島田雅彦「往生際の悪い奴」を読みました。読み始めて、50代弁護士と彼が拾った20代無職男が、民事事件を解決していく話かと思ったら、大間違いでした。一人の女性を、この二人が、喧嘩もせず共有し、この女性もそれに応じるというものでした。一妻多夫制です。興味のある方はどうぞ。尚かなり激しいSEX描写があり、興味のある方はどうぞ、いやな方は、忌避してください。
近頃、少子化対策として、所得税にN分N乗課税方式を導入すべきという意見が、自民の一部や維新・国民民主党にありますが、私は反対です。フランスで導入されているのだそうですが、フランスの出生率の高さは、移民への寛容さ、親子に対する手厚い保護(婚外子も平等)などが理由で、税制の優遇のせいではないでしょう。
日本でも、「ははあ、子供を多く持つと、所得税が減るのか、よーし子供を生もう」なんて思うはずないでしょう。馬鹿も休み休み言ってもらいたいですね。
若者は、生活が安定して、将来に希望が持てれば、子供を育てますよ。
長年にわたって、国全体のGDPが伸びない、個人の平均年収が伸びない、実質賃金低下、先進国で最低の国の教育費支出、「生活の豊かさは、それぞれの自己責任」、なんて政治だから、子供をつくらないんですよ。この何十年にわたる自民党政治ではダメなんですよ。
私が、N分N乗課税方式に反対する理由は、所得再分配にないらないからです。金持ち優遇になるからです。
1億円の所得ある人は、現在1億円に対する累進税率がかかりますが、その人が、専業主婦の妻と子供2人いますと、1億÷4人、即ち2000万への累進税率×4となります。所得が多い人ほど得するのは、自明です。累進税率が低くなるからです。
現在日本には、借金がいっぱいありますが、お金があるところにいっぱいあります。そこから多くの税をいただいて、やっていくべきでしょう。
今日の毎日新聞論点欄に「都の太陽光パネル設置義務化」に対して、識者の賛否両論が掲載されていました。
賛成論(鈴木かずえ グリーンピースジャパン、他1名)
①今の気候危機への対策は、喫緊の課題。2020年政府も新築住宅に太陽光発電をと言ったが、義務化はしてなかった。都のこの政策が先駆けとなる。
②大都市にはダムはなく、大規模な風力発電は出来ない。住宅の太陽光発電は、都市でもできる。
③屋根は既存の開発地で、新しく土地を開発することに比べて、環境負荷が小さい
④災害時の非常用電源となりうる。
反対論(山本隆三常盤大名誉教授)
①設置義務のある一戸建て住宅を買える人は相対的に収入が多く、それを買えない人
には恩恵はない。むしろ負担が増え、貧富の差が拡大する。
②パネル処分方法が問題だ。空き家が増えている。パネル設置の空き家の処分費用を都が負担することになりかねない。
③この義務化で、都の目標の、二酸化炭素排出量の0.4%しか削減できない。効果薄い
④費用対効果が悪い。都の導入される太陽光だと、二酸化炭素削減1トン当たり約2万5千円。原発だと1700円だ。
事業用太陽光発電だと、住宅用より安い。
⓹パネルの9割が輸入。国内産業振興に寄与しない。
私は、都の太陽光設置義務化に賛成します。理由は以下に述べます。
気候危機への対応は、最重要課題であり、すべての国・自治体・個人・企業が努力すべきことである。東京都の場合、屋根にソーラーパネル設置ぐらいしか、手はない。
効果が小さくとも、費用対効果が悪くとも努力すべきことなのだと思う(反対論③④への反論)原発の安さは、建築費、設置・維持のための税金投入、テロ・事故対策費、廃棄物処分費を含んでないのではないか(④への疑問)
事業用太陽光発電は、環境破壊する可能性が大きい(例:相馬市の玉野太陽光発電、④への反論)
パネルの処分問題は、都の義務化の問題ではない。別個に考えるべき問題。(反対論②への反論)
反対論⓹については、1割でも国内産業に役立つのではないか。太陽光発電関連機器は、パネルばかりではない。パワコン・蓄電池・その他も含む。1割以上、国内産業に貢献しているのではないか。尚パネルの国産化率を高めることは出来ると思う。そしてやらねばならぬと思う。特に蓄電池能力に注力して、競争力を高め、これで国内産業を興すべきと思う。
最後に、反対論①について:元々太陽光発電の固定価格買い取り制度は、全国民負担で、太陽光発電を増やそうというものである。まず、都の問題ではない。
確かに太陽光発電に投資できる人とできない人がいると思う。しかし、この投資が損か得かなんてわからない。維持費用・撤去費用を考えると損かもしれない。貧富の格差拡大なんて言えると思えない。標準的な4KWH発電の費用は、114万だそうだが、その程度の投資で、貧富の差が拡大?
余った円を預貯金する人は、その金融機関に投資しているのであり、株や信託投資している人は、その企業(企業の組み合わせ)に投資しているのである。この教授は、預貯金もしてないのだろうか。
この教授は、二酸化炭素削減にどう対処すればいいと考えているのか。文面から見ると、原発と大規模太陽光発電のようです。いや、考えてないのかもしれません。