日本政府のだらしなさ、情けなさ

NHKスペシャル「自衛隊はどう変わる」を見た。

番組は、離島防衛での戦闘を想定しての自衛隊の訓練の様子→安保法制が成立した経過→
PKO活動の拡大可能性の説明→ドイツPKO活動の失敗→自衛隊の訓練・PKOに派遣される隊員の出発の様子という構成であった。

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(1)特に新しい知見はなかった。

(2)日本政府の情けなさを再認識した。
安保法制の中心「集団的自衛権」導入の経緯についてである。尖閣での日中緊張亢進に不安を感じた日本政府が、米国に守ってもらうため、米国の要求に応じて集団的自衛権行使の法制を作ったと言う経緯である。抑止力強化とか対等の関係とかは国民向けのいいわけである。事実は、不安にかられた米国頼みである。それは、米国への忠誠を深くすることによる危険の増大である。
 集団的自衛権の行使を認めなくとも、安保条約上尖閣が攻撃されれば、米国は日本とともに戦うことが義務づけられている。その代償が日本の基地負担である。今の沖縄の人々の悲しみである。小野寺元防衛大臣は、尖閣関与に積極的でない米国を説得したと自分の手柄のように言っていたが、情けない。安保条約を確認すればいいだけなのだ。もし米国が集団的自衛権を要求したら、貴国に押し付けられた憲法上できない。もし守らないなら安保廃棄して、基地を撤去せよと言うべきなのである。情けない。

(3)ドイツPKOは、初め戦闘行為をまったく想定していなかった。しかし、米国をはじめとする諸国の圧力に負けて危険なところへ派遣され、50名以上の死者をだした。米国の「楽をしようとしている国がある」みたいな発言が怖かった。恐ろしい。日本の場合、政府は絶対断れないだろう。そうならないためには、安保法を廃棄し、憲法を盾に断るしかない。それは勿論卑怯じゃないと私は思うが、たとえ卑怯でも得なのである。どこの国も損得で動いている。日本も損得で動くべきである。何の恥ずべきことがあろう。馬鹿を見るな。

(4)中谷防衛相は、南シナ海での米国との共同行動やPKOでの駆けつけ警護を想定していないと言うが、いつ政府が想定するか分からない。政府にフリーハンドを与えてはいけない。安保法がなければできない。安保法を破棄すべきである。また、政府が想定しないのは、国民の反対が強かったからだある。反対がなかったら一歩踏み出しただろう。この意味では、法が廃棄になるまで、反対運動はやらねばならない。尚中谷防衛相は、いちいちメモを見ながら答えていた。何と情けないことか。深く考えてなかった証拠だ。

(5)自衛隊のインフラ整備活動は、自衛隊以外でできるし、やるべきものだと思った。自衛隊がやるとかえって危険が増す。武器を持たない組織でやるべきだ。お金だけ出してもいい。それでも協力である。そう思った。

(6)この番組では、国際平和協力法?(日本の安全に関係ない場合の、全世界での、自衛隊による後方支援)、と重要影響事態法?(日本に直接攻撃がなくとも、日本に重要な影響を与える場合の、全世界での米国等への後方支援)について触れていない。全体像を示してから説明すべきである。その意味では、政府寄りの番組と思う

(7)小さいことであるが、PKO活動・駆けつけ警護の説明では、武装勢力は、発砲しているのに、自衛隊は発砲していない。発砲することが可能なのにである。この意味でも政府に遠慮したと思う。

(8)全体的に政府の考えの宣伝に使われている感じを受けた。唯一、ドイツの事例で危険性を訴えているのだと思った。

(9)自衛隊員と自衛隊員の家族の皆様は、命が大切と思うなら、是非安保法制廃棄に力を貸してください。簡単なことでは、選挙で、自公おおさか維新などに投票しないでください。民主・維新・共産・社民・生活に投票してください。
残念なことですが、もし、海外派遣の上、死亡またはけがをしたまたは心の病になった場合には、政府を訴えてください。政府も名誉やお金を一杯くれると思いますが、命や健康以上に大事なものはありません。訴えれば、安保法は、憲法違反と言う判決が出る可能性は高く、その後の自衛隊員の命や健康は守られます。私は、20歳の自衛隊員や家族の様子を見て心からそう思いました。
自衛隊員の安全を考えると政府は言っていますが、ご存じの通り、またドイツの経験通り、海外派遣は危険が増えます、
命をかけても守るべき大切なものがあると思います。それが日本国にかかわることもあります。しかしそれは、安保法の想定する海外派遣ではありません。安保法は、不安にかられた自公政権の、思考停止の、米国親分だよりの、自衛隊の安売りです。日本国の誇りがありません。軍事力以外に、平和を守る手段は様々あります。米国がいつも正しいわけではありません。米国も自分の利益で動きます。そのために皆様が使われることになってはまずいです。
軍事力以外の平和を守る努力のかいなく、自国の領土を攻められた場合のみ、大変申し訳ないですが、自衛隊の軍事力を発揮していただきたいと思います。国民や政治家は、そうならないよう全力で努力すべきと思います。(それが自衛隊の皆様に戦っていただく条件だと思っています。)そうしても侵略を受けた場合、申し訳ないですが、戦ってください。憲法もそれは認めていると思うのです。普段には、軍事部門同士で、緊急事態がおおごとにならないような努力をお願いしたいと思います。勿論中国とです。
戦後軍事力として戦わなかったというのが自衛隊の誇りと思っています。勿論それは、日本国の誇りでもあります。勿論国民のでもあります。現憲法は日本側のみならず、マッカーサーを含む米国側の「地獄を見た人々の作った」、地獄を回避できる、全世界の平和を願う、日本国民の生きていく方針の宣言です。米英仏中露韓独伊その他と違う日本国のほこりです。
また、同じことを言ってしまった。かつ主題から離れてしまった。終わります。