初スタンデイング/日本の独立幻想 「パンとサーカス」(島田雅彦)

今日は9の日。へえ、もう今年も9日も経つのか。という事で初スタンデイングに参加してきました。南相馬駅前です。

参加者は、相馬からの二人を含めて6名でした。

「わが子や孫を戦場に送るな」

集団的自衛権は戦争への道」

「敵基地攻撃能力はいらない」

なんてのはわかるんですが、

憲法9条を変えて、戦争する自衛隊に変えていいのか」

というのは、分からないな。自衛隊は、侵略されたら戦うことになっているからねえ。それは、国連憲章に認められたことだけじゃなく、憲法9条でも認めているというのが多数派の意見だからなあ。実力は、世界10位以内という評価だ。非武装という9条の解釈は、既にごく少数派の意見になってます。まあ、それでもそういう解釈もあり、そういう人にアピールというつもりなんでしょう。本人はどう思っているのかな。

寒い日でしたが、皆元気。今年も頑張るぞ、という事で一致しました。

おしゃべりで出た話では、「原発維持のため、政府は蓄電池への投資を抑えている」という事。ほんとかどうかわからないけど、ありそうだ。しかし、国家の基幹産業自動車のEV化の基本が蓄電池なので、まさかそこに投資を抑えるはずはないだろう。嘘だろう。それは国家の自殺行為だ。

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近頃私の妄想に付き合ってくれる小説家に出会った。前に「退廃姉妹」で知った

島田雅彦である。読んだ感想を少々。

 

A0153独り言:小説は,大概妄想だけど、妄想でしか言えない真実があるかも。

 

島田雅彦「悪貨」(2010年)

極めて精巧な偽の円札により、日本が危機に陥る話。偽札は、中国のマフィア資本が日本の天才技術者を使って日本国内で流通させる。そのため、日本は、ハイパーインフレと不況、さらに円安となる。

 

A0153独り言:ありえない話であるが、随所に現代日本脆弱性が描かれており心配になる。例えば中国資本による日本企業・土地の買収。中国軍の侵略を心配するより、こちらの方の心配が本筋じゃないのかな。

 

貨幣は、国家の信用がバック。日本国家の累積純債務1000兆円、日本国の信用が崩れないか。1億の国民を人質にしているが(例えばいざとなれば、増税負担させる、例えばインフレ耐乏生活させる)、人口激減でしかも高齢者多数、故に生産性低い、信用が失墜しそうだ。

 

俺は逃げきれそうだが、娘夫婦はダメだな。孫は、絶対ダメだな。今、増税(勿論お金持ちから多くとる方式、金持ち重税傾斜課税方式(笑)で、借金少々返しつつ(赤字減らして信用確保しつつ)、成長分野に投資しかないな。例えば上述の蓄電池技術。

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カタストロフ・マニア(2017年、島田雅彦

2036年、太陽活動の変化・原発事故により電力源喪失、ほぼ同時に未知の強毒性のウイルスでパンデミックが起き多数の死者が出る。指導者層はシェルターへ、他の人は狩猟採取時代あるいは江戸時代の生活へ、ちと敗戦直後の雰囲気も。実はこれ、進化したコンピュータの人類淘汰作戦であった。このコンピューターは、人の意識も支配する。おとなしく服従するか、抵抗するか。どう抵抗するか。

 

A0153独り言:この本を島田が書いているのが2016年~7年。新型コロナのパンデミックが始まったのは2020年。作家の想像力に脱帽。近頃成田祐輔「22世紀の民主主義」を読んだが、彼の結論は、「コンピュータに多くの人の願望を集めさせ、コンピューターに最適解を作ってもらって、コンピュータに指示を出してもらう」のが、民主主義、と私には見えた。うーん、22世紀人類が多すぎるのは間違いない。22世紀のAIによる最適解は、人類淘汰と出る可能性はあるなあ。(笑)

 

 

さて本題。(ここまで長すぎる(# ゚Д゚)笑)

 

日本国民の、決して表面には出ないけど、本心を描いた小説を読んだ。パンとサーカス」(島田雅彦、2022年)

 

A0153独り言:「表面には出ないこと」に、既に米国の強力な呪いがかけられている。また、服従になれた日本人の国民性が表れている。真実を見たくない、自分で考えない、そして現状に安住したい国民性。

 

パンとサーカスは、単行本557頁を費やし、日本国の米国からの独立と中国からの独立を描く。いや正確に言うと、独立の入口に立つところまでを描く。

 

大要:CIAと日本政府中枢を動かす御影が、火箱が指揮する要人殺害と政府および米軍中枢をドローン攻撃を利用して、野党政権を誕生させる。しかし元野党の政権は米国従属から脱せない。中国秘密部局が御影に接近し協力して、抵抗する保守勢力を排除する。御影・火箱・マリアとその仲間は、元野党の現政権下、日本の真の独立を目指す。

 

独立達成に働く人々:

御影寵児 空也の友人。CIAの有能な諜報員。日本政府の中枢に食い込む

火箱空也  暴力団跡継ぎ。登場人物・組織のコネクター

桜田マリア 空也の妹。預言者。的確な指示を出す。蓮華(右翼大物)の介護者

松風哲 人材派遣会社経営 火箱・御影への人材供給をする

ペヤング サイバーの天才技術者、御影・火箱に協力。世論を与党から野党へ動かす

黄昏太郎 要人殺害・テロの実行者 元刑事

石井達也 野党第一党党首 堅物なリベラル  首相となる 

砂漠谷絵里 ジャーナリスト

萩谷ソフィア 弁護士

 

