初めての船旅

2週間ぶりに相馬のスタンデイングに行ってきました。

少々日射しは強かったのですが、風が涼しくスタンデイング日和でした。私も含めて4名でした。通りがかる車からの反応はほとんどありませんでした。

今日の私のプラカードです。もう嫌になります。嘘を平然とつける人が総理大臣なんですからねえ。平然と嘘をつけるのも政治力のうちと彼は思っているのだと、私は想像します。うそつきが総理大臣の「美しい」国ですか。
内閣不支持率の方が支持率より高いのですが、どうにもなりません。

新潟知事選で自公の支持する候補者を野党が支持する候補者が破るといいんですが。今日の朝日新聞では、自公側が有利と言ってます。頑張れ、新潟の野党候補応援の人たち!


先週スタンデイングに参加できなかったのには訳があります。

4月初めの横浜・草津温泉旅行に続いて、ちと長い旅行に行ってきました。今回は初めての船旅です。仙台港から太平洋フェリーで名古屋へ、約22時間の旅です。

目的地は、伊勢神宮・鳥羽と名古屋城犬山城です。他に熱田神宮明治村も見ました。

草津良いとこ一度はおいで、どっこいしょ。・・・」と同様、一生に一度は、の「お伊勢参り」が第一の目的です。


伊勢神宮のことは、別にお話しすることにして(なかなか厄介な問題がありそうです)、旅行の周辺のことを書いていきます。


(1)節約と豪勢

交通費と宿泊費は、できるだけ抑えました。行く時のフェリーは、最低クラスの2等和室です。いわゆる雑魚寝です。これを早割りで購入しました。半額になりました。なんと一人3600円です。妻と二人で7200円でした。さすがに帰りは、一等和室にしました。これは個室です。これも早割で一人当たり8600円で購入しました。このお値段は、一応、宿泊費込みの仙台⇔名古屋の交通費と言えるでしょう。そう考えれば、格安です。

2等和室です。14人定員のところに4名でした。私たち以外は、山形からのご夫婦です。二人とも山登りが好きで、今回は中国・北九州地方の登山の旅だそうです(2週間)。百名山の完全制覇が目標で、もう50以上登ったそうです。

1等和室です。シャワー・トイレ・テレビ・部屋着・バスタオル・歯ブラシ等一通りあります。私の部屋からは海が見えませんが、海の見える部屋は2000円高になります。

伊勢と名古屋の宿泊も安宿を選びました。伊勢では、2食付き一人当たり9000円でした。名古屋では、素泊まり一人当たり7000円でした。どちらも値段も満足でしたが、内容も満足できました。

三重県伊勢市の宿泊所です。伊勢神宮の内宮(ないくう、天照大御神を祀る)のすぐ目の前の旅館です。早朝参拝(朝6時30分から8時)をガイドしてくれるというので、ここを選びました。ガイドは無料です。食事も良かった。伊勢神宮を崇拝する団体の経営らしいですが、それらしい宣伝はほとんどありませんでした。伊勢では、年中正月飾りみたいなものがあるのだそうです。

名古屋からの交通費は、JR東海の「伊勢路フリー切符」で安く上げました。明治村犬山城をセット料金で安くしました。鳥羽の真珠島の切符はネット割引です。まだまだ節約しました。一日目の昼食は、家から持参のおにぎりです。鳥羽での昼食は、400円の伊勢うどんです。

さてこんな節約をして、贅沢をしたのは、何だと思いますか。ヒント、食事です。

そうです。想像つきますね。伊勢と名古屋ですから、もちろん「イセエビ」と「ひつまぶし」です。

伊勢では、有名な「大喜」(ここの料理長は、伊勢に来た皇室関係者に料理出すぐらいの人だそうです)の「イセエビ活造り定食」5000円です。尤もイセエビは妻だけです。私は、イセエビを食べたいとは思いませんし、まして活造りは好きじゃありません。エビはわが身を食べられているのに、まだあの大きなひげを動かしているんです。俺は嫌だなあ。そういうと妻は、「食べ物は、みなどこかで生き物を殺しているでしょ」と言います。それはそうなんですけどね。

手前がイセエビ活造り、向こうが私が食べた握りずしです。

ひつまぶしです。
しゃもじが大きすぎてよくわかりませんね。4つに切って、1.そのまま、2.薬味をかけたもの、3.薬味と味汁をかけたもの、4.1〜3のうち自分好みで食べるという食べ方です。


「ひつまぶし」は、これまた有名な蓬莱軒本店です。3600円でした。まあうな丼とそれほど変わりがあるわけではありません。なんて言うと、名古屋の人に怒られそう。


名古屋では、有名な味噌カツきしめん手羽先揚げも食べましたが(こちらは特に高いというわけではありません)、特別うまいとも思いませんでした。またまた、名古屋の人に怒られそうです。

