北岡さん、あなたの考えはおかしいと思う。

朝日新聞2月25日に安保法制懇北岡座長代理の発言要旨が載っていた。その内容は、次の通りで、それぞれについて反論する。

1.憲法9条1項の「国際紛争」を現在の「すべての国際紛争」という解釈から、「日本が当事者となる国際紛争」と読むべきとして、この解釈変更により(PKOは日本が紛争当事者じゃないので)PKOに派遣される自衛隊武力行使を拡大したい(たとえば駆けつけ警護)

反論 
a)○○をしたいために解釈を変えるというやり方は、姑息で本末転倒である。

b)○○をしたいために解釈を変えると言うやり方は、法の支配を人の支配に変える絶対王政時代の考えかたである。

c)人の解釈で変えうるなら、人が変わるたびに変わる。それでは国民・自衛隊員も困る。諸外国の信用を失う。行政解釈や法律解 釈ではない。法の支配の頂点の憲法の解釈である。
(これは安倍内閣のめざす、解釈変更による集団的自衛権行使容認にも当てはまる。)
再反論=解釈するのは人→再々反論=単なる人ではなく、15人の最高裁の裁判官の合議、もちろん首相や内閣でもない

d)PKOに参加するのは自衛隊員である。自衛隊員の命を他国内の紛争の解決のためさらすべきでない。

e)厳しい条件のもとに、抑制的に万やむを得ざる場合のみ武器は使用すべきである。武器は他人を殺す道具であるゆえ。他人を殺すことは悪いことであるので。
 
尚、PKOには、自衛隊と別組織を作って派遣すべきである。自衛隊憲法上、もし存立出来るとしても自国防衛にのみしか行動出来 ない(専守防衛)=これが従前の解釈改憲の限界。故に海外派遣は出来ない。

2.国連憲章51条はいかなる国も個別的自衛権集団的自衛権を持っていると書いてある。必要だからだ。・・・自力で守る必要がある
局面もあるし、自力だけでは守れないときは、他の国と手を組んで守ることもある。

反論 
f)国連憲章33条で各国は平和的解決をしなければならないと決めている。これが原則なのである。

g)個別的・集団的自衛権行使は、国連が解決に乗り出す前の緊急措置として認められているものである(51条)

h)個別的・集団的自衛権があるからと言ってそれを使わなければならないわけではない。 それぞれの国家の方針通りでいいわけである。

i)日本国家の方針は、日本国憲法に明示してある。戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認の憲法自衛隊の関係については、ずっと論争のまとであった。最高裁は最終的判断を示していない。現在でも自衛隊憲法違反の可能性もある。この矛盾に対し無理やり政治的に折り合いを付けたのが、「自国が侵略された場合のみ憲法に違反しないとして自衛隊の存在を合憲とした」従前の政府解釈である。これを超える解釈は不可能である。日本国が侵略されてない場合、自衛隊が行動することは憲法違反である。国外で自衛隊が活動するためには、憲法改正が必要である。

3。集団的自衛権行使容認の5条件

反論
j)集団的自衛権は、i)で述べたとおり現憲法が存在する以上行使出来ないので条件を考える必要を認めない。あなたは何者なのですか。最高裁15人と同等の存在なのですか。まあ、個人の意見表明は自由です。これは安倍内閣総理大臣に言うべきでしょう。

4.日本への武力攻撃未満の場合もなにかしなくてはならない。
k)なぜそうする必要があるのか、不明である。わざわざ、緊張を高める必要はない。

5.集団的自衛権は、小さな問題だ。こんな小さな問題で大騒ぎすることが大きな問題だ。

l)「日本国領域が侵略された場合、自衛隊が戦う」と言うのを、「日本国領域が侵略されてなくとも、日本国外で戦ってる同盟国と自衛隊が一緒に戦う」と変えるのがどうして小さいことなのか。

国連憲章日本国憲法も紛争の平和的解決を原則とする。その努力をせず、近隣諸国と軋轢を高め軍事的解決(善意に解釈して軍事抑止力強化)ばかりに努力を注ぐ安倍政権は退陣してほしい。これまでの専守防衛を進めてきた自民党員は、安倍氏を引きずり下ろすべきである。