イヨンヒ「天武と持統」

 記紀万葉の難読歌は、古代朝鮮語で書かれているという仮説で読み解いた本。古代朝鮮語で読むと歴史の秘密がわかるというのだ。
 この本では、天武が朝鮮の軍人で、子どもに殺されるということになる。持統天皇文武天皇は、恋人同士ということになっている。
 確かに、難読歌は、日本語として読んでもさっぱりわからないかんじがするが、古代朝鮮語で読んでもいまいちわからない。彼女のその解釈は強引すぎる。ましてや歴史の事実を表す暗号なんてこれもまた、強引すぎる解釈だ。他の万葉のわかりやすい名歌が日本語でわかるのに、なぜ良く分からない歌だけがが古代朝鮮語で書かれているんだろう。おかしいねえ。
 「も一つの万葉集」というのも読んでみればよいかも。
 しかし、韓国人の劣等感の裏返しの、韓国起源説の一つであろう。何でもかんでも朝鮮中心にかってに解釈する見苦しい。