「戦争はいや」

「戦争はいや」、これが戦後日本国民の共通した一番の思いであったと思う。

国民が自衛隊を認めたのは、日本が攻められた場合、自分や家族が殺されるのはいやと言う気持ちだったんだと思う。

アメリカの戦争に巻き込まれるかもしれないが、日本だけじゃソ連に対抗できないんで、「日本が攻められた場合にアメリカに守ってもらうか」と言うのが、安保条約であった。

これらは、戦争はしたくないけど、攻められた場合仕方ないかということで認めてきたものだ。そのためには憲法をかなり無理して解釈してきた。自衛隊・安保条約は、「戦争はいや」と言う気持ちのギリギリの選択であった。

集団的自衛権は、日本が攻められなくともアメリカを応援して日本領域外でアメリカのために戦うと言うことである。

これはもう、「戦争はいや」じゃなくて「戦争もやろう」ということだ。なぜなら、アメリカは、「正義のためなら戦争もいいこと」と言う国だからだ。
南ベトナムと敵対する「悪い」共産主義北ベトナムをやっつけろ、イラクフセイン政権は危険なので倒せ、という国なのだ。

アメリカと一緒に戦うと言うのは、ある目的のため「戦争もやむなし」と言うことだ。

安倍内閣は、「アメリカに頼まれた場合」「ほおっておけば日本に危険がある場合」「国会の承認」などの限定を付けるが、こんな限定って限定になるんだろうか。アメリカに頼まれて断れるんだろうか?危険かそうでないかは、まずは内閣が決めるんだろう。国家秘密保護法のもとで国会はかかわれるのか?きわめて怪しい。

何よりも、軍事力以外で守れと言う憲法上の制約が弱くなる。つまり戦争以外の努力の比重が低くなる。それは、戦争に大きく日本を近づける。

集団的自衛権日米安保条約は、中国を抑止するか?今日(5月13日)中国が2014年中にGDPで米国を抜くというニュースがあった。(世銀)
中国はこの2百年、力不足のため侵略され半植民地化した経験を持つ。今は力を蓄えた。中国は、力こそ正義と言う考えだ。アメリカと同じだ。彼らは、軍事力による抑え込みには蓄えた力で対抗する。軍事抑止力は、中国を抑止しない。それは戦争の危険を増す。

「戦争はいや」なら、集団的自衛権に反対しよう。