「聞く耳を持たれずとも」ーすごい女性たち(NHK「映像の世紀」感想)

映像の世紀  RBG 最強の女性判事ー百年のリレー、を見た。すごい女性たちである。脱帽した。以下、3度ほど見てわかった範囲で紹介する。

 

ブログ知人 SPYBOYさんのご紹介で、ルース・ベイダー・ギンズバーグ(RBG)という

米国の最高裁女性判事を知っていた。

映画『RBG 最強の85才』 - 特別な1日  

RBGは、男性が支配する米国社会で、果敢に、女性の権利のみならず、弱者の権利を拡張した弁護士で、のち最高裁裁判官となる。

しかし、米国社会も男性優位がひどかったことにびっくりする。

RBGがハーバードロースクールに入学したころ、専業主婦が75%。同大学では、500人中9人しか女性がいなかった。同大で常に上位の成績だったのに、弁護士として雇われなかった。転機は、1960年代の公民権運動。ようやく弁護士になり、能力を発揮して連戦連勝。クリントン大統領により最高裁裁判官に任命される。

詳しくは、特別な一日さんのブログでどうぞ。

 

私がすごいと思ったのは、ヒラリークリントンが敗れてトランプ大統領になった時、自分が死ねば、トランプ大統領は保守的人物を最高裁判事に任命するだろうと思って、健康維持しようとしたことだ。がんに侵された体でだ。80代で筋肉トレーニングしている姿に感動した。トランプを破りバイデンが大統領になる4か月前、彼女は力尽きた。87歳でした。無念でしたでしょう。

 

しかし、RBGは、後に続く女性たちにおおきな勇気を与え続けるだろう。

番組では、ヒラリークリントン、祭英文、マララ・ユスフザイ、NZ首相等がRBGに影響されたことを言っていた。

 

RBGは、最高裁判事就任に当たり、「(多くの先人が)平等への声を上げ続けた先に

今の私が存在すると言っている。

 

番組は、RBGにいたる女性の権利獲得の歴史を「百年のリレー」として、歴史をたどっていく。

20世紀初めのイギリスのエミリー・デイビソン

彼女は、オックスホード大で優秀な成績だったのに、女性故学位が与えられなかった。彼女は同志を募って女性の参政権を求めた。しかし、男性の国会議員たちは無視する。国会陳情の際は、警察が暴行を加え、死亡した女性もいた。彼女たちの合言葉は、「言葉よりも行動」。放火等過激な行動もした。

逮捕されたエミリーは、獄中でハンガーストライキをする。それに対して国家は、強制摂食をさせる。体を押さえつけ、無理やり鼻からゴムチューブで食物を胃に落とし込む。拷問である。エミリーは、9回投獄され、49回強制摂食させられた。

 

それでも屈することないエミリーは最終手段にでる。1913年女王隣席のもと、女王の馬も出馬するダービーで、

エミリーは、女王の馬の首に「女性にも参政権を」のスカーフをかけようと馬場に出る。そして、馬にはねられ死ぬ。壮絶としか言いようがない。その遠見の映像が何回か流された。粛然となる。

 

それでも男性たちは、エミリーに冷ややかだった。

 

情勢を変えたのは、エミリーの死の翌年からの第一次大戦だ(1914~1918年)。兵士になる男性の労働力不足を補うため、女性が働きに出た。これは、女性がいなけりゃ国家社会が回らないことを示した。皮肉なことだ。

 

そしてついに、1918年イギリスで、1920年アメリカで女性の参政権が認められた。

 

このエミリーに刺激されて、米国で全国女性党を作ったのが、アリス・ポールである。

彼女は、英国留学中エミリーを知った。エミリーの象徴である監獄バッジを胸に付けた。

彼女の言葉「社会はモザイク画のようなもの。ひとりひとりは小さな石ころだけど

皆が集まれば、大きな絵になる

 

この全国女性党に有名な女性が入党した。

アメリア・イアハートである。男性ばかりのパイロットの世界で活躍した女性パイロットである。

彼女は、1928年6月、大西洋横断に成功したが、実は操縦してたのは、男性であった。ごうごうたる非難を跳ね返すべく、1932年一人で大西洋横断に成功する。その後米大陸横断もする。

彼女は、1937年、飛行機による世界一周に挑む。

その時の彼女の言葉「男性も成し遂げていないことに挑戦するのは、自己を人間として確立するため

しかし、彼女は、太平洋上で行方不明となる。

 

このアメリアに関する本を小さいころに読んで、アメリアにあこがれたのが、RBGである。

 

番組で紹介されたすごい女性たちの言葉を紹介する。

エミリー・デイビソン

「男性を貶めるつもりはありません。誰でもより良い社会を生きられるために行動してます」

アメリア・イアハート

「いつか女性であることが無意味である時が来ることを信じてます」

RBG

「女性を優遇せよとは言ってません。私達の首を踏みつけている足をどかしてほしいと言っているのです」

聞く耳を持たれずとも、声を上げ続けるべきです」

「真の変化は一歩ずつ実現します。たとえ私が生きているうちに実現しなくとも、

希望を持ち続けます」

 

・・・・

我ら男どもも、彼女らの意思を継いで、自由・平等・人権の為頑張らなきゃと、少し思った次第。できることは、超みみっちいけどもね。ま、いいじゃないか。人間だもの(笑)。SPYBOYさんが常々言う通り、まずは、「男は仕事と家事の両立」だ。仕事のない俺は家事だ!テキトーになるだろうけど、やるぞ。妻よ娘よ孫娘よ、あまり細かいことを言うな。