「ヒトラーの野望」から、平和を考える

題程の大きなことじゃないけど、昨日も見たTV再放送の感想をかく。

昔放映して見た「映像の世紀」が再放映されたので、ビデオにとってみた。かつて何べんか見たので特に新しい発見はない。
第1、2は見逃してしまったが、3、4は見た。そのうち4の「ヒトラーの野望」を、戦争を起こした原因という観点からまとめる。。戦争を再び起こさないために。そして少しの感想を述べる。

(1)ヒトラーナチス・ドイツを生んだ背景
A.第一次大戦敗戦処理ベルサイユ条約でドイツをひどくいじめたこと。それが、ドイツ民族の生活を苦しめ、民族主義感情を高めてこと
B.世界恐慌の中で資本主義大国が孤立し、それぞれが支配する地域を求めたこと
C.ヒトラーがドイツの失業問題を解決し、経済発展をもたらしたこと
D.ドイツの人々が不安の中で、強い指導者=ヒトラーを頼り、支持していったこと
E.ヒトラーの演説のうまさー同じことを何度も繰り返す。宣伝のうまさーラジオという新しい情報媒体をうまく利用
F.ヒトラーが敵を作り出し、それを絶対悪と宣伝し攻撃すること。敵は、ベルサイユ体制とワイマール政府とユダヤ人。それにドイツ国民が乗ったこと。
(2)上記以外の第二次世界大戦の原因ーヨーロッパの戦争で見る
G.オーストリアチェコにドイツ系民族がいた。彼らがヒトラーを支持した
H.ヒトラードイツ国民の領土拡大意欲
I.1936年のラインラント進駐と1938年のズデーテン地方併合に仏・英が宥和政策をとったこと。それがドイツの侵略を許してしまったこと

上のようなことが、戦争をまねいたとするなら、戦争を起こさないためには、
A.敗戦国をあまりに追い詰めてはだめだと言うこと。それが民族感情を高ぶらせ、復讐心を燃え上がらせるから。
B.世界恐慌を起こさないこと。資本主義大国の孤立を招かないこと。資本主義大国の地域支配(ブロック経済)を認めないこと
D.E.F.
人々を不安に陥らせないこと。不安があっても、強い指導者に簡単には頼りにしないこと。うまい演説・情報操作に気をつけること
分かりやすい敵を設定する宣伝をうのみにしないこと
H.侵略を認めないこと。
I.侵略に対して断固たる態度をとること。
などであろうか。

第二次大戦後、大国同士の総力戦はなかった。それは、何故かは簡単に言えない。核という最終兵器の存在、自由貿易体制、パックスアメリカーナ、経済の支え合い組織、国連という外交の場、国連憲章他の国際法の存在、国際紛争調停機関の存在、社会主義の存在。様々あろう。しかし、そのもとになったのは、WWⅡの惨禍を再び起こすまいと言う平和を求める市民・国民・個人の声だと私は思う。そして世界恐慌が起きなかった幸運もあると思う。

今は、社会主義陣営が消滅し、パクスアメリカーナが揺らいでいる。核兵器は、多分+−両方であろう。とすると、自由貿易体制・経済の支え合いの仕組、国際連合・外交・国際法国際紛争調停機関を重視する必要がある。何よりも、平和を求める個々人の声が大事と思う。WWⅡの惨禍を忘れるな。日本国民は、日本の加害を忘れるな。それが東アジアの信頼・安心・安定の基とおもう。

世界恐慌を起こさないことも重要。水野和夫氏「資本主義の終焉」をかつて読んだ。彼が言うのがほんとなら、搾取するところがもはやない資本主義がどのように終わるか、それが戦争を引き起こさないか、を心配する。小泉氏や安倍氏や橋本氏をもてはやす心性=考えを停止し、強く見える指導者に従いたがる日本国民のあり方を心配する。ネトウヨ氏や嫌韓中氏の、敵を作ってそれに自分の不幸の源泉を見つけようとする姿勢、そんなことも心配だ。

南京大虐殺のことにも触れていた。現政権の姿勢を見ると、やがて南京大虐殺に触れる番組が作れなくなるのじゃないかという心配もある。政権交代を望む。