日本が真珠湾攻撃をしなかったら世界の姿はどうなっていたか

昨日に引き続き雨なので、Nスペ・新・映像の世紀第三集「時代は独裁者を求めた」(2015年12月20日)を見た。前に見た時の感想は、「ドイツ国民がヒトラーを支持したのも無理はない」というブログに書いた。

今回は、別な感想を書く。

日本が真珠湾攻撃をしなかったら、世界の姿はどうだったのかという疑問が頭に浮かんだ。

 というのは、1941年段階で、アメリカのGM、フォード、デュポン、IBM、スタンダードなどは、ナチスドイツへの投資を行い莫大な利益を得ていて、米国民も戦争に参加することに反対多数という情勢にあったからである。その情勢を変えたのが、日本の真珠湾攻撃である。ナチス・ドイツに賛同していたリンドバークは、「米国が戦後お付き合いする欧州は、ドイツ中心かもしれない」と演説でいっていた。リンドバークは、次期大統領の呼び声も高かったのだそうだ。
  
 米が参戦せず、独ソ戦、英独戦、日中戦が行われていたら、日独(伊)の負けであったろうか。日中戦は、日本の勝利はなかったろう。既に4年戦って日本が負かすことが出来なかったのだから。妥協はあったか?分からない。独ソはどうか。レニングラードで負けたドイツは、その後簡単には負けなかったかもしれない。ソ連共産主義を倒す方に米国が動いたかもしれない。英はどうか、英本土攻撃を独が諦めれば、英独は妥協するかもしれない。
 
 以上は、いずれも空想の世界で、殆ど無意味であろう。しかし、戦後日本の、自由・民主主義・人権の、絶対的大先生である米国が、戦前にナチスドイツへの投資で儲けていたという事実、米国内に、ナチスドイツ称賛の声もあったことは、忘れてはならない事実である。ユダヤ資本が強い米国でも、当時ユダヤ抑圧を知らなかったはずがない。その米国でも、「反ナチス」で戦争に参加しなかったのだ
我々は、戦後、「WW2は、米国の正義の戦争、悪のファシズムを倒し、自由・民主主義・人権を世界に広めた戦争」と習った。それが間違いとは言えない。しかし一方、米国も自国の利益で、ファッシズムを見逃すということもあることは、絶対忘れてはいけないと言うことである。
  
 だから、安倍首相のように、「米国が日本を守ることは絶対」と考えて行動するのは、危険である。米国が日本より中国を優先する可能性は高い。日米安保を前提にしない、日本独自の戦略は是非必要だ。その戦略とは、米国のもつ普遍的価値=自由・民主主義・人権を推進すること、この普遍的価値(その根本は、理性)の先にある、国際法に基づく国際ルールの構築を安全保障政策の基本にすべき、そんなことを思った。

(2)ナチスの全権委任法の成立について

1933年ナチスは、全権委任法を成立させた。
全権委任法は、議会が制定すべき法律を内閣が作るとする法律である。議会が不要になる。議会議員は選挙で選ばれるので、そこで制定される法律には、国民の意思が反映する。すなわち民主政治である。しかし、全権委任法は、議会を無意味化し、民主政治を否定する。また、行政と議会の抑制と均衡をなくしてしまうので、行政による独裁政治である。

1933年段階では、ナチスは議会の過半数に達していなかったが、全権委任法は成立した。それは暴力をちらつかせたことと他の野党を懐柔したことによる。結局、社会民主党以外は全権委任法に賛成した。そしてナチスによる独裁政治がすすめられた。


現在我が国の政治情勢は、内閣(行政)と議会(国会)を握る安倍自公政権が、まったく思い通りの政治をしているように見える。法律でいえば、内閣が必要と思う法律を、内閣が絶対に通そうと思えば通るのである。それが憲法違反の疑いが濃いと言ってもである。特定秘密保護法、安全保障関連法がその象徴である。これらの法律には、国民も反対意見の方が多かった。これまでこれらの法律がなくともやってこれたのに、無理に成立させたのである。
 
現在の日本は、全権委任法がなくとも、独裁政治に近い政治状態と感じられる。やがて事が起こって裁判になれば、憲法違反と言う判決が出るであろう。しかしそれでは遅いのである。今度の国政選挙で、少なくとも安保法制廃止と言う勢力の勝利がなんとしても欲しい。

また、自民党憲法草案 第9章 緊急事態条項創設が頭に浮かんだ。

これは、総理大臣が、ある状況を緊急事態と認定すれば、法律(と同じ効力を持つ政令)を公布することが出来、その法律に基づいて出される行政(国その他の公の機関)の命令に、何人も従わねばならぬと言うことを、憲法にしようと言うものである。
この条項に、国会の縛リはあるが、現状を見れば、国会の縛りは、無意味なのは明白である。
 
つまりは、緊急事態の場合、憲法<法律<政令=内閣の意思としたいということである。緊急事態を認定するのも内閣である。ようするに、政府が好き勝手にしたいと言うことなのだと思う。
 
これは、ドイツの全権委任法と同じものである。
 
国内にいる全ての人(何人と書いてあるので、国民よりも広く外国人も含めて)に命令を出す場合、人権保障については、「最大限の尊重をされなければならない」と書いては、ある。しかしこの文脈上の文言である。行政が、「最大の尊重をしました」と言えばそれでおわりだ。(笑)。
 
今気付いたのであるが、この「最大の尊重すべき人権」の例示に、改正案11条と13条が抜けている。11条は「侵すことのできない永久の権利」13条は、「個人として尊重」「生命・自由・幸福の権利」である。そうか、緊急事態では、人権は侵害されるよ、と言いたいんだな(笑)
 
この憲法改正草案に通底する、「行政がやりやすいように、人権は邪魔」という思想が見える。これが自民党の本音だろう。
永遠の政権維持者と自分を考えているのだろう。

も一度の政権交代が欲しい。または国会での勢力拮抗が何としても欲しい。
 
安んじて、畑仕事や旅行や友人付き合いや釣りや読書や映画や散歩に興じるために。

大分ビデオの感想から外れた。