「階級」で日本を見ると/「日本人ファースト」

朝日新聞9月5日のオピニョン欄で、橋本健二社会学早大教授)氏のインタビューが掲載されていた。7年前、アンダークラスという新階級ができたという論文で注目された人だそうです。

 

このインタビューでは、「最下層のアンダークラスブラックホールしている」ということを言っていました。

 

以下に、彼の考えをまとめてみます。

①彼の階級論は、

 資本家階級、旧中間階級(自営の農業・サービス業)、新中間階級(管理職・専門職)

 正規労働者階級、非正規労働者階級(アンダークラスの5階級に区分。

 

アンダークラスとは、非正規雇用の労働者。人数は約900万人(就業人口の13%)

 大都市圏の調査では、年収平均216万、貧困率37.2%。

 資本家階級の2割強、正規労働者の4割強の年収。

 

アンダークラスは、世界的グローバル化と政府と企業の方針で、労働者階級から分離し、独立した階級を形成

 

アンダークラスは、未婚率が高い故、労働力の再生産ができない。それでブラックホール化とよんでいる。消滅しそうに思うが、他の階級から没落した人がアンダークラスに落ち、階級を形成している。

 

アンダークラスは、他階級と比べ、自民にも野党にも支持率が最も低く、政党側も注目しない、政治から疎外された階級。

 

⑥都市圏の調査では、収入の格差が大きすぎると思う人が70%いる。これを政策に反映すべきだ。

 

自民党支持者は、

所得分配に前向きな「伝統保守」、再分配に後ろ向きで排外主義的な「新自由主義右翼」

の2集団に分かれており、後者が参院選では新興右翼に流れた可能性がある。

 

⑧今後自民党が「伝統保守」に回帰すれば、リベラル野党と再分配強化の合意ができるかもしれない

 

⑨階級は必要。経営をしたいか、雇われたいか、自営業を始めたいか、選択肢はあったほうが良い。格差はなくすべき。格差が小さくなれば、各人自由に所属階級を選べるこれが目指すべき社会。

 

 

私の感想

①日本の現状を、「階級」で見るのは、意義あること思う。「日本人ファースト」という考えは、日本人は〇〇である、日本人は〇〇であるべき、日本人はこう、行動すべき・・と、日本人をいっしょくたにする傾向がある。日本人をひとまとめにして論じてよいのだろうか。よくないと思う。収入一つをとってもさまざまである。「階級」としてみる視点も重要である。

 

②労働者階級を、正規と非正規に分けて考えるはよいとおもう。その方が実態にあう。

 

アンダークラス(非正規)の数がなんと多いことか。アンダークラスは未婚率が高いので労働力の再生産ができない。脱出できない。けれど他階級から没落する人が供給されて維持されるブラックホールのようなもの、というのはなるほどと思った。

 

④「階級論」は、就業者で考えているが、われらのような年金生活者も多数なので、これも階級と考えたほうが良いと思う。尤も年金生活者も収入のみならず資産によって大きく違いがあるけれどね。

 

⑤久しぶりに労働力の再生産という言葉を聞いた。大学時代、マルクス経済学で聞いた言葉である。これは、現代さらに将来にも役立つ考えと思う。

曰く「労働者の給料は、労働力の再生産、つまり日々の生活維持と子供の養育費分しか払われない。労働はそれ以上の価値を生むので、余剰分は資本家に収奪される。これが貧富の差の原因である」

大学時代、この説を聞いてなるほどと思った。これ現代の閉塞を打開する一つの考えじゃないかな。

 

⑥格差が大きすぎると考える人が70%いるというのも、橋本先生言う通り、政策に反映すべきではないかと思う。

自民党の再配分に前向きな「伝統保守」とリベラル野党の協調で、再分配を進めるべきと思う。

 

⑦橋本先生の言う「格差はなくすべき。格差が小さければ、それぞれが好きな階級を選べる。これが目指すべき社会」という考えに賛成する。

 

途中で投稿してしまい、その上、書いた文章をどこかに飛ばしてしまって、yonnbabaさんの星印を飛ばしてしまいました。すみません。