「自己責任」重視は人類を滅ぼす?

昨晩のNHK特集「人類誕生」にはびっくりした。これまでの常識が覆された。

我々ホモサピエンスが生き残って繁栄しているのは、能力的に他の人類より優れていたからと簡単に言えないという。

ホモサピエンスは、同時代に生きたネアンデルタール人より脳みそ量が少なく、体力・運動能力ではかなり劣っているのだそうだ。知能では同等と言っていた。

この両人類の差については、何年か前の同じNHK特集でもやっていた。喉の骨あたりに違いがあって、ホモサピエンスはしゃべるのが得意で、それが生存競争に勝った理由、と言っていた。

昨晩の番組では、喉の骨あたりに差はなく、生活集団の大きさの違いがホモサピエンスを生き延びさせたと言っていた。ネアンデルタール人は血族中心の10人前後、ホモサピエンスは宗教を核にして数百人からそれ以上の大きい集団を作ったということだ。大きい集団を作るということは、新しい道具が発明されればそれが伝播して皆のものになる。そんな技術の伝播力が環境激変に対応できたということらしい。また大きな集団の中での食糧の融通のしあいがお互いを支えあったとも言っていた。

意思疎通・思いやりと相互の助け合いが、ホモサピエンスを生き延びさせ繁栄させたのである

ところが近頃の日本列島に住んでるホモサピエンスホモサピエンスの本能を失ったかのようだ。

生活保護バッシング、重度障害者迷惑視、沖縄差別、いじめ・パワハラ・セクハラ・マタハラ、幼稚園騒音視、極め付きは最高指導者の「こんな人達」発言かな。思いやりとか、助けあいとかないのか。皆で社会を作っているという考えはないのか。

自己責任論=自己中そのものだね。自分だけよけりゃだねぇ、「弱い奴はそいつの責任だ。おらはしらない」。「勝った者が得するのは当然だ」。

原子力村は、村の利益、財務省は省の利益優先、内閣は、お友達に手厚く。そして「ばれなきゃいいだろう。口裏合わせりゃいいだろう。言い逃れすりゃいいだろう」。「内閣を忖度するのは当然だ。官僚や民間はひれ伏せ。私たちは勝ったんだから」。

社会を構成する皆のことを考えたのが、ホモサピエンスの生存・繁栄のもとということを忘れたのか。

火垂るの墓」の兄妹が死んだのは自己責任だと?弱いものは我慢しろ、弱いものは死んでもやむなしか。子供は保護されるべきものだろ。兄妹を弱くしたのは何だ。誰だ。

こりゃー、日本列島のホモサピエンス、滅びるね。

ということで?地元のスタンデイングに行ってきた。今日は珍しい客人がいた。

左端の人は、ドイツ人。名刺には作者&ジャーナリスト、体育学博士という肩書がある。専門は「ドーピング問題」だそうだ。日本には、原発問題の取材できたというので、「日本人とドイツ人の原発についての態度の違いは?」と聞くと、「日本人が脱原発にならないのが理解できない」とのことだ。そうだろうなあ。あんな原発事故起こし、犠牲者を一杯だし、他国にまで迷惑かけても、それでも、「原発はベースロード電源、20%はお世話にならないと」という政府を作っている。


日本列島のホモサピエンスは滅んだ方がいいのかもね。