また事故予見性か(訂正と追記あり)

TBS報道特集を見ていた。

昨年の静岡県熱海市伊豆山の土石流被害を特集していた。

20余名の死者の責任はだれにあるのか、を追求したものである。

 

番組は、前所有者と現所有者、熱海市静岡県にインタビューを試みていた。インタビューでは、所有者も、行政も、責任は自分にはない、相手にあるとお互いに、責任のなすりつけ合いをしていた。どちらも見苦しい対応である。

 

前所有者が違法な盛土をし、現所有者が10年間盛土に対して杜撰な対応しかしていなかったのは確かである。それを知りながら、県も市も適切な指導をしてこなかったのも、事実である。結局放置していたのである。

 

この番組で初めて知ったのが、静岡県に危険性を4回も指摘した人がいたことである。その音声が紹介されていた。県がこの声に応じて厳しく指導していれば、事故がなかったかもしれない。

 

最後に被害者の一人が、県や市を刑事上、民事上裁判に訴えると言っていたが、番組では、「事故予見性」という高い壁があるとコメントしていた。ドキッとした。

 

私達の福島原発事故の国の責任について、「事故予見性」が問題となったからだ。下級審ではこれを審理して判決を下していたのに、最高裁は、「事故予見性」について触れずに、国の責任を認めなかった。

 

熱海土石流裁判でも、最高裁まで行ったらこんな無責任な肩透かしの裁判になるんじゃないかと思った。

 

我々の生業裁判の第二陣は、まだ福島地裁段階である。最高裁の判決の影響が心配である。できれば最高裁まで行って、別な裁判官で、国の責任を認める判決を得たいと思う。

 

尚現所有者は、麦島善光氏(TVではB氏)で、相馬市玉野のメガソーラーの大部分の土地所有者である。麦島氏は、米国系ファンド会社GSSGに土地を貸しており、GSSGは、昨年7月15日、福島県の許可を取り、今年二月「環境保全に関する協定書」を相馬市と結び同月工事に入っている。

 

 

私は、2017年からこの計画に反対して運動もしてきたが、結局は着工を止めることはできなかった。この経過をまとめようとは思うのだが、この敗戦で気力がわかないのでそのままとなっている。

 

尚ここは、膨大な切土と盛土(熱海は5万立米、玉野は25万立米ーただし設計上、実際は100万立米という関係者もいる)をしてソーラーパネルを設置しているので、土石流の危険があると、私は思っている。

 

(訂正)盛土(熱海は、5.6万立米、玉野は、144万立米(県に提出した会社の資料))

(追記)玉野では、削った土(切土)を盛土に使う方式で、熱海は外部から搬入)

 

 

万が一の事故の時の責任追及のため、私は、盛土・切土の土質・土量計算や、洪水調整池の性能や計算基礎を、県の情報開示で取っている。会社や県がごまかしをしないためである。ただ、今から何十年後までの話しなので、私はいない。この資料をだれに託せばいいか困っている。