原町スタンデイング/ツケはすでにきている(中村哲医師)

東北南部は、まだ梅雨明け宣言はないのですが、昨日、今日とかなり暑くて、梅雨明けしたような感じです。

そんな中で、恒例(9につく日)の原町スタンディングの応援に行ってきました。

原町のメンバーです。ちと見えませんが、女装のおじさんもいました


この前「安倍政治をほうきで一掃」を作った人の新作です。岸信介爺さんと
ヒトラーは、分かるのですが、「まずはこれから」と言っている、右側の人は誰なんでしょう。


原町駅へ向かう、原町のメンバー達です。旗が風になびいてますが、
今週末始まる「相馬野馬追」の旗です。この駅前通りから武者行列が、雲雀ヶ原へ出撃していきます。

話は変わります。
昨年入会したぺシャワール会の会報が届きました。中村哲医師のパキスタンアフガニスタンの医療活動を支援し、情宣や募金をする会です。会費は年額三千円です。中村哲氏は、ご存じの通り、医療活動以外に「緑の大地」計画と言って、アフガニスタンで、堰や用水路・護岸堤・植樹等を行い、2020年まで1万6千ヘクタールを農地化し、65万人(会報128号より)に、農地を供給すると言う大きな計画の中心人物です。つまりは、65万の難民を農民にすると言うことです。なんと言う大きな国際貢献でしょう。

これに比べれば、安倍政治の「積極的平和主義」の掛け声のもと制定された国際平和支援法の、何と言う、ちっぽけさ、ウソ臭さでしょう。国際平和支援法は、いわゆる安保法の一つです。ある「悪い」どこかの国・民族・武力集団に対して、国際的に組織された軍事力を、自衛隊が「後方で支援」すると言うものです。

たとえば、「悪い」イラク国を、米英軍が攻撃する時、自衛隊は、後方で支援する事が出来ると言う法律です。

2003年のイラク戦争の時、この安保法があったなら、小泉首相の判断でイラク戦争中、戦闘が行われていない地域(いつ戦闘が波及するかわからない地域)で、自衛隊が燃料・武器・弾薬を供給・運搬していたでしょう。

イラク戦争は、イラク国を破壊し、その結果イラクは今も不安定です。イラクでは、ご存じの通り先日も大きなテロがありました。また、イラク戦争イスラム国を誕生させた大きな原因と言われています。

イラク戦争は、イスラム国を生み、かつどれほどの難民を生んだことか。国際平和支援法は、こんな結果をもたらした米英軍に、自衛隊を加担させるものです

翻って中村哲医師達の行動は、難民を生むのではなく難民を農民にするものです。「会報」によりますと、2015年の予算は、約三億七千万円です。そのうちの約三億円が会費や寄付です。補助金0円です。つまりは、日本政府からのお金(税金)はまったく出ていないのです。

皆さんどう思われますか。
国家からお金(税金)をまったくもらわず、65万の難民を救おうとする民間日本人と自衛隊を後方でも軍事作戦(税金を使う)に協力させようとする安倍政権、どちらが国際貢献でしょうか。どちらが日本国憲法の平和主義の方向でしょうか。明らかですよね。安保法制廃棄!安倍内閣打倒!

日本国憲法前文
「・・・我らは、平和を維持し、先制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。我らは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏からまぬかれ、平和のうちに生存する権利を有する事を確認する。・・・・日本国民は、国家の名誉をかけ、全力を挙げてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う」

第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2項 前項の目的を達するため、陸海空その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権はこれを認めない

日本国民は、「戦争や武力による威嚇や武力の行使」ではなく、「陸海空軍その他の戦力」を使わず、交戦権も行使せず、イラク国民やアフガニスタン国民やそのほか全世界の国民が、「恐怖や欠乏」がなく、平和に生存するため、全力を尽くすと決意したのです。

つまりは、中村さんたちのような活動を、全国民の力を尽くして遂行すると言うことです。それには、いろんな方法があるでしょう。

自衛隊という軍事力による国際紛争解決」という考え方は、米英仏ロ中独伊印等の考え方です。自衛隊の軍事力は、最低評価でも10位以内です。その強力な軍事力を、国際紛争の解決のために使わないなんてかっこいいじゃないですか。列強のまねごとなんてする必要ありません。これこそ、日本国の誇りです

自衛隊を使うのは、国際紛争でないとき=自国が侵略された時だけです。かっこいいじゃないですか。

中村さんは、今年の会報でこんなことを言ってます。
最近・・「緑の大地計画」が注目を集めているのは、必ずしも喜ぶべきことではありません。アフガン農村の荒廃がさらに進み、飢餓人口が以前として増え続けているからです。・・進行する事態は、生やさしいものではありませんが、私たちは絶望しません。・・・

虚飾の時代です。利を得るためには手段を選ばず、欺き、殺してまで目先の富を守ろうとする風潮が世界中で目につきます。「近代」は実を失い、道義の上既に廃頽しました。経済成長という怪しげな錬金術にすがり、不老不死の夢を追い、自然現象まで科学技術で制御できるかのような進歩信仰は虚しく、人間の品性と知性は却って退化したようにさえ思われます。
ツケは既にきています。「テロとの戦い」は、世界中で宗教的偏見を煽り、狂気を呼び起こしました。アフガン報復爆撃から16年、今国際世界は暴力化し、得体のしれぬテロの恐怖におびえています。豊かさを求めて原子力に慄き、貪欲に富を求めてカネの下僕になっていくようです。GDPも防衛力も、恵みを語りません。「景気回復」は至福を約束しません。戦で死者は増えても、貧困と飢餓はなくなりません。
東部アフガンという辺境の一角で、世界の流行に惑わされず、ここまでこれたことに感謝します。今後も変わらず心ある人々と協力し、実のある歩みを続けて行きたいと思います。そのことが、次の世代を拓く確実な手掛かりだと信じるからです。

軍事力による国際紛争解決」のツケが来ているのが今だと思っています。