立民よ、お前もか。そのバスは、地獄ゆき!だ

本日、日本経済新聞を見て心配になった。

立民「反撃能力」容認を検討ー維新・国民民主に続く/責任政党へ現実路線

という4面トップ記事である。

記事内容は、①立民の外交・安保戦略PT(玄葉が代表)が、反撃能力の保有専守防衛憲法の規定範囲での保有を認める)・防衛費増を提言した。

②維新は、既に「一定条件下で反撃能力を認めるのは当然」、国民民主も「反撃能力保有を認めている。

③共産は、反撃能力は違憲、防衛費増も中止。

と主要野党の政策を紹介し、「各野党の安保政策は、各党が政権担当能力を試される試金石、民主党鳩山政権がつぶれたのは普天間基地移設問題で日米関係が悪化したことが一因」として、立民の「反撃能力の保有」を後押しする主張を展開している。

締めくくりが「台湾有事は絵空事でない。野党の無責任な政策にはこれまで以上に厳しい目が注がれる」とある。

 

以下私の感想

(1)毎日新聞は、「反撃能力(敵基地攻撃能力)」と書いていたが、日経は反撃能力としか書いていない。政府が敵基地攻撃能力をごまかすため反撃能力と言い換えたのをそのまま無批判に使っている。前のブログで言ったように、すでに日本国領域での反撃体制は出来ており、どこまで反撃するかの問題であり、そのことを考えない日経は、自分で物事を考える能力、あるいは意識のない新聞(政府に頭を任せている)であると判断する。この面では、政府の宣伝塔だろう。

 

(2)立民は、PTが提言してこれから自由討議に入るとのことだが、しっかり討議してもらいたい。ちなみに今思いついた、考えるべき例を挙げる。

〇敵基地攻撃なんて可能かどうか?北朝鮮でも、移動式基地、地下基地、SLBMを持つ。中国の場合、中国奥地の基地を撃破できるのか?どれだけ多くの基地があるか、分かるのか。一つでもうち洩らすことはないのか?

このミサイル戦争の場合陸自が必要かどうか。必要としてもどの程度か。どのぐらいの継戦能力を考えるのか?敵基地攻撃能力の実効性こそ、日経の言う「絵空事」だ。

〇敵基地攻撃可能のミサイル保持の場合、緊張が高まれば、敵も日本のミサイル基地を狙ってくる。多弾頭超高速ミサイルをすべて撃ち落とせるのか。

 

戦争時に守るべきは、政府中枢・自衛隊基地・米軍基地だけではない。原発・工業地帯・娯楽施設(サッカー場等)・高速交通網・地下街・水道施設等々を、ミサイルやゲリラ攻撃から守らねばならない。そんなことできるのか。軍事力による日本防衛こそ「絵空事に見える。日本防衛とは、全日本国民の命・財産・生活を守ることだ。食料、エネルギー、部品・製品の輸出入も守らねばなるまい。そんなことできるのか。

 

〇敵基地攻撃能力を保持した場合、敵のどのような動きを見て敵基地を攻撃するのか。当然相手も、我が国のミサイル基地の「ある動きに反応し」行動を起こす。これは、戦争可能性を極めて大きくすると思うが、その辺をどう考えるのか。

 

〇敵基地攻撃能力を保持した場合、軍事的には先制攻撃が有効と判断する場合もある。それをどうやって防ぐか、その誘惑に勝てるか(先制攻撃は、国連憲章違反故)

 

抑止力理論が、敵基地攻撃能力保持の正当性を担保するか?抑止力理論は、相手が理性的行動(「攻撃するとやられるので攻撃しないと判断する」理性)を取ることを前提としている。敵はいつでも理性的行動をとるという確証があるのか。中国が台湾について日米豪等の圧倒的戦力でひるむと思うか?米国の敵基地攻撃能力に日本の敵基地攻撃能力を追加して、それでひるむと思うか。

太平洋戦争時、日本は圧倒的戦力(経済力を含む)の米国に攻撃をかけた。北朝鮮や中国は、戦前日本よりも賢いと思うのか。

 

