「103万の壁」ついて思う

本日は、孫のお世話かつ孫が寝てたり一人でテレビを見たりなので時間があった。

それで近頃気になっている事項についてまとめてみた。

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国民民主党の大躍進で今注目されている「103万の壁」について、考えてみた。

但し、前のブログで言った通り、今もってよくわからぬ。なぜわからぬか、何を考えるべきか、これもはっきりしない。脳みその衰えを感じる。

故に、「103万の壁」への脳みその壁である(笑)

 

とはいっても、まあ、考えてみよう。

 ○○の壁という場合、壁とは普通、障害物(困ること)を指す。103万の壁という場合は、収入が103万円超えると、基礎控除+所得控除の103万円を超え、超えた分に所得税がかかるという事だ。

 

壁とは、所得税がかかるといやなので、「働きたいのだが、働かない」、それが困るということのようだ。

 

その人数は、低所得者を中心に445万人(雇用調整者数)という。(NHKおはBIZ)

 

今人手不足故、経営者側は一人でも多く欲しいのだろうから、壁を引き上げた方が良いのは間違いない。

 

しかし、所得税がかかるから働かないというのはほんとか、という疑問を持つ。例えば、103万円稼いだ人が、113万円稼ぐと、10万収入が増えその分の所得税(5%)=5000円払うのが嫌で、10万円の収入を諦める、とは考えにくい。もっと、雇用調整者数の厳密な分析が必要と思う。

 

一方、国民民主が唱えた「手取りを増やそう」という訴えはどうか?195万円以下は所得税率が5%なので、178万≒180万ぐらい働く人は手取りが9万円程度増える。113万働く人は、5000円手取りが増える。これはいいことだ。これは低所得者への減税とも言える。

 

この手取りを増やそうということが、アルバイトやフリーターをやっている若者にヒットし、総選挙での国民民主を倍増させたとは言えると思う。国民民主、頭いい!

 

しかし、壁の引き上げは、減税でもあるので、国や自治体の大きな収入源となる。国民民主党が言うように178万まで壁(無税)をあげると、国と自治体で、7~8兆円の減税という。

 

国や自治体は、税収と借金国債・地方債)で運営される。このお金は、社会保障(医療・年金等)・教育・防衛費・公共事業(道路・港湾・公園・体育館・学校建設整備等)等に使われる。

 

壁の引き上げで税収が減ったままでは済まされない。どこかから補填しないといけない。

 

例として、消費税で補填するとしよう。消費税は、1%で2兆円とか3兆円とかの収入になる。ということは、国民民主の言う通りの壁の引き上げは、消費税で補填すれば、2%から3%の消費税を引き上げなければならない。これはまた別な問題を引き起こす。

 

法人税増税贈与税相続税増税はどうだろうか、これまたいろいろ考えるべきことがある。

 

壁の引き上げは、所得税の減税だから、所得税増税で壁の引き上げ分を補填しようとするのが筋だろう。

どうするか、178万とか195万(10%の課税)以上所得のある人への課税率をあげることがまず考えられる。

 

所得税累進課税の税率は様々に変化した。ネットで見るとすぐわかる。

例えば、1974年~1984年は、最高税率8000万円以上)は、75%であった。今は最高税率は、4000万円以上45%である。現在は、過去に比べ高所得者を優遇しているのは間違いない。

 

金融所得(株式配当、株式売に対する税率は、現在20%である。これを高くする手もある。総合課税制という手もある。

 

勿論、国債の増発はまずい。現在GDPの2.6倍も国債残高があるのをさらに増やすのはまずい。これからの人が負担するのだから。ましてこれからの人はどんどん少なくなるので。しかも必ず来る大地震への余力も残しておかないとね。

 

壁の引き上げは、簡単な話ではない。

国民民主は、壁の引き上げ=手取り増=減税の財源を今年の税収増でというが、次年度以降はどうするか、それをいわないでは無責任である。そして、補填財源のことは、自民党公明党・政府に任せて、自分は話し合いに加わらないという。まったく無関任な話である。国民民主ずるい!

 

私の現在の結論:

⓵国民民主党は、賢く議席を伸ばしたが、いいとこどりで無責任、ずるい。

②103万円の壁引き上げで労働力供給の増加は、(少々の疑問があるが)、ある程度期待できる。

③103万円の壁を引き上げると手取りが増えるのは間違いない。それは各人に良い事である。しかし、それは国自治体の収入減である。国債発行増はまずいので、何処かで増税せねばならぬ。

④分かりやすいのは、所得税内でのやり取りである。引き上げた壁(それ以下無税という壁)より多い収入に対する増税をすべきである。壁の引き上げ(=減税)+壁以上の所得への増税のセットが良いと判断する。

低所得者への減税とより高所得者への増税のセットなら、壁の引き上げ大賛成である。どこをどのぐらい増やすか、これを政府・専門家・各政党で大いに議論すべきである。