きしめんです。


(2)船旅の良さ

なんと言ってものんびりしています。時間に追われることがありません。船の中でできることしかできませんので、気がせくことはありません。
長時間船に拘束されますが、飛行機や電車と違って自由に動けまわれます。共有スペースが広く、海を見ながらの読書、ぼんやり、おしゃべりといろいろできます。

ショーを見ることもできます。行きは童謡歌手のショーでした。帰りは、ジャズピアノとベースのコンサートでした。特にジャズの方は、リクエストで演奏してくれました。ジャズは全く知りません。どなたかのリクエストで「いい日旅立ち」や「上を向いて歩こう」をジャズ風にやってくれました。「ラブミーテンダー」「テネシーワルツ」は、よかったな。

共有スペースでのアフタヌーンピアノ演奏です。黒服の方が演奏者です。夜は、ラウンジで演奏があります。それは、小さな劇場でのコンサートのようでした。

風呂もいつでも入れます。

そして、海から見た風景。残念ながら曇天でして日の出、日の入りを見ることは出来ませんでした。

伊勢湾の入り口、伊良湖水道に浮かぶ神島です。三島由紀夫潮騒」の舞台です。単純明快な若い漁師の得恋物語です。いいなあ。人生、単純明快誠実に生きたいものです。同じ三島の「金閣寺」の、あの修行学生の複雑さとひどく違います。いったい三島由紀夫とはどういう人だったのでしょう。

僚船とのすれ違いも印象深いです。

仙台へ向かう「きそ」から撮った名古屋へ向かう「きたかみ」です。どちらも16000トンで同型です。


上が福島第二原発で、下が事故を起こした福島第一原発です。カメラを拡大にしたのですが、ほとんどわかりません。両側に広がる台地(海抜30メートくらいだと思います)よりも低く原発は立地されているということがお分かりになるでしょうか。丘を削って建てたのでした。原子炉などの冷却水くみ上げのためでした。あの台地上に発電施設を設置してあれば事故はありませんでした。また非常用デーゼル発電機をあの丘に置けば、多分過酷事故はありませんでした。

(3)計画通りでないのも、またよし。
3日目になりますか。伊勢から鳥羽へ向かう朝でした。宿舎からタクシーで伊勢市駅に向かいました。余裕のはずが、そうなりませんでした。なんとわたくしめ、土日の時刻表で計画を作っていたのでした。ほんとは水曜日。
次の電車まで1時間強の時間が出来ました。そこで、伊勢市駅の目の前の伊勢神宮の外宮(げくう、天照大御神にお食事を出す豊受大御神=とようけおおみかみ、故に各産業の守り神)の参道を歩きました。前日夕方歩いたところです。

20メートルほど行くと、なんと「利き酒できます」という看板があるではありませんか。早速、わたくしめ、小原庄助さんになりました。

店の前で、通りかかる人を見ながらのんびり3種の日本酒を味わいました。至福の時です。酒に弱い私は、これで顔が真っ赤になったのでしょう。通りかかる人の目が、不審者を見るようでした。何せ、まだ9時過ぎですもの

(4)若い中国人学生との会食
鳥羽から名古屋に戻り、「ひつまぶし」を食べてから熱田神宮参拝というのが私の計画でした。地下鉄伝馬町駅一番出口を出たものの、その店が見つかりません。そこに若い男性が通りかかりました。

私「あの、ここらにある蓬莱閣というお店はどこですか」
若者「どちらから来ましたか」
私「福島です」
若者「私もわかりません。私中国人ですが、これで調べましょう」
と言って、彼はスマホで探してくれました。普通なら行き先を示して終わりなのですが、彼は親切にも、自分が先頭に立って案内してくれました。歩道橋を渡って分ほど歩きました。

私「これからひつまぶしを食べるので一緒に食べませんか。おごりますよ。」ということで、中国人の若い男性と会食となりました。

彼は、早稲田大学の大学院で国際関係の勉強をしていて、もうすぐ物流関係の会社に勤めるとのことです。旧満州ハルビンの生まれで年間日本いるとのことです。
私が、どうして中国で就職しないのかと聞くと、「それは複雑で難しい」と前置きして、
(1)日本の文化が好きだということ
(2)母親といまいち合わないということ
(3)両親には強いコネがなく、深圳にいる叔母はコネを持っているが、自分の力で就職したいこと
(4)日本で就職しないと「なんだお金を使って留学したのに能力がなかったのか」とみられること
等の理由を挙げました。
こんなまじめな中国の若い人が日本で働いてくれるのは、とても良いことです。私は、「日本で就職してくれてどうもありがとう」と感謝して握手して別れました。

それにしても中国人に道案内されるなんてなあ。日本人が日本国内でだよ。それにしても、あの中国人、まじめで親切だったなあ。・・・日本の若者、頑張れよ。大丈夫かい。