〇日米その他世界は、北京政府を中国の正統政府と認めている。つまりは、台湾問題は、中国の内政問題と世界の多数は判断するのではないか。台湾有事で、日米等が武力介入するのは、内政干渉にならないのか?ならないなら、その理屈はなんだ。

 

共産党独裁の中国(思い通りに金を軍事費につぎ込むことができる)あるいは14億の人口を擁する中国、今後GDP米国を抜くと言われる中国と軍拡競争して、日本は破綻しないのか。

 

〇今日の日経は、防衛費(敵基地攻撃能力を持つなら「軍事費」というべき)の財源に触れて、国債発行もにおわせている。法人税増税が嫌なのだろう。同紙は、敗戦直前(昭和20年)の債務残高は、GDP200%と言っている。現在がGDP250%の債務なのは周知のことだろう。こんな国が中国との軍拡競争をやっていいのか。できるのか。借金で夜逃げは出来ないぞ。国債の買い手がない→利子率を上げざるを得ない→超インフレとか、国債を日銀が買い続け→日銀の(日本国の)信用低下→投機筋から売り浴びせ→買い続けるしかないなんてシナリオはないのか。他に破たんするシナリオはないのか、社会保障費を確保できるのか、教育費は減らさないのか?消費増税・所得増税はないのか?

 

〇敵基地攻撃能力を保持したい、それが安全なんて絵空事を考えているお花畑連中は、台湾有事の時には、米国を当てにしているのだろう。しかし、米国は、当てにできない。ロシアのウクライナ侵略に対して米国はどう行動したか。武器供与だけじゃないか。己(米国)が中国の一部と認める台湾に、しかも核保有国の中国を相手に、台湾に武力介入などするはずがない。馬鹿な日本が米国の代理戦争をするというシナリオだってあるぞ。このままではその確率が高い。

 

〇敵基地攻撃は、憲法の範囲内とどうしていえるのか?憲法9条をひどく緩く解釈しても、台湾有事は國際紛争じゃないと証明しないといけない。(9条2項「国際紛争を解決する手段としては、という芦田挿入条項に基づき、自衛戦争はokという事で、自衛隊の存在を合憲としている)その証明をせよ。どんな理屈で、台湾と中国の戦争が、日本の自衛と言えるのか。

 

(3)立憲民主党の冠はどうした。立憲とは、「すべては、憲法に基づき」じゃないのか。安倍の集団的自衛権導入手続き及び内容が憲法違反という事から、立憲と冠したのじゃないか。

 

〇立民よ、戦前、戦争に傾斜した時の政財界の合言葉は、「バスに乗り遅れるな」であった。世界恐慌下、台頭するナチス・ファッショが良く見え、日本も「新体制運動」とか言って、軍国主義全体主義のバスに乗り遅れるな、と政界は雪崩を打った。

立民よ、今、自・公・維新・国民民主、日経等のマスコミ、一部有識者は「敵地攻撃能力を持とう」「欧米のように2%を防衛費に」等の合言葉=軍国バスに急いで乗り込んでいる。雪崩を打っている。

 

立民よ、このバスに乗り遅れるな、と焦ってはいけない。そのバスは戦争という地獄ゆきだ。そのバスは、国家経済破綻という地獄ゆきだ。

 

立民が、そのバスに乗ったって、人気なんぞ出ない。なーんだ自公維新とおんなじかとしか見られない。

今でも国民の一定割合は、自衛隊を自衛のためと思っている。日本の安保政策は、専守防衛と思っている。それらを掘り起こし組織すれば、支持率が倍増いや3倍増すると思わないか。

なぜ枝野が立民を発足させたとき、10%以上の支持があったか、筋を通したからだ。立憲主義という筋。自公が捨てた「専守防衛」という旗を拾ったからだ。その旗は、戦後日本の筋なんだ。骨格なんだ。それを思い出せ。

 

立民、バスに乗り遅れろ。いや、そのバスに乗るな。そのバスは地獄ゆきだ。お前らだけが行くのはいい、国民をそれに乗せてはいけない。乗りたくない国民を守れ!乗りたくない国民の前に立て。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

危機を脱したかな?「反撃能力」というごまかし

コロナにかかった娘は、発症三日後病院から電話があり、ホテルに収容可能という事で、隣町南相馬市のホテルに入っています。今朝電話するとだいぶ良くなったという事で、一安心です。

