ささやかな人生

家の窓から隣の池が見えます。相馬のお城の中堀(内堀と外堀をつなぐお堀)です。福島県の指定史跡です。

この池が家を新築する際の大きな障害になっています。軟弱地盤をどのようにして、克服するかということです。

先日、ハウスメーカーを通じて、外溝工事会社に、擁壁が絶対倒れたり傾いたりしない

工事をお願いしたところ、なんと1440万と見積もりが出ました。

およそ10m下から砕石を積み、30センチごとにつき固め、2メートル下からコンクリートを敷いてそこにL型擁壁を設置するというのです。なるほどそれなら池の水の影響を受けないと思います。しかし、1440万ですよ。この金額は、相馬中心部で坪単価10万~15万ですから約100坪買える値段です。いやいや、言葉が出ません。とても出せる金額ではありません。

そこで、どうするか。安全性を下げてもここに建てるか、私の持っている不便なところの土地に新築するか、考えどころです。

 

このお堀の上を、桜の花びらが横に流れていきます。風のなかった昨日は、ちらりほらいはらりと、やはりはなびらが落ちていきました。

 

この月曜日から昨日まで4日間、2歳の孫と二人、桜を見に行きました。保育園に行く前のちょっとした時間つぶしです。

♪あるこーあるこーわたしはげんき、あるくのだいすき、どんどんゆこう・・♪

♪おてて、つないで、のみちをゆけーば、みんなかわいーことりになって♪

2人で手をつないで、歌を歌っていきます。犬や車が来ると抱っこです。

蓮池(お城の本丸の下の大きい池=内堀、かつて一面蓮がありました)の周りも桜です。池には花筏ができています。

蓮池の脇の坂道を登っていきますと、二の丸球場です。名前の通り、お城の二の丸を球場にしたものです。孫と二人、観覧席に座って桜を見ます。時々花びらが二人に降りかかります。ほかに誰もいません。この美しい風景を二人占めです。

私の人生の中でも第一級の幸福な時間でしょう。ささやかかな人生の喜び。


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♪花びらが散った後の、桜がとても冷たくされるように

誰にも心の片隅に見せたくないないものがあるよね

だけど人を愛したら誰でも心の扉を閉め忘れては

傷つき傷つけて引き返すことのできない人生に気が付く

(風「ささやかなこの人生」伊勢正三作詞・作曲)

 

近頃、こんな歌がしきりに思い出されます。ただ単に、散る桜に触発されて思い出した歌ですけれど、あらためて歌詞をたどると、心に痛みを覚える部分があります。

つながりのない歌詞ではありますけど。

年を取るにつれて、取り返しのつかないことを、繰り返し思い出すことが多くなるような気がします。・・・恋の暴走。

 

 

私同様、2歳のこの子も、心の扉を閉め忘れて、傷つけあい、人生は引き返せないと思うことがあるのでしょうね。(私はどこまでこの子を見てることができるかな)