということだろう。元々政府は、原発事故からの低レベル廃棄物処理場の中間貯蔵施設として、双葉・大熊の土地を買収または、借り上げをしている。それは最終処分場ではないという約束で進めている。だから、私はこの話を聞いて、なるほどと思った。


しかしである
福島県も含めて、どこか最終処分場を引き受けるところがあるだろうか?思い出そう、事故直後、低レベルの放射性廃棄物の押し付け合いをしたことを。今度は、何万年も保管しなきゃいけない高濃度の廃棄物である。引き受けるところはないと思う。だから、国や県や県民や国民は、ごまかしているのである。先送りしているのである。怠慢なのである。この女子高校生よりも卑怯なのである。
まじめに考えよう。原発から出た高濃度放射性廃棄物を最終的にどこに保管するか?

正直言って、わからない。でもこれは、はっきりわかる。「再稼働は出来ない。原発は早期0」は、わかる。多くの国民も、これはわかると思う。誰も引き受けたくないものを、これ以上作っちゃいけないということ。現在、最も深く考えて、全体に対して責任を取るべき政府が、考えもしないで、再稼働を進めている。この無責任な現政権を、応援してはダメということは、分かると思う。

この女の子は、福島県でいい、という。彼女の考えを想像すると、事故で出た超高濃度汚染であるデブリから発想していると思う。デブリは、どこにもっていけないだろう。では、他の原発から出た高濃度廃棄物も引き受けるか?明言はしてないが、彼女は、これも引き受けるべきといっている趣旨のようだ。

私はどう考えるか。政治的なこと(例えば金目)は考慮外である。他国及び自主的引き受け地の出現も、非現実であるので考慮外である。核燃サイクルも非現実的で考慮外である。放射能無害化技術も、非現実的で考慮外である。

私の考え
デブリ及び原発事故からの低濃度・高濃度廃棄物は、第一原発敷地内及び双葉・大熊の中間貯蔵施設で保管する。第二原発廃炉にする)の高濃度廃棄物も同様に保管する。福島県から出たものは、福島県が引き受けるのはやむなしだ。ただし、(1)国・東電は原発事故の責任を認めること、(2)再稼働をしないという政策と早期の原発ゼロ政策確定(法律で、または憲法改正で)(3)自主・強制避難民・逃げなかった人、すべての関係者の完全な生活保障が条件である。

他県の原発で出る高濃度放射性廃棄物を、福島県が引き受けるか?それは、引き受けるべきではないと思う。原発からの廃棄物は、国とその立地道県で処理すべきである。良くも悪くも、立地道県で引き受けた責任があるのだから。それを福島県が引き受ければ、他の立地道県は、無責任になる。勿論、立地道県全体で、非立地都府県にも、「何らかの形で引き受けろ」ということを言うのは、大いに良い。彼らも電力を供給してもらった受益者なのだから。
私の考え、終わり

さて心配なのは、この女子高校生が、学校やネットでバッシングを受けないか、ということである。

政府と福島県行政と多くの福島県民は、最終処分場は県外へということで考えている。それは、建前上なんだけれど。実際は、「福島県で出たものは福島県で」と思う県民も多いと思う。しかし、他県で出たものも引き受けるというのは、ごく少ないだろう。だから、この福島県在住の女子高校生は、「お前考え間違っている」とバッシングを受けるかも知れない。いじめられるかもしれない

しかし、彼女は、自分で一生懸命考えて、自分の意見を発表した自分でまったく考えない国民や生徒が多い中で、とても立派である。考えていても、自分の意見を言わない国民や生徒が多い中で、とても立派である

正しいことなんて、簡単にはわからない。いろんな考えをぶつけ合い、冷静に考えあうことで、少しは正しいことに近づけるだろう。その基本は、自分で考え意見を言うことだ。その点でこの女子高校生は、立派である。この人に対して、決して、バッシングやいじめがあってはいけない。

名前が珍しいのが心配だ。○○子という現代では珍しい名前だから、特定されるかもしれない。だから学校での、いじめが心配だ。一方でこの名前から、これは仮名かな、あるいはこの投書そのものが、再稼働賛成派の陰謀かなとも思う。仮名とか陰謀でなかったら、ごめんね。

さて今日も地元のスタンデイングに行ってきた。久しぶりに日差しがあり、湿気が多く気持ち悪い。しかし風が吹いているのが、救いである。

私たち夫婦を含めて6名参加である。このところ、隣町からの応援はない。

前に作ったものを、少し色を強くした。
(1)印パ、イスラエル北朝鮮核武装を見れば、NPT(核拡散防止条約)では、核廃絶は無理ということが明白。
(2)核抑止論は、(他の武力を使った抑止論も同様)相手の理性を前提とする故、かつ相手がいつの場合も理性を持つというのはあり得ぬことなので、論理矛盾。
(3)核の傘もまた抑止論を前提とする故、論理矛盾。
(4)核兵器は非人道的なのは明白、ゆえに使えない兵器とすべきなのも明白。
(5)非道義的核保有の9か国に立つべきか、道義的非核保有国122か国の立場に立つべきか。
(6)日本は、唯一の戦争被爆国・その悲惨さを知っている国、
以上の理由で、核兵器禁止条約を調印すべきであると思う。ヒバクシャという日本語の入った条約を、日本が締結しないでは、恥ずかしい。日本国民は、これを締結するという政府を作るべきである。

もう、ヒガンバナが咲き始めた。このところの低温のせいだろうか。いつものことなのだろうか、不明。

秋が近いとはいえると思う