 

妻は、ずっと咳が止まらず、3つ目の(内科→耳鼻咽喉科→内科)クリニックで、検査を受けましたが、コロナは陰性という事でした。これまた一安心です。それにしても、ハッキリした診断は一つももらえず、薬だけ処方されています。熱はないのですが、元気がありません。咳止めの薬は、効くのですが、これを呑むとつばが出ず、喉が渇くので、今日からやめて様子を見ています宇。今、総合病院の呼吸器科を受診することも考えています。

 

孫はずっと元気で、今日はパパに、例の検査キッドで調べてもらって、陰性とのことで、明日から幼稚園登園です。パパも明日検査して陰性であれば、会社に出勤です。

 

徐々に我が家も日常に戻りつつあります。ご心配くださった皆様ありがとうございます。

 

コロナが、ホントに身近に迫ってきました。「家族の誰かがかかったら」という事は想定しておいた方がいいです。自宅での隔離場所と風呂・食事等の日常生活を考えておいた方がいいと思います。ホテル療養が楽です。

 

災厄は、日常生活を過ごしている人には、他人事で、「私だけは大丈夫」、「そんなこと起きるはずがない」と思ってしまいます。

 

あの東日本大震災地震津波原子力災害もそうでした。そうして、少し経つと忘れます。

 

昨日の毎日新聞によると、経産省が「原発の新増設と建て替え」を推進する行動計画を策定したそうです。さらに60年と定めた原発運転期間を、実質延長する方向性を明確にしたとのことです。

 

経産省は、原発推進の理由を「電力の安定供給と脱酸素社会の為」としています。

 

これはしかし、国民が、あの福島第一原発の災害を忘れつつあることに乗じた原子力利益共同体(=原子力村)=電力会社・関連産業・経産省・研究者の利益拡大の行動です。

 

確かに短期的には、動かせる原発を動かすのは、電力会社や日本国にとって利益なのは分かります。

 

しかし、長期的には、原発が出す放射性廃棄物の処理という重い課題をさらに重くするだけです。安全とされる次世代型原発だって事故が起きる可能性があります。ましてや老朽原発の運転は、危険です。大きな目で見れば、損になると思います。

 

福島第一原発事故のために投じた費用は、すでに20兆円を超えました。最終的にどのくらいかかるかわかっていません。これらはいろんな形で国民負担となります。

 

確かに原発は、発電時の二酸化炭素は出さないでしょう。しかし自然エネルギーも発電時に二酸化炭素を出しません。

 

日本には、太陽光・風力・地熱等有力な発電源があります。発電源の分散・融通と蓄電池を組み合わせれば、自然エネも安定的発電源です。

 

また日本には、省エネ関連技術があり、そのさらなる開発も得意分野と言えると思います。ゼロ戦は、米国戦闘機に比べて極めて省エネでした。それが米国戦闘機を初期には凌駕しました。

 

さらに日本には、省エネ社会への適応力もあると思います。善悪両面ある同調圧力の強さ(制服社会、右ならえ、人のふり見て・・・、皆さまご一緒に、等々)もこの場合有効に使えます。

 

小泉純一郎が言う通り、脱原発を政府が明確にすれば、日本国民はやれるでしょう。

 

原子力村の「電力の安定供給」とか「二酸化炭素社会」という言葉にごまかされないようにしましょう。

 

ごまかしと言えば、その最たるものは、「反撃能力」という言葉です。政府自民党は、今年の春までは、これをずっと「敵基地攻撃能力」と言ってました。「敵基地攻撃」と言っては、専守防衛の日本に不都合と思った政府自民党の、極めて姑息な、言い替えです。しかも本質をごまかす言い方です。

 

どこまで反撃するか、という事をごまかそうとすることです。

 

反撃能力は、すでに日本にあります。軍事力は、世界一の米軍と、世界5位ないし10位の自衛隊が持っています。その法整備もできています。具体的には、安保条約と自衛隊法です。さらに戦時の細かな行動要綱(有事関連各法)も決まっています。

 

