安倍総理の記者会見について思う

安倍さんの安保法制閣議決定についての記者会見をみた感想を述べる。

(1)これまでの説明の繰り返しで、言い訳ばかりと言う感じを受けた。彼には、自信がないんだと思った。質問されると延々と力ない説明をし、質問時間をやり過ごそうと言う風に、私には見えた。彼は、良くわかっちゃいないんだと思った。

(2)安保状況の悪化と言うが、米ソ冷戦時代、日中国交のない時代に比べて、安保状況は悪化したという根拠はない。私は、安保状況はその当時に比べて、改善したと考える。ソ連はないし、中国とは、資本、労働力、商品・サービスの売買、情報がこれほど入り組んでいて、戦争なんて出来っこないだろうと思う故。
北朝鮮について。安倍さんの「北朝鮮の(核)ミサイルが今も日本を向いている、それから目をそむけちゃいけない」と言うのは、その通りだと思う。目をそむけずもっと考えると、全てのミサイルを撃ち落とすことは不可能と言うこと、北が崩壊した時の、少人数グループによるテロ、北の難民の押し寄せ、韓国経済の崩壊、これらを考えると安倍氏のいう軍事的対応は、不可能と思う。日本は、米国から離れて、中立宣言出すのが良い。自衛隊が米軍を助けることによる抑止力向上は、不要である。米国と北鮮では、勝負にならない故。

(3)米国の戦争に巻き込まれることはないと言うが、現在の法制よりも巻き込まれる可能性が高いのは間違いない。米国が攻撃された場合、米国側に立って戦うことになるからだ。

(4)「一国のみで安全を守ることは出来ない」、それはその通りだ。しかし,その手段は、米国との軍事同盟深化ばかりではない。米国との軍事同盟深化は、米国の行動に左右される。米国は、軍事力で解決を図る国だ。戦争は、当然という国だ。ベトナム戦争、アフガン戦争、イラク戦争その他を見ればわかる。戦争防止の手段は、様々ある。そちらの面で日本は、活躍すればいい。

(5)「戦争法案と言うのは、一方的見方」と安倍さんは言うが、後方支援とは、戦争参加そのものである。雪合戦の場合、自分から見て、つぶてをどんどん作って相手に与えている人は、敵陣営そのものだろう。

(6)半島から日本人を乗せた米国軍艦が敵に攻撃された場合守らなくていいのかと言う安倍さん得意の例であるが、米国は、
米国人・英国人・その他の外国人と言う順番で運ぶ。日本人はその他大勢のうちなのだそうだ。ならば、中立宣言の方が、日本人の安全にはいい。安保条約をやめたほうが安全だと私は思う。戦争は、すぐは起きない。危なくなったら、民間船で、飛行機で、みな韓国から帰ってくる。
安保条約や旧ガイドラインや今度の安保法制が成立したら、米艦でも自衛艦でも逃げるのは危険である。北朝鮮の敵となるわけだから
。民間船の方が安全かもしれない?とにかく、一番安全なのは、日本が敵にならないことと思う。これまでの専守防衛・安保条約で
米国が、日本を守らないぞと言うなら、安保をやめるべきである。

いやー、安倍さんのことをこれまでの説明の繰り返しと批判したが、私も同じ主張の繰り返しだ。いやになるな。

(7)記者たちの質問がつまらない。首相が北のミサイルが、狙っていると言ったら、それを撃ち落とす自信があるか聞かないといけない。米国の専門家は、不可能と言っているんだから。首相が、半島からの日本人を乗せた米国軍艦云々と言うなら、(6)の質問をしてほしい。「後方支援」は、戦争参加にならないか?を聞かねばならない。後方支援は戦争参加なんてこと常識なのに、記者たちは、やらせの質問しているのか?媚薬でもかがされているのか?しっかり聞いてもらいたい。

(8)これからは、国会論戦となるそうだ。
国会議員こそ、しっかり政府に聞いてもらいたい。
ミサイルを全て打ち落とせるのか、テロの危険はないのか、後方支援は、戦争参加でないのか、中立宣言の方が日本人の安全が確保できるのじゃないか、集団的自衛権を行使しないと米国は日本を守らないのか(そうであれば、安保条約違反)、安保状況は、どんな点で厳しくなったのか、最高法規憲法が変わらない以上、安保状況が厳しくなったからといって、今までの黒と言ってきたものを白と考えると言うのがおかしくないかどうか、日本の戦争をしないと言う宣言が、日本人の海外での活躍しやすい環境を作ってきたと考えるかどうか、お金を出すだけでダメなのかどうか、もしだめと言うならそれは何故か。米国の、戦後の戦争についてどう思うのか、イラク戦争についてどう思うか聞いてもらいたい。PKO活動は、自衛隊と別組織でするべきじゃないか等々聞いてもらいたい。議員は、それが仕事のはず。

多くの国民は、安保法制なぞに、関心を持っていない。わからないので、暇がないので、自分にとって関係ないと思っているので。平和が続くと思っているので。私は、この安保法制は、戦争に近付くし、大損と思っている。ふだん私は、他の人と同様、安保法制などより、他のことに関心があり、いろんなことに(仕事・趣味・家事・旅行・本読み等々)忙しい。それは、憲法で決めた通りに国が動くと思っているからだ。国会も政府も司法も自治体も企業も個人も、憲法の枠の中で動くと思っているからだ。しかし、この安保法制は、憲法の規制を超えて、戦争を引き寄せ、多くの人の不幸を招くと思うので(いずれも可能性の問題だが)、国会議員にはしっかり議論してもらいたい。所属政党にかかわらずである。各議員一人ひとりが、所属政党に関係せず、自分の頭で考えてもらいたい。ごく少数を除いた、自民党議員がシーンと言うのはおかしいよ。国民に代わってしっかり考えてもらいたい。そのため高い給料を払っている。