元日の主要全国紙を読んで

朝日はとっているので、日経・読売・毎日を買ってきた。

毎年恒例の(時々さぼりますが)、各紙の社説を読み比べのためである。元旦の社説となれば、各紙の一番言いたいことが表れると思うので、そうしてきた。

 

分量がダントツに多いのが読売。最も少ないのが日経。約3分の1。

(読売47行  日経19行  毎日24行  朝日26行、高さは各紙ほぼ同じ)

見出しは、以下である。

読売・・知力体力発信力を高めたい 世界秩序の受益者から形成者に

日経・・混迷を好機とする1年を

毎日・・海図なき世界「ポスト真実」を超えて 未来を描き社会を変える

朝日・・退潮する民主主義「分断の罠に陥らぬよう」

 

内容は、以下のようである。

    ただし私の読解力とまとめる力が怪しいことを念頭においてほしい。

 

読売・・・今国際秩序は崩壊の危機にある。日本はこれまでこの国際秩序の受益者であったが、今後は、形成者にならねばならない。そのためにはTPPの拡大がカギで、EUASEANとの連携が大切だ。中国は軍事力で西太平洋を影響下に置こうとしている。それに対抗するためには、日米同盟の強化が基本だが、米国以外の国との重層的な新しい外交安保の構想が必要だ。

 その外交の基礎は技術力・経済力で、高市政権がAIや半導体・造船分野に投資を決めたのは妥当だ。そのためのエネルギーとして原発再稼働は望ましい。南鳥島沖のレアアース開発技術も急務だ。

 国際協調の立て直しには、国内政治の安定が大事だ。これまで安定していた日本にも

欧州同様ポピュリズムの波が押し寄せてきた。近時の自民党も、消費税減税などの財源無視のポピュリズム的野党の主張に振り回されている。国の借金は1300兆ある。有事や巨大災害が起きたらどうするのか。

 社会の分断や政治の不安定をもたらす一因がSNSだ。実効性のある対策を急ぐべきだ。民主主義の担い手は国民で、「自分が嫌なことは人にもするな」、ということ当たり前の道徳を確認したい。

 

日経・・・トランプ氏のWTOルールを無視する高関税政策に象徴されるように、国際秩序は崩れ続けている。トランプ氏のロシア寄りの停戦案、同氏のG2発言等で、日米欧のG7の存在がかすんでいる。

 欧米同様、日本でも民主主義の浸食も進む。排外主義や世論の分断で自民党を主軸とする政治体制の安定が崩れ、ポピュリズムによる多党化の時代が来た。だからこそ、将来世代に持続的な社会や経済を引き継ぐ努力をせねばならぬ。まずは経済の成長力を高め、回復力を鍛えなおさねばならぬ。インフレの時代、賃上げと消費・投資の好循環を作らねばならぬ。

 また、高市政権には、巨額債務から日本の信認を落とさないこと、真の弱者に絞った支援、EUASEAN・インド等新興国と能動的に手を組み、国際協調が進むことを期待する。

 日中の対立等不確実性はあるが、それを思考停止にの言い訳にしてはならない。

 

毎日・・・現代は、SNS等で、真偽不明の情報が出回り、怒りや不信感をあおるネット時代となった。

 約100年前も、ナチス第一次大戦後の混乱はユダヤ人のせいだと根拠のない言説で支持を集めた。この原因について、迫害から逃れたユダヤ系学者は「画一化されたメディアが大量の情報を発信し、大衆を思考停止にした」という。またその原因について「失業等の混乱が自分の力では解決できないため、極端な主張を信じ込むようになった」ともいう。 

 これは現代日本でも同様だ。グローバル競争の結果の雇用の不安定化、新自由主義的な自己責任論等に対して既成政党が信頼を失い、排外主義的あるいはバラマキ的政策を掲げる政党が躍進している

 代議制民主主義は、社会保障・財政の持続、食糧確保など次世代の人々の利益を反映しにくい。

 過去の失敗に目を配り、同時代に生きる人々と問題意識を共有し、それを将来世代に拡張する試みが必要だ。

 

朝日・・・今世界の民主主義は退潮している。取り残されたと感じる人々の憎悪・社会への不満がSNSを通じて増幅され分断が広まる。一見能率の良い権威主義的国家のほうがいいのか?

 戦後すぐの社会科教科書では、「民主主義は時間がかかるが、誤りを修正できることが強みで、独裁政治はそれができない」といっている。

 米NGOは、次のように言う。民主主義の退潮には、4つの指標がある。1.法の支配の弱体化、2.公正・中立な選挙への疑念、3.報道の自由への攻撃、4.移民への差別・不当な扱い。

 これに照らすと、高市政権の目指すスパイ防止法は、市民の権利の制限、言論への規制を進める危険がある。

 排外主義や威勢の良い主張で民衆の支持を得るポピュリズムが日本にも押し寄せている。これは、国民の分断をもたらす民主主義の大敵である。

 民主主義には復元力がある。意見や立場が違っても互いを尊重し妥協点を探っていきたい。

 

4紙いずれも共通しているのは、ポピュリズムに対する危機感である。

読売と日経は、ポピュリズムの浸透により自民党中心の政治が不安定になったことを指摘し、毎日は、それにより既成政党の退潮を言い、朝日はそれを、分断を招来する民主主義の大敵としている。

 

ウィキによると、ポピュリズムという言葉の意味や使い方は様々であり、意味や使い方を明確にして、具体的事例で考えることが必要と思った。