飼いへびと「作り作られる関係」

「樽叩く餌の知らせに屋敷ヘビ梁より降りて厨房に来る」

朝日歌壇に載った盛岡市の阿部長一さんの歌である。


いやー、びっくりした。野生のヘビを手なずけている。「餌だよー」って言ったら、
同居しているヘビが「するする」梁から降りてきて、台所でお食事するんだ。

何という関係だ。尤もヘビもペットショップで売ってるそうなので、不思議でもないか。

俺は、ヘビが嫌いだ。「するする」なんて自分で表現していてザワーとする。



近頃、小熊英二氏の「社会を変えるには」を読んだ。

久しぶりに刺激的な読書であった。懐かしい記述がいっぱいあった。自分が大学生だった時代の分析なんかすごいなあと思った。「貨幣は、過去の生産関係が表れたもの」なんて昔なじんだ考え方も出てきた。


彼の言いたいことを、
「人間は、作り作られる関係ということ」を自覚していろんな方法で他に働きかけて、「われわれ」意識を作れ、それが社会を変える。現在は原発問題が変革の突破口と言っていると「総括」した。
教科書にするなと言っている小熊さん、まとめるぐらいは、良いでしょう?


俺の読解が当たっているかどうかはまったく自信なし。


阿部さんの働きかけで、野生のヘビが「飼いヘビ」に変化した。ヘビを飼っている阿部さんも変化したか。阿部さんは、どのようにして飼育関係を作ったんだろうか。へビの餌は何なんだろう。


今はなんでも思い通りにできそうな首相の安部さんは、何を飼っているんだろう。その関係は何だろう。その餌は何だろう。