死は人生の完成/も一度、とら食堂のラーメン食べたい

小川糸「ライオンのおやつ」を読みました。

ブログ知人の何人かが、紹介してたので、興味を持ちました。

 

一番の感想は、小川糸さん、難しいテーマに取り組んだなあ、ということです。

短い余命宣告を受けた30代半ばの女性の最期を描いているからです。

 

それが明るい基調なんだなあ。

 

彼女は、ホスピスで最期を迎えようと、瀬戸内海のレモン島にやってきます。

 

瀬戸内海も美しいし、レモン島の雰囲気もいい。空気もいい。何よりホスピスがいい。生きたいという気持ちを自然に起こさせてくれる仕掛けがいっぱいある。

スタッフがとてもやさしく賢く温かい。

 

俺もがんで余命宣告を受けたら、こんな島のホスピスで死にたいと思いました。

 

彼女は運もいい。

この島に来たおかげで、新しい異性の友人もできたし、かわいい犬とも仲良くなれた。父との再会もできたし、なんと、知らなかったかわいい妹とも会えた。人生に心残りがないように見えました。

 

しかし、大抵の人は、諸事情により、こうはいきませんよね。

 

でもねえ、次のことは確信しました。

モルヒネで痛みを抑えながら死に臨むとき、きっと、

自分を愛してくれた人・自分が愛した人・傷つけた人、気にかかる人が出てきて、見守ってくれるということを。

そして誰かの臨終の夢に、その人が思ってくれれば、私も登場するのだということを。

 

これは、だれにも当てはまることだと思いました。

 

私もがんが発覚したら、この本をも一度読む本の一つにします。

 

・・・・・・

「ライオンのおやつ」には、ゲスト(入所者)を元気づける食べ物がいっぱい出てきます。朝食は、いろんな種類のおかゆです。

 

私は、食べ物のこと、ほとんど分かりません。特にスイーツなるものはまるでわかりません。食べ物のことは、この話の結構大きなウエイトを占めてると思います。

 

食べ物ついでなのですが、今NHK+の「プロフェッショナル」で、白河市とら食堂の竹井和之さんをやってます。再放送です。前にブログに書きましたが、また書きます。

 

私は、ラーメンが好きです。

今はもうできませんが、喜多方や白河に、ラーメンを食べる目的だけで行きました。相馬からは、高速を使っても3時間弱かかります。

 

番組では、竹井さんのラーメン作りを結構詳細に取り上げます。

改めてびっくりしたことの一つは、汁に、酒もみりんもうまみ味も一切使わないということです。使うのは自然のものだけ。

出汁作りに、全国から集めた4種類の鶏ガラ70羽分を使うというのです。その中で、讃岐コーチンという鳥が決め手で、一羽2,600円もするというんです。

 

竹井さんは言います。「俺はバカかもな。店の儲けを考えれば、いくらでも安く作れるのに。そうできないんだ。」一杯、700円のラーメンだからなあ、もうけ度外視なんだ。

 

とら食堂の人たち(竹井さんの妻、娘とその夫、6人)の昼飯は、毎日このラーメンなんです。例外がないのだそうです。奥様は、「ラーメンは家族」といいます。やはりうまいんだ。

 

私は、とら食堂のラーメンのうまさを表現できませんが、そのうまさは、数時間体の中に残っている感じがします。

 

ラーメンは、人生の最後に食べるものではないと思いますが、も一度は食べてみたいです。

白河ラーメンも喜多方ラーメンも。