安倍首相辞任に思う

安倍首相が本日5時の会見で、辞意を表明した。その事について感想を述べる。

(1)お疲れさんと言いたい。

(2)驚きはなかった。桜の会招待への批判や河合夫妻裁判での、間接的な政権への批判、コロナ対策の失敗等、四面楚歌であり、「嫌になっちゃうな」と思うのは、よくわかる。それでいつ辞めるのかと思っていた。

(3)彼の施策は、株価の上昇を除いて国民にとっていいことは何もなかった。

アベノミクス・・・日銀による超低金利政策、日銀の国債買受による財政出動は、インフレによる成長を目指したものであるが、インフレにはならず、成長もできず、結局国の借金を増やしただけであった。

この施策は、円の流通量を増やすことであり、その結果当然円安となり、輸出を有利にし、輸出企業を潤した。一方、輸入に頼る燃料・食料品の高騰を招来し、国民の生活を苦しくした。つまり国民生活を犠牲にし、輸出大企業に恩恵を与えた政策であった。

 

②消費税増税・・・消費税は、彼の施政下5%~10%に倍増したわけであるが、消費税の基本的性格は大衆課税である。高齢者の激増による社会保障のための税源確保は理解できる。しかし、安倍政権は法人税減税・富裕層の児孫への贈与税減税等、富裕層優遇政策であった。消費税増税をするなら、むしろ富裕層への増税をすべきであった。①②により格差が増大した。格差拡大は、国民全体の活力を奪う。

 

特定秘密保護法・・・外務・防衛等の官僚が国家の情報を国民に開示することやマスコミが情報に接近することを処罰する法律である。この法律以前に国家の情報が洩れて

国民に不利益をもたらしたということは思いつかず、かえって政権が情報を秘匿したことが、結局は国民に不利益をもたらしたと思う。この法律により、官僚・マスコミの萎縮が生じ、ますます政権の情報が国民に伝わらない。それは国民の知る権利を疎外し、

民主主義の基礎を壊す。

 

④平和安全法制(安保法制)・・・集団的自衛権行使を可能とした法制である。集団的自衛権とは、いざというときには、「日本が侵略されていなくとも」、米国と一緒に戦えるということであり、それによって抑止力強化を目指すというものである。安保法制は、日本が攻撃されていない時点で戦争に参加することである。これにより米国の敵にとっては、日本も米国同様、敵になったということである。それは、米国の敵から米国と同時に攻撃される可能性を生じさせたものである。つまりは、米国の戦争に巻き込まれる危険性が大きく増大したことである。

抑止力は、米国の攻撃力で十分であり、米国の戦争に巻き込まれる可能性があるので、安保法制は廃止すべきである。政権は、安保法制がなければ米国が日本を守らないという。それなら安保条約は嘘であり、2015年以前の安全保障体制は虚妄ということになる。安保条約が有効であるなら、安保法制がなくとも米国は日本を守る義務がある。

つまりは安保法制は、不必要かつ危険性を大きく増大した大損の法制である。日本をたたき売りした法制である。

 

③④を成立させる過程で、安倍政権が立憲主義(広い意味では法の支配、大きくは民主主義)を破壊したのは、罪深い

 

安倍外交の成果は何もなかった。

安保法制以外でも外交成果は何もなく、日本国家に損を与えたと思う。

マスコミ・評論家のなかには、トランプとの蜜月を成果という向きがある。しかしトランプは自国ファーストを標榜し、人類的課題にマイナスの施策を行う大統領である。その人の仲間というのは、安倍の施策も人類的課題に対してマイナスであって、世界的な評価を落とすものである。地球を俯瞰する外交なんて名前だけで、お金のバラマキで、何かやっている感を宣伝しただけである。

見よ。拉致問題の解決が何か進んだろうか。まったく進んでいない。

韓国・中国との外交は、相手があることでもあり、誰がやっても難しかろうが、安倍政権も進めることができなかった。むしろ後退させたかもしれない。

一番の大失敗は北方領土問題である。彼は、2島返還の方向を示し、交渉の幅を狭めてしまった。4島から2島に要求を下げる場合は、唯一、2島返還を確実にした場合のみである。もはや2島も帰ってこない可能性が極めて大きくなった。2島返還は、切り札だったのだ。それを手放してしまった大失政である。馬鹿!

 

⑥国家権力の私物化・・・森友・加計・桜を見る会・検察高官定年延長問題等々に見られる如く、国民全体の利益に奉仕すべき政権が、己の利益のために権力を濫用した。

 

⑦その他、責任があるといいながら責任を取らない等、言葉を嘘つきの手段とした。

 

(4)安倍退陣後も自民党政権が続く。自民党政権は、アベノミクス=低金利国債増発政策が失敗に終わった以上、別な政策を提示すべきである。それは野党も同様である。今後の自民政権は、安倍政権が破壊した立憲主義を再構築すべきである。それを是非お願いする。

 

(5)野党は早急に大同団結して、政権奪取ができる勢力を作ってほしい。政治に緊張感はぜひ必要である。