この法体系の下、日本国領土及び日本国内の米軍基地が攻撃された場合、米軍と自衛隊は共同で侵略軍に反撃します。これは、侵略軍を日本国内から撃退することができることを意味します。

 

この法体系は、敵基地(自民党の中には敵政治中枢まで攻撃という考えもあります)まで攻撃するという事を認めてません。これまで作ってきた、憲法下の法体系を超えています。憲法違反の行為です。

 

さらに、他国の反応等、別な問題を引き起こします。これは重要で、別途に考えます。

 

 

但し、これだけは言っておきます。

どこまで反撃するかという事をまじめに考えるべきです。

日本国民は、「現在、まるで反撃能力が全くないかのような」政府自民党の言い分を信用してはいけません。どこまで反撃するかという本質をごまかそうとする、政府自民党を信用してはいけません。それに追随するNHKをはじめとするマスコミに踊らされてはいけないと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コロナが やってきた

恐れていた事態が、起きました。

娘がコロナにかかりました。一昨日熱を出し、昨日病院でPCR検査したところ、「陽性」とのことです。

娘の職場で「クラスター」が発生したとは、きいていたのですが、娘がかかるとは思いませんでした。甘かった!

娘は、老健施設で介護福祉士をやっています。当然罹患者と密になる職場ですから、大丈夫かな、とは思ってました。

 

陽性診断が出て、お医者の指示は、自宅で療養とのことです。数か月前の知人は、ホテルで10日間療養だったのですが、政府が賄いきれなくなったのでしょうか。

 

娘は、2階の客間に隔離です。新築で良かった。2階には、寝室、居間、客間、子供部屋と小さいながら4つあり、隔離ができます。一方私達老夫婦は、6畳弱の寝室以外には、共有のLDKしかなく、我々のどちらかが罹患すれば、どうしようか、困ってしまいます。

 

病状は、今朝電話で聞いてみると、38.5度の熱が出て、喉が痛く、全身ひどくだるくて、死ぬ思い、と言ってます。ヨーグルトしか食べてません。今どきのコロナは、軽症が多いとか、症状が出ないとか聞いていたので、なんとなく油断してたのですが、コロナ恐るべし。

 

彼女は、ワクチンを2回しか接種してなく、それもひどくなった原因かと思います。油断大敵です。ワクチンは打った方がいいと思います。

 

濃厚接触者のパパも、今日から5日間自宅待機とかで(娘は7日間)、パパの職場が混乱しているそうです。数十人の小規模な職場ですからね。それよりも、クラスターが発生した娘の職場の介護施設は、どんな状態でしょう。普段でも手薄と聞いているのに。年寄りたちに手が回らないのは、容易に想像がつきます。

 

孫(4歳)も当分幼稚園はお休みです。昨日一日、老夫婦とパパの3人でほぼ交代で、お相手したのですが、まあ、くたびれます。幼稚園のありがたみを感じます。

 

その幼稚園も休園に近い状態のこともありました。近くの中学校はまるまる一週間休校になりました。音楽祭がまずかったとか。まさに綱渡りですねえ。

 

孫は、母親の隔離状態をよく理解して、極力協力してくれていますが、いつまでも我慢できますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

虚構を信じる能力ーサピエンス全史を読んで(上)ー

 numapyさんがかつて触れられていた本「サピエンス全史」(上)(ユヴァル・ノア・ハラリ著)を読みました。

えらいものを読んじまった、というのが一番の感想です。脳みその劣化が激しいので読むのに一苦労です。前半の感想を述べます。後半まで読めるか、はなはだ疑問です。

第一部 認知革命

初めの語り口は、すべてをぶった切るという感じで、マルクスの経済学・哲学・歴史論のようだと思った。ドキドキした。が読むにつれ、その印象はなくなった。彼は、すべてを説明する理論を提示してはいない。この著書は、人類の発生から未来まで説明している。その説明は鋭い。また私の知識不足もあり、多くの面で、新鮮で面白かった。

「概要」

(1)我々現生人類(ホモサピエンス)は、数多くの人類の中でただ一つ生き残った人類であり、生き残れた主因は、二足歩行でもなく、道具、火を扱う事でもなく、言語をあやつる能力でもなく(これらは他の動物、他の人類も使える)、現実にありえないある何か(虚構)を信じる能力を獲得したことだ。それは、多くの人間の共同行動を可能とした。それが勝ち残った理由である。