A0153独り言:日米同盟を脱却するのに、作者は、預言者暴力団・CIA/内調で活躍する有能な日本人、天才技術者、堅物な野党党首、良心的ジャーナリスト・弁護士、有能なテロ実行者、を登場させる。かつこれらの人々のには協調関係がある。これは殆ど、あり得ぬことである。妄想である。

 

逆に言えば、日米同盟(私はこの言葉そのものを、米国の呪縛と思っている)は、抜き差しならぬ強固な体制である。

 

A0153独り言:かつては、著名な学者(例えば東大総長)・評論家・有力政党社会党と少なくとも国民の三分の一が支持した「安保廃棄」がもはや幻想・夢想か。

 

A0153独り言:それにしても、この小説は、日本国と日本国民の現状を容赦なく暴く。ビンビン響くなあ。

 

その一例

御影寵児(日本国民は、自らの手で真の独立を獲得できるのか?が彼の基本課題)

日本の元型は次のようなもの:外圧がないとなにも変わらず腐敗する。実質一党独裁が長く続くため、市民の政治的関心は低く、政治に期待してない。諦め。日本の官僚制度は、GHQやCIAにより腐敗、骨抜きとなっている。服従は日本人に生まれついた習性?

 

桜田マリア預言者、火箱の妹)

「国家も組織も人でない。血も涙もない、そんなものに従う必要ない」

「反乱や暴動は必要ない、服従するのをやめるだけでいい」

「すべての人を不幸にする人にいつまで服従するのですか」

「独裁者も人である限り必ず滅びる。世界は意外と簡単に変わる」

 

グレイスカイ(寵児のCIA上司、右翼の大物蓮華操と共謀し、反米テロを起こさせる)

日本は米国占領政策の唯一の成功例、故に全力でこれを維持しようとする。自由より服従を選んだものが出世する。

 

日米戦争を体験している世代は、なかなか手ごわかった。反共政策には協力したが、ホワイトハウスの言いなりではなかった。

 

首相の仕事は、国民に奉仕することではなく、米国に奉仕することだ

 

講和条約で独立したというのは幻想だ。実質アメリカの半植民地として支配されることになったのだ。首相も大臣も官僚もアメリカの統治に奉仕する地方官に過ぎない

 

火箱空也暴力団跡継ぎ。寵児の学生時代からの友人。)

刑法犯罪の裁判での陳述:

「権力を持つものが税金を私物化し、無駄遣いする一方、弱者をとことん追い詰める。違法なことをいくらやっても罪に問われない。そんな無法者をのさばらせた罪は検察官・裁判官にもある。そして彼らを支持し服従してきた無知で無関心な有権者も罪深い。

彼等は誰も傷つけない、騙したりしないし、礼儀正しい。しかし、彼等の沈黙の同意によって腐敗政治が続いたのです」

 

寒山先生(政権中枢を育てた学者。のち悔悟、米国従属の過ちに気づく)

生前葬で:官僚は、ソメイヨシノつまりクローンなんだ。私は君たちを移植した。その本体(日本国家)が腐っていたら、君たちも腐る。逃げるか、変節するか、私の言ったことを忘れるか、いずれかしかない。

 

 

ミュート(日本人、CIA要員。米中の二重スパイ、処刑される)

米は日本を守る気がない、中国と戦争する気もない、それなのに日本は、米国に従っている。集団的自衛権行使になっても米は何もする気がない。核の傘は幻想と米国指導者が言っている。中国は中距離ミサイルDF17(極超音速変則滑空ミサイル)を2千発持つ

中国に土下座してDF17の射程を外してとお願いするのがローコストの安全保障、その時

の条件は、米軍の日本からの退去、日本本土へのミサイル基地設置。遺言:テロが起きる

 

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A0153独言:タモリは、今年は新しい戦前の始まりとか言ったそうだが、戦前の始まりは、1951年講和条約、1960年安保改定、1999年周辺事態法、2015年安保法制かもしれない。その決定打が敵基地攻撃能力保有かもね。いずれにせよ、「日米同盟」が戦争を抑止するか、戦争を招くか、その解答が出される日が近づいている気がする。抑止してればいいけどね。それは、「戦争抑止か、戦争を招くか」の解答保留状態と言える。しかし、いつまで抑止する?いつまで抑止できるのか?軍事以外の抑止、安上がりの抑止を考えないとね。日本は持たないよ。

抑止には成功したが、経済破綻した、そして米中韓印アセアン諸国に日本は買われ、国民は他国による収奪に苦しむ。・・・(その一例。相馬市は、2022年メガソーラー米国ファンドに玉野の森林を食われリスクを負うこととなった。売ったのは日本国家・経産官僚・金持ち投資家そして地元地権者。それを見逃した○○の無知・無関心・無責任。)・・・やがて日本人の男工哀史・女工哀史・新からゆきさんも出現(笑)。この可能性が高い気がする。わが孫よ。現状では、敗残日本国の中で生き延びるしかなさそうだ。イヤーな生存競争の中で。