近頃早朝、いやな夢を見ることが多い。現役時代の夢である。
遅刻する夢と仕事を忘れていた夢と仕事に失敗したらしい夢が多い。現実には、寝坊で遅刻をしたことはない。仕事を完全に忘れていたことは、多分数回。仕事上失敗したことは、限りなくある。
もう退職から10年にもなるのになあ。
悪い夢は、大抵はぼんやりした夢だが、近頃一つだけ明瞭に覚えているものがある。上司に、ある失敗を怒られている夢だ。怒っている上司は元同僚で、私と一緒に怒られているのも元同僚である。・・・しかしこれは、事実ではない。この夢の出来事のような失敗をしたことは、ない。
「近頃悪い夢がなぜ多いか」、には心当たりがある。
例の大規模太陽光発電建設計画(相馬市玉野、130ha、60メガワット、東京の会社による経営)についての、自分の失敗を、自分が責めているのだと思う。
私は、この太陽光発電を、自然エネルギーのメリット以上に自然破壊のデメリットが多いと思って反対している。また、原発その他の大規模開発同様、都会資本による収奪だと思って反対している。
まあ、自分の判断の是非はいい。それは置いといて、
何が失敗か。
具体的に言えば、調整池の雨量に対するキャパシティについて、企業のあやふやな説明(あるいは意図的糊塗?)を追究する機会を逸したことである。
その説明会は、先月28日にあった。調整池とは、伐採される森林の代わりに、保水の役目を果たす小さなダムのようなものである。約10の設備が作られる。
説明会で会社は、50年確率(2日間で407mm、3時間で125mm・・・会社側の昨年12月の玉野地区での説明)に対応する調整池を作ると説明した。それは許認可権を持つ県の指導に従ってである。
ところが、昨年10月25日の大雨の時、50年確率125mm(3時間合計)を超えた139mm(3時間合計)が降っていたのである。あとで気象庁のデータを見て分かった。私は、ぼんやりしていた。
企業は説明会の日、約100名の市民の前で、10月25日の時間降水量を表にして説明していた。しかし合計は言わなかった。その表は、私には小さくて見えなかった。当然125mm以下と思っていた。
前もってきちんと調べて、企業を追究すべきであったのだ。
「法令上はクリアしても、実際はこれだけ降っているのだから、少なくとも139mm対応にせよ、できればもっと多い雨量に対応せよ」と追及すべきであったのだ。ぼんやりと話を聞いていた。
長蛇を逸した。
あーあ、これで、蛇の夢など、見ないといいがな。