(2)サピエンスは、生き残る過程できわめて多くの動物と多くの他の人類を絶滅させた、史上最も危険な種である。

「感想」

(1)筆者は、サピエンスの「虚構を信じる能力」を、原始時代では、伝説・神話・宗教で説明している。現代では、例として、皆が、自動車会社プジョー有限責任会社)の存在を信じることで説明している。

 

私は、この説明に大いに納得した。

 

「人間は自由かつ平等」(フランス人権宣言)も、「人権を確立するため、政府が樹立された」(米独立宣言)も、「一人はみんなのために、みんなは一人のために」(共産党宣言)も、「万世一系天皇これを統治す」(明治憲法)「満蒙は生命線」も「大東亜共栄圏」もみな虚構である。ナチス第三帝国」も虚構である。「日米同盟こそ日本の安全保障の根本である」も虚構である。これを信じた多数が、この虚構を現実化するため行動したのである。勿論現日本国憲法も虚構である。すべては、この虚構をどれだけの人が現実化しようとするか、にかかっている。

 

これは考えてみれば、ごくごく当たり前のことである。

 

思い出したのは、丸山眞男の「大日本帝国が実在だったとでもいうのか、私は戦後民主主義の虚妄にかける」(少し違う言い回しかもしれない)という言葉である。私もまた、微細な存在ながら、「戦後民主主義の虚妄にかける」、つもりである。私は、丸山の言う虚妄をハラリの言う虚構と解釈する。それは頭の中で作った共同イメージである。ハラリは、これを「集団主観」とも言っている。

 

(2)我々サピエンスの、実に多くの動物・人類を絶滅させてきた事実に戦慄する。

とくに、他の人類=兄弟=ネアンデルタール人等を多くの場所で、何らかの形で絶滅(集団虐殺も当然あったろう、∵サピエンス同士の虐殺がどれほどあったか!)させてきたことを絶望的に悲しく想像する。

 

 

第2部 農業革命

「概要」と「感想」(

(1)農業革命(小麦・米・芋・トウモロコシ等の栽培、牛・豚・羊・鶏等の家畜化)

は、サピエンスの人口を激増させたが、彼ら個々人の生活を楽にはしなかった。これは、史上最大の詐欺であり、罠であった。

実に面白いなあ。なるほど、罠なんだ。

マスクは、この(一見)豊かな社会のトップクラスの会社で「もっともっともっと働け」とわめく。いやだったら会社をやめろと叫ぶ。

豊かになったのだから、もう働かなくたっていいはずだ。・・・確かにサピエンスは、農業が始まって以来、ひどい罠にはまっている。勿論経済成長神話も罠である。

(2)農業革命は、栽培作物によるサピエンスの家畜化であり、家畜動物にとっての大惨事である。

→面白い。サピエンスは、栽培作物に奉仕している奴隷かもしれない。人類史の一面は、栽培作物様の為、殺し合いまでしてきたと言える。

(3)農業革命は、人類の社会の拡大をもたらした。国家もその帰結の一つである。拡大の基礎は、定住、余剰農産物、身分差(指導者・庶民・奴隷)、想像上の秩序(神話、宗教、法律)、書紀体系(文字・記号・数・それを使う専門家・官僚制)である。

→特に目新しい記述と思わない。ただ数の概念とその利用が大きな役目を果たしたことになるほど、と思った。筆者は、コンピュータ処理技術まで言及している。

 

(4)想像上の秩序は、上層の人々の特権・権力と下層の人々への差別・迫害を生んだ。アメリカでの人種差別、貧富差別、インドでのカースト制度等。これは、法律を含む文化全般に組み込まれた。この格差の正当化には、宗教的神話、科学的神話が無理やり動員されたが、それは、論理的基盤・生物学的基盤を欠いている。

→どうして論理的基盤や生物学的基盤を欠いた格差が生まれたか、考えてみれば不思議である。上層の人々の既得権益確保のため存続・発展してきたとは思う。その初めは何か。出会ったサピエンス集団同士の、戦いの勝者と敗者であったか?

