私の散歩人生

今、夜の8時。散歩から帰ってきた。春を感じる夜であった。暖かい。夜の散歩は、近頃では珍しい。

 

殆どは、早朝の散歩が多い。

 

早朝、相馬市を貫流する宇多川土手を、海に向かって歩くのが気持ちよい。暁から曙、夜明けと、太陽の光の変化が美しい。そして少し心躍る。勿論サングラスをかけて歩く。白内障なのである。

 

散歩は、40代半ばに始めたのだから、もう30年近くになる。

きっかけは多分、高血圧だろう。医師の「本態性高血圧」と診断されたのが40代半ばである。

 

60歳までの現役時代は、主に夜の散歩であった。帰宅後夕ご飯を食べて(酒も少々)少し落ち着いた8時ころ出発する。反射材を、肩あるいは手首に巻いて歩く。

 

退職後は、季節によって違う。真夏は、夜が多い。早朝は、畑仕事で、日中は歩くのに適さない。だから夜になる。

その他の季節は、日中が多い。景色が良いし、気分も良い。

 

ところがこの数年、朝の散歩が多くなった。3時から5時ころ、目覚めることが多いからである。いったん目覚めると、も一度眠るのは難しい。となると、本を読んだりしても時間を持て余す。そこで散歩となる。

 

高血圧には悪いんだろけど、どうせいつかは死ぬのであるから、好きなことはしたい。

 

わが母は、晩年「畑で死ねればいい」とよく言っていた。私は、畑もいいが、散歩の途中もいいかなと思っている。