じじい部隊、頑張れ

NHK総合でいい番組を見た。大熊町のじじい部隊の話である

大熊町とは、福島第一原発の立地自治体である。町の主要部分は放射線量が高いため、帰還困難区域になっている町である。その町の退職した職員が中心となって、じじい部隊を
編成した。その目標は、町民の帰還である。

彼らは、前線基地を作り、地域の線量をはかり、魚や野菜の線量をはかり、除染計画を応援し、提案している。除染を自らもやっている。東電に提案もしている。すごい活動だ。一番線量が高いところは、50マイクロシーベルト超である。たかいなあ。たかすぎる。そんな中で活動している。

凄いなあ。諦めてもいいのに。あきらめたほうが楽なのに。あきらめたほうが安全なのに。諦めない。凄いと思う。

帰還困難にしている理由の一つに国の中間貯蔵施設の建設とその目的のための土地の国有化計画である。じじい部隊の人たちは怒っていた。中間貯蔵は30年間貯蔵である。お年寄りは大抵亡くなる年月だ。そのまま最終処分場になる可能性も高い。帰還の邪魔になる。

私は、理不尽ながら、大熊町は最終処分場やむなし、大熊町民はお金をもらってあたらしい生活の方がいいなんて考えていたが、申し訳なかった。ごめん。大熊町の中には線量低いところもある。野菜や鮭は食べられそうだ。田んぼも一部作れそうだ。
 
頑張れ、じじい部隊。たいしたもんだ。

国は彼らを全力で応援せよ。それが最低の責任だ。

原発を推進し、安全神話を広め、自らも安全神話に逃げ込んで対策を誤魔化し、結局町民を帰還困難にした国の最低限の責任だ。

NHKもいい番組がいっぱいある。籾井なんぞに負けず、政府が右と言ったら右と同量の左を放送せよ。政府の宣伝には決してなるな。憲法に依拠する批判精神で番組を編成してほしい。知る権利とは、全てを知る権利である。政府・官僚・巨大資本は権力・実力を持って自分に都合いいニュースを流そうとする。それを考えれば国民には権力・実力がないのだから、権力に批判的ぐらいでちょうど中立と言える。
頑張れ、NHK。