共産党系?と聞かれました

一昨日原町のスタンデイングで、終わって帰ろうとするところ、通りがかった人に

「失礼だけど、(あなた)共産党系」と聞かれました。どうやら私のプラカード

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を見てのようでした。

私「いえ、私は共産党ではありません」と言いました。(実際私は共産党の主張には賛成することが多いですが、共産党そのものは好きではありません。共産党員の人はいい人が多いけど、党の上意下達と原則主義がどうも好きになれないのです。応援はします。)

その通りがかりの人は、「1000万だって貯金できない。自分たちばかり金を使いやがって」と言って去っていきました。60代前半に見えました。

 

どうやら「年金2000万問題」に憤っているようでした。(嘘でもここは「ハイ共産党です」と言った方が、共産党にとっては良かったかなと後で思いました。しかし私は嘘が苦手なんで、そう考えていても、きっと言えなかったでしょう)

 

この「年金問題=臭いものに蓋」事案、やはり野党はチャンスです。(勿論年金問題は、どの党が政権を担っても簡単には行きません。少子高齢化・借金増大・低経済成長や格差拡大も同じですけど。)安倍政権の悪質な性格がここに象徴的に表れてます。(隠ぺい・ごまかし・嘘つき性質)

 

と思って党首討論を見てましたが、野党の追及が甘かった。それは45分という時間が短すぎるせいもあります。首相が「年金を政局にするな」というなら、予算委員会かほかの適当な委員会でじっくり議論すべきでしょう。

 

昨日は、仙台高裁の審議があった日でした。特別傍聴券をもらったので勇んでいきました。裁判は午後2時からですので、早くに電車で行って午前中映画を見ました。

SPYBOYさんご推薦の「主戦場」でした。戦前日本の従軍慰安婦問題について、その問題を否定する側と認める側両方のインタビューをまとめたものでした。広範な視点で論戦風に構成してました。

 

知識不足と脳みその回転の鈍くなった私にはよくわからなかったことがありましたが、

両論を対比しており、極めて良い映画でした。

 

よくわからなかった私は、SPYBOYさんの4月22日のブログを見ました。再見して、SPYBOYさんの深い知識と分析力・まとめる能力・感性に改めて感心しました。なるほどこういうことかと少し頭がすっきりしました。

 

この映画、お薦めします。それとSPYBOYさんのブログ、本年4月22日「当事者能力のない国で:映画主戦場」をお薦めします。(貼り付けができればいいのですがそれができないのです

 

私の感想

(1)従軍慰安婦問題の存在を否定する側(歴史修正主義者・右派・ナショナリスト)は、浅薄である。特に藤岡信勝「国家は謝罪してはいけない」加瀬英明「他者の本は見ない」という発言にその本質が表れている。彼らがこの一派の理論的支柱というのだから、この一派のいい加減さがわかる

(2)否定側は、朝日新聞の訂正や慰安婦の証言や米軍の日本兵尋問史料や国際機関の資料を使い、「慰安婦慰安婦問題はない」と言いたいようだが、映画の中で、学者などに論破されていた。彼等は全体を見てないのである。

 

彼等の考え・行動は、SPYBOYさんが言っていた自慰行為であり、その心情は、自立してない弱者が、己と国家を同一視(防衛機制の一種、「弱いやくざが、俺は何々組のものだぞ」という類)し、国家が悪いと自分の自意識がぺしゃるから、悪いことは見ない・否定する、ということだろうと思った。

 

(3)1965年日韓基本条約や2015年日韓合意は、米国の圧力でできたものという映画の主張はさもありなんと思った。故に1965年日韓基本条約はよく検討する必要があると思った。韓国側への配慮が必要と思った。徴用工問題でも然り。ただ2015年合意はうまく生育させたかった。

 

(4)従軍慰安婦について日本国民が知らないということは、慰安婦の存在をを否定することと同様大問題で、日韓両国の発展に障害となると思った。

 

(5)映画は、安倍晋三がかつてNHKの番組に圧力をかけて改変させたことに触れていた。首相となった今もその手法を隠微にあるいは公然と行っている。彼は自由主義・民主主義をむしばむ癌である。悪人である。腹ペコ青(安倍)虫が、戦後民主主義に穴をあけ、大きなさなぎとなり、毒々しい蛾になって羽ばたいているのが現状である(注「:腹ペコ青虫」は絵本、孫に読み聞かせている絵本の影響)

 

(6)「日本でも韓国でも(おそらく東アジア全域)で、家父長制の下、娘が一家のため身売りするというのは、かつてあったことで、それが従軍慰安婦の背景にある」という韓国の女性学者の意見に賛成する。この考えが日韓の国民感情の対立(あるとすれば)の解消ー慰安婦問題は女性の人権問題という視点を導き出すと思った(なんて学者風の、評論家風のえばった言い方をしました。ごめん)

 

(7)SPYBOYさん言う通り、強制性の有無は重要ではない。日本は国家として河野談話を発表していて、そこでは軍(国家)の関与を認めているからである。

 

(8)性奴隷について:奴隷という言葉の解釈の違いと思った。少なくとも従軍慰安婦は、自由意志的(そんなのがあるとするならば)売春婦ではないと思った。

(9)慰安婦20万というのは多すぎる数値と思った。しかし、数が1000人だとしても従軍慰安婦は、人権の侵害であり、国家犯罪である。

 

この映画の後、同じスクリーンで、これまたSPYBOYさんお薦めの「RBG最強の85歳」が(本年5月13日のブログ)あるのでこれも見たかったですが、さすがに高裁の特別傍聴券の顔を立ました。映画館で持参のおにぎりをかっ込んで、タクシーで高裁に向かいました。

 

午後2時開廷。5時までびっしりでした。今日の審理は、裁判官が人事異動で変わったとかで、これまでの論点整理みたいなものでした。

原告側の代理人(弁護士)は、5名分担で、国には権限があり、津波を予見できたのにしなかった責任を追及しました。また国の作った一般的賠償基準は被害の実態に合わないものであり、一審以上の賠償をするべきであると主張しました。

 

被告側は、東電が2名、国側が1名立論しました。東電側は、国の一般的基準は妥当であり、一審はそれ以上賠償を認めており間違った判断と主張しました。国側は、当時の科学的見地では津波は予見できなく、予見出来て対策を講じても事故は起こったという主張でした。双方1時間半ずつの論告で、理解不能のところが多く、くたびれました。

 

気になったのは裁判長の態度でした。謹厳という感じとは程遠く、上を向いたりうなずいたり人間的表現を結構する人でした。そして、ここが問題なのですが、東電や国側の論告にうなずく回数が多かったという印象でした。うーん、まずいと思いました。私の勘違いならいいのですが。判決は来春に出るという予想を弁護士はしてました。

 

閉廷後、タクシーで仙台厚生病院へ向かいました。我が家の婿の実父のお見舞いです。

 

肝臓がんで入退院を繰り返して半年以上になります。ずいぶん痩せてました。ものを食べたくないそうなので無理もありません。抗がん剤と栄養剤の点滴をしていました。

 

「元気なうち借金を完済出来てよかった」「長男息子が心配だ」「(うちの)孫が15くらいまでは生きたいんだけど」「死んだ方が楽だ」「ノンアルコールももう飲みたくない、楽しみが何もなくなった」などと言ってました。くわしいことも聞けず、ありきたりなことを言って、心を残して病院を去り家路につきました。くたびれた一日でした。