集団的自衛権は、国民の命や平和な暮らしを壊す

安倍首相は、5月15日の「基本的方向性」で、限定的な集団的自衛権を使うことが、国民の命を守ることと言って、具体例をいろいろ挙げている。最初と最後に言って、最も強調している事例を挙げて考えてみる。

「いまや海外に住む日本人は150万人、さらに年間1800万人の日本人が海外に出かけていく時代だ。その場所で突然紛争が起きることが考えられる。そこから逃げようとする日本人を、同盟国の米国が救助、輸送している時、日本近海で攻撃があるかもしれない。このような場合でも日本人自身が攻撃を受けていなければ、日本人が乗っているこの米国の船を、日本の自衛隊は守ることが出来ない。これが憲法の現在の解釈だ」(「故に集団的自衛権を認めて、この米国艦船を自衛隊が守れるようにしよう)

さてこの事例の場合、集団的自衛権は、国民の命を安全を守るか逆に危険にさらすかを考えてみよう。

米国の艦船が攻撃されるとは、米国がある国=A国と戦争をしている、あるいは戦争を始めたということである。

(1)日本が集団的自衛権を行使しなければ、A国は、中立国である日本の一般国民を攻撃はしない。一般国民を攻撃するのは違法であるし、中立国である日本を敵側に回すからである。(もちろんA国の敵国=米国の一般人を攻撃することも違法である。)つまり集団的自衛権を行使できない、行使しないと言うことは、A国の敵にならないということである。
日本は敵でない故、日本国民が逃げる場合も安全である。

(2)日本が集団的自衛権を行使する場合
安倍首相ははっきり言っていないが、自衛艦が米国艦船を守るとは、A国と米国の戦争に参戦すると言うことである。
安保法制懇の報告はもっとはっきり言っている。事例1=米国等の敵対国の船舶への検査・米艦等への攻撃排除や事例2=米国が武力攻撃を受けた場合の対米支援がそれである。
これらの場合、明らかに日本国はA国の敵国となる。敵であるから日本国の一般国民が乗っている米国艦船も攻撃される可能性が高い。なぜなら日本の自衛隊員=A国から見れば兵士が乗ってるかもしれないから。あるいはそう言い張ることができるから。
つまり集団的自衛権行使は、日本の参戦を意味し日本国民を危険にさらす。

(3)上述の「基本的方向性」の場合を、安保法制懇の報告の想定(国名は挙げてないが)もっと具体的に考えてみよう。北朝鮮と韓国が戦争状態になって、米軍が集団的自衛権を行使して韓国側に立って参戦したとしよう。日本も(2)のように集団的自衛権を行使して参戦した場合、日本の自衛隊艦船で逃げる場合は攻撃される可能性が高い。日本の民間の船で逃げる場合は、攻撃される可能性は低いが0ではない。米艦船で逃げる場合は、攻撃される可能性が高い。
「突然の紛争」の場合、どのぐらいの船を用意しないといけないんだろうか。ものすごい数の船でないのか。それをすべて自衛艦が守ることができるのか。出来るとは、思えない。米軍と自衛隊で守るのも困難だろう。

日本が中立の場合、韓国内にとどまっていた方が良い。中立国であるロシア人や中国人やフランス人と同様、より安全である。米艦船で逃げるより安全であると考えられる。

安倍氏の上げた例では、日本国民が米国艦船で逃げることが間違いなのである。韓国内にとどまるのが安全とおもう。あるいは、日本の民間の船で逃げるのが正しい。繰り返すが、根本の問題は、米国艦船を守ると言うことの危険性なのである。米国を攻撃してくるとは、米国とA国が戦争をするということである。その米国艦船を守るとは、日本が参戦することである。
日本は即座に中立を宣言すべきなのである。そうして、日本人は韓国国内にとどまるか、日本の艦船・飛行機で帰国すればいい。
戦争放棄日本国憲法が日本国民を守るのである。

集団的自衛権は、日本国民の命と暮らしの安全を危険にさらす。


尚米艦に乗っている民間人を攻撃することは、日本への攻撃とみなすことが出来るかも知れない。その場合個別的自衛権で対応できると考えられるが、この場合でも上述のように日本も参戦することになる。それはやはり自衛隊員も含めて日本国民の命を危険にさらすこととなる。

日本のやるべきことは、戦争をしないと言う日本国憲法の堅持(=世界への宣言)と近隣で戦争が起こったら中立宣言を即座にすることである。そのため安保条約は廃棄した方が安全である。

俺はそう思う。

今日は、うれしいことがあった。かなりまとまった雨が降った。しばらく水かけから解放される。ただし雑草との格闘は激しくなるが。

それから、福井地裁による大飯原発運転再開差し止め命令と言うといううれしいニュースがあった。厚木基地の夜間飛行差し止めもいいニュースだ。

安倍内閣の行政優位路線に対して、司法が物申した。国会も頑張ってほしいな。


また、沖縄県教委が竹富町の公民教科書独自採択を認めたのもいいニュースだ。

こんな日もあるんだなあ。