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(5)男女格差について

古今東西、男女格差はある。それは、生物学的差(女は子を産む)から起因するか。それは、分からないと筆者は言う。ハラリは、筋力差説、攻撃性説(男が攻撃性が強い)、男と女の生存作戦の長い蓄積(男:女を獲得するための強さ、女:子育てを実現するため男に従順、この遺伝子の積み重ね)、を紹介するが、このいずれも反論可能で、男女格差の由来を説明できていないという。

→ほんとだねえ、どこから男女格差が出来てくるんだろう。分からないね。また、先進国の中で特に日本に男女格差がひどいのは何故だろう。

いずれにせよ、格差が何らかの理由で作られた虚構なのは当然である。

 

第3部人類の統一

概要と感想(→)

(1)数百年単位でなく、数千年単位で人間の歴史を俯瞰すると、人類の歴史は統一へ向かっている。→そうなんだろうなと思う。

(2)統一する最強の征服者は、貨幣である。貨幣は、すべてのものを交換可能にするし、見知らぬどんな人でも協力できるようにする、もっとも効率的な相互信頼制度である

→なるほど。社畜化した人間は、己の能力・誇りの代わりに貨幣を得て、衣食住に代えている。日本の投資家が、ドルを買ったり売ったり、外国の公債や株式で構成された投資信託を買ったりしている。それって、見知らぬ人の協力を得ていると言える。

現在、世界の孤児に近い北朝鮮も外貨を稼いでミサイル開発・原爆開発をしている。これは貨幣が、好悪に無関係に、見知らぬ人が北朝鮮に貨幣を仲介者として協力していることになるな。

(3)帝国とは、大きさに関係なくいくつもの別個の民族を支配し、変更可能な境界を持ち無限に増殖する欲望を持つ。帝国は、抵抗する民族を残虐に弾圧し、その文化を消化する。やがてその民族も同化される。人類は、この2000年、殆ど帝国の中で暮らしてきた。将来も暮らすだろう。将来の帝国は、真にグローバルなものとなる。国家は急速にその独立性を失っている。

→ハラリは、これを2014年時点で著述している。その後の世界の動きは、国民国家の独立性を主張する方向に見える。例えば、トランプの「アメリカ・ファースト」、英国のEU離脱、国連の無力。

しかし、俯瞰的に見ると、人類は統一方向に向かっていると考える。グローバルな資本主義化、多国籍企業の活躍、国際NGOの活躍、共通の問題意識(環境、人権、平和、法の支配、民主主義)等々。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たった一人のスタンデイング(?)、ぼろぼろとカチン(新築余波)これなーんだ。

今日は9の付く日。

南相馬市駅前でのスタンディングの日です。定刻通りにいつもの場所に行くと誰もいない。あれ、変だな、休みかな。

前回は、相馬のスタンディング仲間Sさんを通じて休みと連絡があったけれどね。今回は連絡がない。

えーい。ままよと、一人で始めました。

いつもの3つを持ってです。近頃新しいものを作っていない。うーん。マンネリだなあ。

ひとりは心細いので、「ラゴロンドリーナを口ずさみながら。

そうこうしているうちに、Sさんがやってきました。Sさん曰く「あれ、今日は休みかな。連絡ないけど」

どうやら、Sさんにも連絡がない見たいです。せっかく相馬から来たんだからと、二人でやりました。

彼には私の持っているカードを貸しました。

このカードの3枚は、2月28日に作成しています。プーチンの侵略が始まったころ、危機感がありました。今は薄れています。いかんなあ。共感疲れというものがあると言ったのはだれでしたか、忘れました。

結局相馬の二人で、南相馬のスタンディングをやってきました。原町どうしたんだろう。

まさか、なくなったわけではないでしょうね。

・・・

新居引っ越しから早くも3か月がたちました。

新築の影響で、「カチン」。普通は、新築の不備で頭に来た、と思うでしょう。それも多々ありますが(いつか書くつもりです)、ホントにカチンという音なんです。まあ、その話を少々、興味のある人はお付き合いください。

