安倍政権に日本を任せておいて大丈夫なのでしょうか

安倍政権は、日本国民全体の利益=国益を考えていないように見えます。

私がいちばんそう思うのは、安倍政権によって作られた安保法制です。

安保法制で認められた集団的自衛権は、日本が攻撃されていなくとも、日本政府の判断で、米国を守るため日本も参戦できるというものです。安倍さんは、それが対等な同盟関係だとか、日本を守るため活動している米国を、日本が手助けしなくていいのかと言っていました。(ナイーブ過ぎる)
しかし、米国が日本を守るのは当然の義務です。日本は、迷惑な基地を引き受けているのですから。米国は米国の利益のため日本に基地を置いています。ですから米国を守るため、日本は手助けする必要はないのです。安倍政権は、国益を損ねています

安倍政権の国益無視で、私が今一番心配しているのは、ロシアとの関係です。12月ですか、プーチンが安倍さんの山口に来るようです。その時、安倍政権が、ひょっとしたら歯舞・色丹のみ返還で平和条約締結をするかもしれません。勿論、平和条約締結は、いいことと思います。しかし、国後・択捉はどうなりますか。日ロ和親条約で国境を画定した国後・択捉も含めた北方四島が、日本の領土と思います。(あるいは、千島全島が日本領≒明治初期の条約)これまでの日本政府の主張です。これを歯舞・色丹のみで手打ちと言うのであれば、大損です。しかもこれは、旧ソ連の日ソ中立条約違反の参戦を認めることとなります。もっと重要なことは、現状で日ロが手打ちするのは、、ロシアのクリミヤ併合という無法を認めることです。今米国・EU・日本が経済制裁していることを弱体化するからです。ロシアの無法を認めることです。勿論安倍政権は、ニ島返還は、先行返還で、あくまでも4島返還を目指すと言うでしょう。そのシナリオらしきものも言うでしょう。しかし、これまでのソ連・ロシアを見れば、国後・択捉が簡単に戻ってくるとは、まったく思えません。(そう思うならナイーブ過ぎます)

ロシアは、今クリミア併合で批判されています。それを2島のみ返還で助けると言うのは、日本の国益になりません。「ソ連・ロシアの無法を認めて、国際社会のルールを認めないダメな国」と、世界から日本が見られる事になるからです。大損です。EUが英の離脱で混乱、米が大統領選で混乱と言うことをチャンスに、安部政権が2島返還を実現させようとしているならば、後でEUや米国から大きなしっぺ返しをされるでしょう。これも大損につながります。

もし日ロの接近で中国封じ込めを狙うならば、それは、判断ミスです。ロシアと中国、どちらも食えない存在ですが、日本はこの二者選択なら、中国を選ぶべきです。日本は、中国侵略という負い目があります。ロシアは日本に条約違反・シベリア抑留と言う負い目があります。もしこのどちらかと対立するなら、日本は、中国に弱みを握られていて、強く出られません。中国は喧嘩すべきでない国でしょう。(その意味で戦前の日本の政権は、大きな負の遺産を私達に残したと思います)勿論歴史・文化の面~言っても、経済関係で言っても、明らかに中国を重視すべきです。

安倍政権は、この平和条約締結を政権の浮揚力にしようと考えるのではないかと思えて仕方ありません。その時「私は、これまでの政権が出来なかった北方領土返還に道を付けた」と言って、成果を誇るでしょう。しかしそれは、上で言いましたように、ニ島返還のみでは、実は損をしているのだとおもいます。安倍政権は、国益より政権維持を目指す、国民全体に損な政権と思います。ですから、2島先行返還をするかもしれません。危ないです。

この日ロの交渉について、どのような交渉をしているのか分かりません。しかし国益に反する内容ならば、その匂いが漏れてきてもいいと思います。しかし、あまり匂ってきません。正義感を持つ外務省官僚がリークしてもいいはずです。あるいは正義感でなくとも、4島返還、3島返還が良いと思う外務官僚の匂わせがあっていいはずです。しかしなさそうです。ここにも、安部政権が作った希代の悪法=特定秘密保護法が、陰に陽に効いていると思っています。さらに、沖縄返還の密約のように、政権が裏で日本の国益を損じているかもしれません。それが出にくくするのが特定秘密保護法です。正しい判断は、他の考えとの比較の中からしか出てきません。特定秘密保護法は、廃止すべきです。

稲田防衛大臣が「神武天皇以来の日本の伝統」云々と発言しました。文化の日を「明治の日」にしようとする運動の中での発言です。中高生に笑われるような発言です。神武天皇が明治政権の捏造と言うのは、常識です。神武即位の紀元前660年(2月11日)は、縄文時代末期です。天皇がいるはずがありません。稲田さん個人がどのような発言をして笑われてもかまいませんが、現在稲田さんは、重要閣僚です。こんな人を閣僚に持つ安倍政権は、非理性的な、そして神武天皇以来の万世一系天皇主権肯定=(国民主権を否定)しようとする危ない政権です。今日葬儀が行われた三笠宮は、建国記念の日(戦前の紀元節)制定の時、皇室の一員でありながら、建国記念の日制定を、史実に反すると批判したそうです。安倍政権は、危ない政権です。

日本国民が、安部政権を支持した一番の理由は、アベノミクスだと思います。安倍政権は、日本の停滞の原因はデフレで、インフレにすれば、経済成長が出来、皆幸せになると言い、市場にお金を大量に供給しました。その結果、円安になり、輸出企業は大もうけをしました。一方輸入品は高くなりました。実質賃金は低下し、一般庶民の生活は楽になりませんでした。求人倍率が好転したと言いますが、団塊の大量退職と非正規雇用の増大を考えれば、雇用状況が改善されていると言えないと思います。インフレ目標%は、いつになっても達成できません。一方政権は、インフレをもたらすため、国債を日銀に買ってもらうという方法を取ってきました。安易で危険な方法です。その結果、国債残高は、民主党政権の最期の744兆円から今年の見込み838兆円と100兆円近く増やしました。借金が増え、一般庶民の生活が楽にならず、経済も成長出来ない訳ですので、アベノミクスが失敗と言うのは、明白でしょう。

こんな安倍政権に日本を任せておいて良い訳ありません。

そう言いますと、ではどんな政権が良いのだ、安倍さんしかいないじゃないかと言う人もいると思います。しかし、安倍政権は、これ以上ない最悪の政権と思います。いい点と言ったら決められることだと思います。しかし、悪いことを決めるよりは、決められない方がいいと私は思います。

安倍政権を支持することは、じり貧を避けてドカ貧になった太平洋戦争と同じ選択のように、私には思えます。