本を減らそうとしています

私は今、今年夏の新居完成に向けて本を減らそうとしている。新居で私の占有できる空間が2分の1くらいに減るからだ。いや3分の1くらいだろうか。

 

 

一番多かった時に比べて、本はもうすでに5分の1くらいに減らした。

捨てる方針は、未読の本を捨てるという事であった。種類は二つ。将来も読みたいと思わない本(これが圧倒的多数)、将来読みたくなっても、図書館から借りればいい本。

 

今の方針は、かつて読んでいいなあ、と思った本、もう一度読んでみたいなあ、と思った本を捨てることである。捨てるために読んだ本の、少々の、感想を書いておく。

 

森村誠一「虚無の道しるべ」

→前半。小売業界の熾烈な争いとそこに生きる人間の苦悩は鮮烈。後半。主人公は己の誤解から愛する妻を山で失う。その償いに新しい山道を構築する努力に感動。ただ女性の処女性に固執することに無理があると思った。森村作品は、数十冊売ったか捨てた。

残った最後(多分)のこれも捨てる。

 

高橋和巳「悲の器」

→大学時代すごいなあと思った小説。題材は、日本刑法学会の重鎮の恋愛訴訟。今回は、主人公の大学者の醜さ(法を己の言い訳に使う)に辟易。途中で抛り出す。

→高橋「邪宗門」は、死ぬまで捨てない。

 

五木寛之「ソフィアの秋」(短編集)

→田舎の友人に騙される主人公と同様、私もやられたと思った。この友人の恋愛に乾杯

→五木の「青春の門」は、すべてを読んではいないが、10冊以上は読んだと思う。すべてもうない。

 

 

内田康夫後鳥羽伝説殺人事件」「平家伝説殺人事件」

→名探偵浅見光彦の登場。内田の初期の作品。読んでいるうちはやっぱり面白いなあ。話を知っていても面白いのだからなあ。うまいといえる。内田の本は、これまで数十冊捨てた。奇麗なものは売った。最後のこれも捨てる。やがて読みたくなったら、図書館で借りればいいから。

 

山田正紀「神狩り」「弥勒戦争」「神々の埋葬」

→若かりし頃、面白くて読んだ。今回読んでも面白かった。スケール大きなほら話。

→その後の山田は、何か読んだが面白くなかった。神シリーズの印象が強烈でダメなんだろう。この3冊、ぼろいので捨てる。

 

塩野七海「コンスタンティノープルの陥落」「ロードス島攻防記」「レパントの海戦

→かつて読んで面白かったが、今回読んでも極めて面白い。トルコ帝国と西欧世界の激突。どこまでが史実でどこまでが塩野の付けた塩味(司馬遼太郎新選組血風録」解説での司馬の言葉)なのかが、私のような知識不足には不明。しかし世界史教科書に出てた東ローマ帝国の滅亡やトルコ艦隊の大敗北は、このようなものだったのだろうと確信させる塩野の力量である。地中海世界の乾いた風・風景まで感じさせる。

→トルコに敵対する勢力の中心の一つであるヴェネツィア共和国には、大いに興味をひかれた。旅行したという理由もある。貿易で食っている海洋国家は、どこか日本国にも似ているという事もある。小国の軍事と外交という面でも興味をひかれる。

→よって、この三冊は断じて残す。また読むつもり。