幸田真音「大暴落(ガラ)」(2017年)
東京の大洪水や円安・株安・国債安のトリプル安(大暴落)という難局での、日本初の女性総理の活躍を描くパニック小説。
大洪水については、荒川の下流・河川事務所長、トリプル安については、巨大銀行の現場取引責任者、全体については女性総理を中心に描く。
大洪水の原因は、秩父地方への豪雨と近づく台風である。
トリプル安の背景は、
質量とも異次元の金融緩和・財政出動にもかかわらず低成長が続くこと
日銀による国債買い・株買い上げによる日銀の債務超過、その故の日本国の信認低下。
海外での円安・株安と国債の買い手がいない(売れない)ことから始まる。
トリプル安は、経済や財政の仕組み・動きについて知識・理解が不足してるのでよくは
わからないけど、小説で指摘された背景は現実なので、ほんとに起こりそうと思った。
東京の大洪水も、台風の巨大化とか線状降水帯の頻発とかインフラの劣化とかの現実があるので、ありそうにも思った。
女性総理とその周辺(政党実力者・官僚のトップ)についての話は、知識が皆無なのでそんなものかと思った。
ただ総理の解決策は、お話にしても、ちと安易すぎるかなと思った。
面白い話の連続なので、単行本400余ページをほぼ一気に読めた。
ふるさと銀河線・軌道春秋(高田郁)
高田郁の「ふるさと銀河線・軌道春秋Ⅱ」が良かったので、1も読んでみた。
Ⅱと同じ程度に面白かった。
題名通り、話は、交通機関が少し関係する。
不幸な中にも、少しの希望とやさしさがいっぱいという話たちである。
読む人によって、いいなあと思う話は違うと思う。
誰にでも、いいなあと思う話が、数編はある短編小説集であると思う。
私は、孫を持つ祖父なので、「ムシヤシナイ」が印象に残った。
優秀な父親による、受験教育上の圧迫で、壊れそうになった孫を、祖父が助ける話である。