・・・・

新築騒動は、私の畑に甚大な影響を与えました。まずは、家から約6キロにある畑です。夏野菜は、軒並みダメでした。早くに植えた白菜は、ボロボロです。勿論虫に食われたのです。普段あまり食われない大根葉まで食われました。それでまだ大きくありません。チンゲンサイ、小松菜、水菜は、虫で全滅!です。

 

がっかりしたのが、里芋です。葉っぱが大きくて、これは豊作だなあ、と期待して掘ってみると、親芋ばかりが大きくて、肝心の子芋が平年の3分の1程度。まともなのが、2,3個しかないんですよ(泣)しょうがないから親芋中心に芋汁を作りました。

 

これらの原因はわかってます。引っ越しで手が回らなかったせいです。思えば7月8月は、軽トラとプリウス南相馬から何回運んだことか。おそらく20回前後です。しかも片づけなけりゃいけないのです。畑に手が回りません。

 

今の話は、遠い畑のことです。

 

もっとがっかりなのは、新居の裏の畑です。カチンの正体です。次の2枚を見てください。

この狭いところに並べた石は、なんと右の畑から出てきたものなんです。鍬や備中ぐわ

、スコップ、トーガ、いずれで畑を耕してもカチンです。母の代から何十年も作ってきた畑です。

こんな石は、前には当然ありません。

工事関係者が、どこかから持ってきたか、というとそうではありません。家の畑の土です。なぜかと言うと蜆貝や鶏手羽の骨が出てくるからです。私は食べかすをコンポでたい肥として畑に入れていました。私の家の土で間違いありません。植えなくともジャガイモ・かぼちゃが、夏には出てきました。種があったのです。我が家の畑の土には間違いありません。

 

どうしてこうなったか、それは土留め工事にあります。

建築中の我が家です。手前が池(ほとんど湿地化してますが)です。コンクリート土留めが見えますでしょう。この建物の右側が畑です。そこにも土留めがあります。土留めを作るため、深く掘って設置したため、深い層の土と畑の土が混じってしまったのです。

まず畑には適しませんね。石ばかりか、極めて固い土、粘土交じりの土まであります。

今秋、キャベツ・玉ねぎ・ほうれん草・つぼみ菜を植えましたがろくなものはとれないでしょう。

 

仕方ありません。今後数年、開拓者のつもりで、土づくりに励みます。

 

 

 

 

 

 

次の世代は、我らの失敗から学んでほしい(本日二つ目)

私は30年ほど前、零戦に関する柳田邦男の長大など著作を読んだ。

 

即ち、「零式戦闘機」「零戦燃ゆー飛翔編」「零戦燃ゆー熱闘編」「零戦燃ゆー渾身編」である。

 

この著作は、あの太平洋戦争の、航空上の主役=零戦の栄光と挫折を、日米両側から、戦略・戦術・戦史も含めて描いた超大作である。特徴的なのは、日米両国の技術開発の違いを詳述していることである。それこそ、柳田の渾身作と思う。

 

30年ほど前に読んだときは、日本びいきの私は、零戦の大活躍に惹かれて読んだのであるが(日本すごい!)、戦争後半の苦悶・苦闘にがっかりしながらも、その健気さに感動もした。

 

新築に伴い、自分の蔵書を10分の1に減らした今でも、これらはある。ただし「零式戦闘機」はない。おそらく捨てたのだろう。

 

近頃、「零戦燃ゆー飛翔編」を読んだ。

 

この飛翔編は、太平洋戦争開戦からミッドウェイ海戦さらに山本五十六長官の戦死まで

を扱っている。

零戦の絶対的優位から米軍機と対等、さらに劣勢の兆しという段階を描いている。

 

私はこれを再読して、この本を、今の日本の現役世代特に若者世代に読んでもらいたいと思った。

 

何故なら、日本は、1980年代から1990年代初頭、世界に冠たる経済先進国であった。それはちょうど日中戦争から太平洋戦争初期の、零戦の圧倒的強さになぞらえることができる。

 

その30年後、日本経済は停滞・没落し、基本的指標で日本は先進国から脱落しつある。これは太平洋戦争後半から敗戦までになぞらえることができる。

 

どうして日本経済は没落したか?その要因がこの零戦の零落から読み取れると思うのだ。

というのは、零戦の零落の根本原因の中に、日本国民の欠陥が表れていると思うからだ。

 

