「里の秋」に思う

今散歩から帰ってきました。

夜の散歩は、町の周囲を歩きます。街灯を頼りに歩くのですが、街灯がだいぶ離れている暗がりがあります。しかし、今晩は満月です。明るくて散歩に困ることはありません。

「明るい明るい星の空、なきなき、夜鴨のわたる夜は、・・・・」。星明かりではありませんが、小学校唱歌「里の秋」を思い出しました。


「里の秋」は、戦争が反映している歌です。

小学校では、1番と2番しか歌いませんでした。さびしい、美しい秋とお父さんのいない家の寂しさを感じました。

そればかりでないことは、童謡集で3番を見たとき気がつきました。十数年前のことです。


3番は、こうです。「さよならさよなら椰子の島、お舟に揺られて帰られる、ああ父さんよ、ご無事でと、今夜も母さんと祈ります」


そうか、このお父さんは戦争で南洋に出征してたんだと思いました。そうすると全体としては、戦争をやわらかく否定する歌と思いました。


その後ネット調べて、この歌には戦争の歴史が大きく反映していることを知って、とても感動しました。


戦時中に作られたもともとの歌詞では、3番は南洋の島を米軍から守る父を、4番では、その父に続いて、国を守る決意を歌っていました。軍国少年を育てる歌でした。


戦後に歌われた時には、引揚の兵士を勇気づける歌になりました。そして厭戦歌となったと思います。戦争は、家庭から父を引き離す悲しみをもたらすと歌う歌となりました。

そして、この歌詞を自ら変えた小学校教師の戦争への反省がこめられていて、感動しました。


そして今晩思い出しました、家永三郎の名著「太平洋戦争」で知ったこと。唱歌「われは海の子」にも軍国少年を育てる歌詞がさりげなくはいっていたことを。その歌の7番にあります。


昨日新聞で、文科省教科書検定の基準を変えるという情報を見ました。「政府の見解を教科書に載せよ」という情報です。


文科省の安部政権にすり寄った姿勢です。安部さんは、政策に自分の思いを強力に反映し始めました。


戦前的思考の、想像力欠如の、歴史の真実に背を向け、自己満足の安部政権は、日本国民のためになりません。暴走を阻止しましょう。真実の力で。