男が見るべきドラマー「透明なゆりかご」(1~4)感想文

NHKプラスで「透明なゆりかご」を見ています。朝4時前後に目を覚まし、この連続ドラマを見ています。今朝第1回から第4回を急いでみました(2回目)。急いだのは、この回が、終了まじかだからです。NHKプラスは、一週間しか放映しません。

 

内容と感想を述べます。

看護科の高校三年生の主人公青田アオイ(清原果耶)が、産婦人科へバイトに行き、いろんな体験をします。そしていろんな命のあり方が描写されます。

 

第一回  「命のかけら」

アオイは、まず人工妊娠中絶(堕胎)シーンを体験します。そしてその処理を任せられます。ホルマリン漬けにして業者に渡すのです。

その日は、出産もあります。ところが出産した女性は、赤ちゃんを触ろうとも見ようとしません。相手は妻子のある男。不倫の子だったんです。15年も騙されてました。女性は一時産院を抜け出しもします。その女性が、わが子をはじめて抱くシーンが感動的です。わが子に指を握られて

その女性は、幸せな退院をしますが、わが子を窒息死させます。男のもとに戻ったといううわさがあります。事故か虐待か真相は明かされません。

 

第2回 「母性って何」

二つの出産が描かれます。

一つは、女子高校生が自宅の浴室で出産し、産院前に捨て子をしたケース。

この子を拾ったのが主人公のアオイ。アオイは、この子の面倒を必死に見ます。しかし、女子高生と親が引き取りに来ます。女子高生は、「こんな子いらない」と拒絶します。結局は、親が自分たちの子供として育てます。アオイは、女子高生に文句を言いに行きますが、考えなおします。どんな思いで子を育て産んで捨てたかを想像するからです。女子高生がどうしてこの産院前に捨てたか、それは第4回の伏線になります。

 

もひとつは、重度の一型糖尿病の女性です。彼女の場合、中絶を家族にも医師にも勧められますが、夫・親を説得し出産します。彼女は言います。「初め、家族に普段迷惑ばかりかけているので、子供を産むことによって、自分を認めてもらいたいというエゴがあった。しかし、妊娠すると産みたいと体が叫びだす」と言いました。

 

第1回と第2回は、とても重要なことを表現しながら、まとまりに欠けると思います。

でも、強烈に何かを訴えます。

 

第3回 「不機嫌な妊婦」

アオイを初め、接する看護婦や医師に敵対的な言動をする不機嫌な妊婦・阿部が主人公です。ユーモラスな描写もあります。

しかし内容はシリアスです。この妊婦の夫が、他の病院で、盲腸手術の全身麻酔の為、植物人間になっているのです。病院側・医師に過失はありません。

この怒りを彼女は、アオイの産院で爆発させます。彼女は、医師・看護士・病院に強い不信感を持っています。嘘をついていると思っています。

 

夫の命があと数週間となった時、彼女は医師に出産を要求します。夫に見せるためです。月満たぬため、医師は拒否します。数週間後、彼女は出産します。

 

一生懸命なアオイに、少し心を開いた彼女は、アオイに聞きます。

阿部「意識をなくした夫にも声は聞こえるかと」

アオイ「自分の勉強の範囲だと低酸素症で自発呼吸のない人には、声も聞こえない」

阿部「あんた馬鹿ね!そういう時は嘘でも声は聞こえるというんだよ」

阿部「でもいいわ、あんたが嘘はつかないとわかったから

実に救われる場面です

 

彼女の夫は、死にます。最後はアオイの想像でドラマは終わります。

あと数分で心臓が止まると宣告された夫の耳のそばに、彼女は赤ちゃんを手を添えて置きます。赤ちゃんは大声で泣きます。夫の目から涙が一滴落ちます。

アオイは心で言います。「聞こえていたと阿部さんには信じてほしい」と。

私もまた強く信じます。

この臨終の夫にも、激しく泣くわが子の声は聞こえていたと。

 

第4回 「産科の危機」

塗装工の夫と6歳年上の妻の幸せな夫婦が、産院で子を産んだ。この二人はどちらも

善良な人間だ。幸せな出産。ところが、大暗転する。産婦が出血死亡するのだ。医師にも緊急搬送された大病院にも落ち度はない。

しかし、・・・

夫は怒り狂う。当たり前だ。医師に「お前が殺した」と詰めよる。彼は刑事告訴する。しかし、2か月後告訴を取り下げる。どうして?

アオイは偶然、この不幸な夫とコンビニで会う。夫は疲れ果てていた。

アオイ「あんなに怒ってたのに、どうして訴えを取り下げたんですか」

彼「赤ん坊の世話でほかのことなんてできない。それにマーちゃん(亡くなった妻)

  は何としても戻ってこない」

彼の口ぶりから、アオイは自殺するのではと誤解する。彼は否定する。

しかし、誤解じゃなかった。

彼は、夜中首つり自殺しようとする。紐の輪に首をかける。しかし、赤ん坊が激しくなく。ミルクを作って「この子が寝たら死のう」。その時、マーちゃんの指示の紙が目に入る。「熱いミルクは、水に入れて」「添い寝しちゃだめ」「お尻は前から後ろに拭く」「疲れたら、泣いてても寝て」「つらいなら泣いてもいいから」「死んじゃダメ」

赤ん坊が彼を見つめる。彼は大泣きし、「この子には俺しかいないのか」。

この場面は、事実かアオイの想像か、わからない。しかし、そんなことはどうでもいい。この塗装工を引き留めたのは、この子と死んだ妻なのは間違いない。

 

産院側には、医師が習った教授の「分娩は総合病院の方がよくないか」という極めて重い課題が残る。

3回と4回は、テーマがはっきりしていてすっきりと作られていると思う。傑作と思う。

あれれ、文体が「です、ます」から「である」に替わっていた。まあ、そんなこともどうでもいい。

男が(も?)見るべきドラマと思った。