だから、是非現代の現役世代特に若者世代に読んでもらいたいと思う。」

 

少し例をあげよう。

珊瑚海海戦に関する著述で柳田は、「戦勝気分に浸っていた連合艦隊司令部は、珊瑚海海戦で米機動部隊を壊滅できなかったことを、ひたすら司令官の弱気のせいにし、・・・重要な教訓を読み取ろうとしなかった。・・・そのころワシントンでは戦闘記録の詳細な分析に取り組んでいたのだった」

米軍は、零戦の恐るべき強さ、それに比べて米軍機の弱さを直視し、分析し、対策を練っていく。やがて零戦を圧倒的に凌駕するF6Fヘルキャットを作る。

 

この膨大な著作が15年をかけて、1990年(平成2年)に完成したのも興味深い。日本の絶頂期に書かれたと言っていい。柳田は、日本の絶頂期に、日本の弱点を厳しく見つめていたのだ。零戦の零落を描くことで。

 

われら団塊を指導した戦前・戦中派、われら団塊世代、われらに続く世代は、日本の絶頂期に、「戦勝気分に浸った連合艦隊司令部」であったのだ。その後の30年間我らは敗れ続けた。

 

もはや戦前・戦中派・団塊は、社会を動かす力を失った。その後の世代に期待するしかない。

 

我らに続く世代、特に若者世代は、われらの失敗を分析し対策を冷静に考えてほしい。その参考として、この柳田の著作は大いに役立つと思う。ぜひ読んで欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪僕たち団塊生、ヘヘヘイ♪

幾世代かの戦争ありました。

赤どす黒い戦争ありまして(中也のまね)

日本に青空見えた時(映画「日本の青空」)

死にそこなった皇軍兵士と生き残った女たち。

男と女は、己の生を確かめようと、子作りせっせ、せっせのせ。

これが僕らの由来です。

生ましめられた僕たちは、そのあと大変、生きるの大ごと。

団塊中の団塊は、

昭和24年生まれの学年で、同年この世に飛び出した270万の子供たち

どこへ行ってもイモ洗い。押し合いへし合い競争で

高校なんぞは、クラス55名!人の椅子を飛び越え教室出入り、

 

どこへ行っても競争で、

上の団塊エネ余り過ぎ、無駄に暴れて驚天動地、

なんと東大・教育大(現筑波大)入試中止、痛い目こいた、24年組

 

その後の僕らは、息もつけぬ働きバチ。馬車馬の如、鞭当てられて疾走す。

低賃金で長時間労働。週6日のご出勤。下手すりゃ月月火水木金金、旧海軍の亡霊かい。・・・やっと戦争勝ちました。親父・爺様のかたきとったぞ。40年間世界二位。なんのことかと尋ねておくれ。勿論GDPの国際比較(えへん)。

 

僕らは高度成長のいしずえで、出世競争にさらされて、無我夢中で走りぬけ。

それでも結婚、子作り励み、第二の団塊作りました。

 

ああそれから僕たちは、バブル崩壊リーマンショック。失われた30年の主役を演じ。

 

今や我々団塊は、

日本喪失の主因と目され、

今や我々団塊は、古稀を超えて生きさらばえ、

無駄飯喰いと非難され、早く消えよといじめられ、社会保障の重しと言われ、

厄介おんつぁま、くそ爺婆。(どっか、少しおかしくないかい)

 

自業自得というなかれ、それは、やがて君たちにも。

 

おいおい、しかし喧嘩は止そう。

 

立ち止まって、少し考えよう。

 

われら団塊も様々で、大金持ちも貧困老人もおり

君たち年下の者たちも、大金持ちも貧困組もいて、

 

 

貧困老人・貧困組も大方みんなは一生懸命、それでも貧乏神は付きまとう。

 

大金持ちも、大方は一生懸命、それでも貧乏組より楽していよう。

この世に生まれる努力だけで、楽ちん生活のご仁もいらっしゃる。

 

社会主義は失敗し、共産主義は幻影でした。

 

それでもこれは言えると思う。

 

世代間の争いで、世代内格差、忘れるな。